010【パーティーとして】
ギルマスは頭を振りながら、立ち上がる。
「おまえたちは、一芸に秀でているんだな。わかった。では、今度はパーティーとしての実力を見せてもらおう。オレという敵を倒せ。遠慮はするな」
ギルマスは木剣を持ったまま、その場を動かない。
四人は前衛をハルキとエイジ、後衛にキヨミとマナミが陣取る。
まずは、ハルキが打って出る。
木剣を振り上げ、ぶつかり合う。
だが、ギルマスにタイミングをずらされ、バランスが崩れる。
そんなハルキを避け、前進するギルマス。
そのギルマスにエイジは突っ込む。
ギルマスはエイジと木剣を数合合わせ、エイジの足を払い、エイジはその場にひっくり返る。
さらに進むギルマス。
そんなギルマスに向かって、詠唱を終えていたファイヤーボールを打ち出すキヨミ。
ギルマスは、木剣で弾いたり、避けたりして、さらに接近。
最終的には、キヨミ、マナミの頭へと木剣が軽く当てられた。
「おまえたち、連携がなっていないな。なぜ、ひとりひとりでかかってくる? まるで自分たちの利点を活かせていないぞ。ひとりひとりの能力は高い。だが、パーティーとしてはレベルが低い。いつからパーティーを組んでいる?」
「今日が初めてです」とエイジが答える。
ギルマスが呆れて笑い出す。
「それでもよく知る仲なんだろう? 幼馴染とか」
「まぁ、そんなところです」
「なるほど。だが、連携はきっちりしておけよ。今みたいなことになるからな」
「はい。ありがとうございます」
「それとなぁ、老婆心だが、その言葉遣い、やめろ。いいとこの坊っちゃん嬢ちゃんにしか聞こえん。例え、そうでも、ほかの冒険者たちに舐められるぞ」
あぁ、ここにもテンプレが……。
「わ、わかった」
ギルマスは苦笑い。
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