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異世界に勇者召喚されたけど、冒険者はじめました  作者: カーブミラー


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102/648

102【集落の鑑定】

続きを読んでいただき、ありがとうございます。励みになります。


少し短いため、3話連続投稿します(3話目)

 オレたちは装備を整え、出発した。ふたりは飛ぶように走る。

 クッ、置いていかれる。わかっていたさ。

 オレは、腰のスイッチを入れた。魔導具が魔法を発動する。腰が持ち上げられる。浮遊魔法だ。とはいえ、体重軽減程度だが。

 あとは、足を動かすだけ。

 少しすると、ふたりに追いついた。

「大丈夫ぅ、サブ?」

「魔導具に頼るしかないがな。あの四人はこの速さについてこられる能力は?」

「さすがにオイラにはついてこれないよ。まだまだだね」

「それは仕方ない。だが、持久力が問題になりそうかな?」

「そうだね。今度、森の中を走らせてみるかな」

「疲れそう。サーリ」

「なぁに?」

「身体は大丈夫? 無理とは思ってないけど」

「ええ。ゆうべ、安心してぐっすり眠れたおかげで、無理はないわ」

「そうか。なら、いい」

「聞いていい?」

「どうぞ」

「いずれはここを出るつもり?」

「ああ。ここは飯には困らないが、衣服に困る。男はいいが、女性は困るだろう?」

「確かにね。お風呂もあって快適。でも服はいろいろと欲しいわね」

「だね。そろそろ黙って進もう。まだオークもオーガも引っかからないが、ほかの魔獣もいる。注意してくれ。左前方にウルフ。まだ気付かれていない」

 そうやって、簡単な注意を促す。


 集落手前で足を止め潜む。ローブとマスクを全員が装着。ロープで繋がる。

 オークたちは、働いていた。

 働いている?

 ふたりも信じられないようだ。

 柵を張り巡らせ、小屋を建て。

 休んでいるオークがいない。

「サブ」と小声のダルトン。「オーガは?」

「見つけた。洞窟の中だ。三頭とも奥だ。オークどもが、まるで整列しているようだ」

「変ね」とサーリ。「今までこんなおかしい行動するオークもオーガも初めてだわ」

「同感だね」

 オレは、オークの一匹を鑑定した。信じられず、次々と鑑定。

「オイオイ、あのオークたち、隷属魔法を掛けられているぞ」

 ゲッ、というダルトンの呻き。

「いったい誰が?」とサーリも驚いている。

「オーガはわからないが、少なくともこの集落は異常だ。どうする、ダルトン?」

「わからない。まわりは、どう?」

 索敵を広げる。魔獣はいるが、ふつう。ゴブリンも群れてはいるが、たいした群れではない。

「脅威的な魔獣はいないな。隷属魔法を掛けられる魔獣なんているのか?」

「知らないよ」「私も」

「“ヤブをつついて、ヘビが出る”か」

「何?」

「いや。ここにいても仕方ない。戻ろう」

 ふたりも賛同。


読んでいただき、ありがとうございます。面白ければ、ブックマーク、評価をお願いします。励みになりますので(汗)

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