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異世界に勇者召喚されたけど、冒険者はじめました  作者: カーブミラー


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103/648

103【集落の最後】

続きを読んでいただき、ありがとうございます。励みになります。


少し短いため、3話連続投稿します(1話目)

 拠点に戻り、報告。

 やはり、隷属魔法を使う魔獣は誰も知らない。

 鑑定さんは、数種いると教えてくれたが、特定できない。

 しばらくようすを見ることにする。その役目は、今日の三人。


 数日後。ようすを見に行くと、オークたちは死んでいた、痩せこけて。

「どうやら食事も摂らせずに働かせていたみたいだね。オーガは?」

「オークもオーガも生きている。でも先日の位置から動いていないな」

 ふむ、と考えているダルトン。それから口にする。

「オイラ、見てくる」

「無理しなくてもいいぞ?」

「そうもいかないでしょ。とりあえず、入り口から覗くだけさ」

「わかった」


 しばらくすると、洞窟入り口にダルトンが姿を現した。ローブとマスクを脱いで。手招きしている。隷属魔法は掛かっていない。

 サーリとともに、入り口へ。

「大丈夫。中を見て」

 入っていくと、洞窟の壁際にオークたちがいた。生きている。でも動かない。それもそのはず。彼らは繭に包まれていた。

 鑑定さんが反応。

「“ドミネイト・ビー”のサナギの繭だそうだ」

「“ドミネイト・ビー”? 初めて聞く」「私もです」

「ハチ系の魔獣。オークなんかに卵を産んで、生きたエサにする。で、まわりのオークなんかを支配して、卵の孵化を守らせる」

 奥には、オーガが同じように、繭に包まれていた。

「だいぶ成長しているな。オーガが生きているのが不思議なくらいだ」

「どうする?」

「これはさすがにほっとけないだろ」

 ふたりもうなずく。

「よし。親は場所を整えたら、戻らないようだ。ここを熱爆弾で塞ぐ」

「熱爆弾?」

 新たな魔導具を取り出す。

「コイツは、魔導コンロの原理を応用した魔導具だ。高出力だから使い捨てなんだ」

 入り口近くに移動。

 魔導具のスイッチオン。

 すぐに退避する。

 見ていると、入り口のまわりが真っ赤になっていく。溶けた岩石が滴り落ちていく。

「少なくともこれで成虫になっても出てこれない」

「すごいですね」

「さて、オークの片付けをしようか」

 アイテムボックスの出し入れで、オークの死骸を集める。

 ダルトンが火魔法で焼く。サーリが風魔法でその火を煽る。

 オークの素材は、たぶん取れるかもだが、ちょっとその気にならない。そのままにするのも後々まずそうである。だから焼く。


※ドミネイト・ビー

  独自魔獣。支配する蜂、という意味。


読んでいただき、ありがとうございます。面白ければ、ブックマーク、評価をお願いします。励みになりますので(汗)

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