採取依頼!……初心者冒険者!
「それで、何してたんだ? マスター」
場所を移して、マスターの口をゆすがせるために川まで来た。
「依頼です……採取依頼」
なるほど。
冒険者登録して、そのまま依頼受けたって流れか。
どおりで帰ってこないわけだ。
「……せめて一言言ってくれ。いきなり呼び出されると、対応に遅れることもある」
……と、思う。
今回はたまたま上手くいっただけで、運が悪けりゃ即死だったかもしれないし。
「ごめん……」
素直に謝られると、責める気も失せる。
「俺は魔物じゃない。考えることができる存在だ。君と俺は、相棒みたいなものだろ?」
「……」
「これから一緒に、辛い道のりも乗り越えていこうな」
……あ、やべ。
今のセリフ、ちょっとクサすぎたかも。
こちとら、未だに厨二病が治りきってない高校生だぞ!?
「……ごほん。それと、これを預ける」
そう言って、背負っていたバスターソードを肩から下ろし、マスターに手渡した。
「え、でもこれって……」
「俺は素手でも戦えるしな。それに、この武器は特別製だ。そこらの武器とは格が違う、唯一無二の性能を持ってる」
まぁ、そんな性能が本当にあるかは知らないけど。
正直、さっきみたいにグロいのはもう見たくないだけだ。
できれば、R指定かかったゲームみたいに血の表現オフにしたいくらいなんだよ、マジで。
「命を守るための武器を託す。それは、俺のいた世界じゃ“信頼の証”なんだ」
──嘘です。
日本でこんなもん渡したら、銃刀法違反で即逮捕です。
「……はい! っ……!?」
素直なマスターが、バスターソードを受け取った瞬間――
シュルシュルシュルッ!
まるでドラ◯もんのスモールライトでも浴びたかのように、剣が縮んでいった。
小さくなった剣は、マスターの背丈にぴったりサイズに変化する。
「す、すごい……持ち主に合わせて大きさが変わる剣なんて初めて見ました!」
「そ、そうだろ? すごいだろー?」
――ははは……。
知識では知ってたけど、こうして目の前で見ると、本当にファンタジー世界なんだなぁって実感する。
「それで、依頼の内容と場所を教えてくれ」
「『雪バルマ草』の採取です!」




