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異世界に勇者召喚されたけど、冒険者はじめました  作者: カーブミラー


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104/648

104【剣を作ったら】

続きを読んでいただき、ありがとうございます。励みになります。


少し短いため、3話連続投稿します(2話目)

 それから二週間ほどで、《探索の神獣》も回復した。いい食事と安心して眠れる環境のおかげだろう。オレたちの特殊性は、そういうものだと思われるようになった。悩むのもバカバカしい、という感じだろう。

 彼らには、兵士の剣を潰して、新たな剣を拵えた。ミスリルを少々加えて。日本刀のような鍛造ではなく、鋳造だ。

 ハルキとランドルフに打ち合ってもらった。両方とも同じ剣で。

「どうだ?」

「ふつうの剣よりもいい。うん、悪くない」

 ダルトンも手にして、見る。

「同じ剣での打ち合いで、刃こぼれしていない。いいねぇ。今度は鍛冶師かい、サブ?」

「ガラス作りの延長だ。本職の人に(かな)うわけがない」

「だけどさ、気付いていないみたいだけどさ、これ、魔法剣だよ?」

「ん? 魔法剣?」

 鑑定さん、よろしく。ウオッ!

 ダルトンが使って見せる。魔力を込めると、刃先から水が滴り落ちる。さらに大きめの石に振り落とすと、ウォーターカッターとなり、石を両断した。

「本職の人でも大変なんだよ。本職の人に謝りなさい、サブ」

「ごめん」

「さて、《探索の神獣》のみなみな様。使う?」

 宣伝しておきながら、選択肢はあるようでないよね、それ。

 当然ながら、全員が受け取った……と思ったら、エルフふたりは、弓矢とナイフを所望した。

「ナイフなら、あるよ」とナイフを出す。

「なんであんのさ?」とダルトン。

「全員分作った。さすがに弓は、ダメだ。お遊びにしかならない」

 ふたりは、ありがとう、と礼を言ってくれる。弓と矢は、そのナイフを使って、自分たちで作るらしい。


 その後、全員の連携が噛み合うようになった。オレは別。仕方ないよね。戦力外だって言われてるんだし。でもオレはオレで頑張ってるよ。魔導具で。


 彼らは、何度か遠征し、持久力を高め、森の中での野営訓練をする。

 オレは、ラキエルと一緒にお留守番。

 ラキエルもそれがわかっているのか、魔獣のお誘い遊びはしない。つまらなそう。

 留守番でも、魔導具開発します。実は以前から作りたかったものがあるのだ。というか、もうできてはいる。あとは実験と微調整するだけ。

 魔導具を起動。ゲージを上げる。ゆっくりと上昇。浮遊魔法の魔導具を改造して、高さ調整可能にした。

 で、ちょっと高いかなぁ、というくらいに上がったら、次の準備をして、スイッチオフ。落下。

 別の魔導具を起動。落下が緩やかになる。そして、着地。

 実験成功。

 これは、エアークッション。そのままである。安全装置だ。風魔法で衝撃を吸収する。上空で魔石の魔力切れたら、落ちるしかないからね。安全装置は必要だよ。

 何度か、上がったり下がったりしてると、ラキエルが“何してるん?”という目で見ているのに気付いた。

「いずれ、ここを出ていかなきゃいけないからな。その準備さ」

 ラキエルは、鼻息漏らして、草を食むだけだった。はいはい、って感じか。


読んでいただき、ありがとうございます。面白ければ、ブックマーク、評価をお願いします。励みになりますので(汗)

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