102【集落の鑑定】
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少し短いため、3話連続投稿します(3話目)
オレたちは装備を整え、出発した。ふたりは飛ぶように走る。
クッ、置いていかれる。わかっていたさ。
オレは、腰のスイッチを入れた。魔導具が魔法を発動する。腰が持ち上げられる。浮遊魔法だ。とはいえ、体重軽減程度だが。
あとは、足を動かすだけ。
少しすると、ふたりに追いついた。
「大丈夫ぅ、サブ?」
「魔導具に頼るしかないがな。あの四人はこの速さについてこられる能力は?」
「さすがにオイラにはついてこれないよ。まだまだだね」
「それは仕方ない。だが、持久力が問題になりそうかな?」
「そうだね。今度、森の中を走らせてみるかな」
「疲れそう。サーリ」
「なぁに?」
「身体は大丈夫? 無理とは思ってないけど」
「ええ。ゆうべ、安心してぐっすり眠れたおかげで、無理はないわ」
「そうか。なら、いい」
「聞いていい?」
「どうぞ」
「いずれはここを出るつもり?」
「ああ。ここは飯には困らないが、衣服に困る。男はいいが、女性は困るだろう?」
「確かにね。お風呂もあって快適。でも服はいろいろと欲しいわね」
「だね。そろそろ黙って進もう。まだオークもオーガも引っかからないが、ほかの魔獣もいる。注意してくれ。左前方にウルフ。まだ気付かれていない」
そうやって、簡単な注意を促す。
集落手前で足を止め潜む。ローブとマスクを全員が装着。ロープで繋がる。
オークたちは、働いていた。
働いている?
ふたりも信じられないようだ。
柵を張り巡らせ、小屋を建て。
休んでいるオークがいない。
「サブ」と小声のダルトン。「オーガは?」
「見つけた。洞窟の中だ。三頭とも奥だ。オークどもが、まるで整列しているようだ」
「変ね」とサーリ。「今までこんなおかしい行動するオークもオーガも初めてだわ」
「同感だね」
オレは、オークの一匹を鑑定した。信じられず、次々と鑑定。
「オイオイ、あのオークたち、隷属魔法を掛けられているぞ」
ゲッ、というダルトンの呻き。
「いったい誰が?」とサーリも驚いている。
「オーガはわからないが、少なくともこの集落は異常だ。どうする、ダルトン?」
「わからない。まわりは、どう?」
索敵を広げる。魔獣はいるが、ふつう。ゴブリンも群れてはいるが、たいした群れではない。
「脅威的な魔獣はいないな。隷属魔法を掛けられる魔獣なんているのか?」
「知らないよ」「私も」
「“ヤブをつついて、ヘビが出る”か」
「何?」
「いや。ここにいても仕方ない。戻ろう」
ふたりも賛同。
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