災害の影
天使が去った後、ムギニはすぐに緊急会議を召集した。
アルカディアの主だった幹部たちが集まり、魔王マンタティクスと共に、デスフェニックスの襲来に備えるための対策を話し合う。
会議室の中、空気は緊張で張り詰めていた。
ムギニが話を切り出す。
「天使様が言った通り、デスフェニックスが3日後にここを通過する、皆、その脅威を理解しているな?」
幹部たちは神妙な面持ちで頷いた。
エスも真剣な表情で話を聞いているが、ハルカはその様子に圧倒されながらも、デスフェニックスという名が持つ恐怖をまだ完全には理解していなかった。
「デスフェニックス……それって一体どんな災害なの?」
ハルカが疑問を口にすると、ムギニが説明を始めた。
「デスフェニックスは伝説の存在で、災害として知られている、通過するだけで周囲がマグマになり、全てが焼き尽くされる……それに、これは噂だが、奴は羽が一枚でも残っていれば再生するらしい」
ハルカはその話に驚愕し、目を見開いた。
「そんな……どうやって対処すればいいの?」
ムギニはため息をつき、重々しく答えた。
「災害というのは地震や台風と一緒……自然現象だ」
「そんな……」
「だが、我が魔王様も災害認定された程の実力の持ち主だ!」
みなそこで一斉にマンタティクスを見ると、静かに口を開いた。
「手はある……」
その言葉に幹部達は安堵の声をあげていた。
「だが、大量の魔力が必要になる……お前達は少しでも多く住民達に声をかけ戦う意志のあるものを集めろ」
「「「「御意」」」」
幹部たちはそれぞれの持ち場での準備を確認し、全力で対応に向かった。
「俺たちも準備をするぞ」
エスがそう言って部屋を出ようとすると__
「人間の女、話がある」
「え?」
ハルカだけ止められる。
「お前だけ残れ」
「……」
エスはハルカの肩を叩き、部屋を出て行った。
「な、なんでしょうか」
「……」
重い雰囲気が漂い、ハルカの頬から汗が流れる。
しばらく沈黙が続き、マンタティクスは言葉を発した。
「あの方は…………ネバーさんはどこにいる?」




