新たな旅立ち
夜が訪れ、焚き火の周りでエスとハルカはリヴァーファングの解体を終え、その肉を焼いて食べることにした。
焚き火の炎が肉をじっくりと焼き上げ、香ばしい香りが漂う。
ハルカは目の前に焼かれる肉を見て、口元に少しよだれが垂れそうになるのを感じた。
「うぅ……美味しそう……」
エスは無言で肉を差し出す。
ハルカは感謝の気持ちを込めてそれを受け取り、大きく一口をかじった。
噛んだ瞬間、肉汁が口の中に広がり、その美味しさに驚きを隠せない。
「美味しい……!」
砂漠の生活で魚を口にすることがなかったハルカは、その味を噛みしめながら懐かしさと美味しさを感じていた。
ジューシーな肉汁が溢れ、口の中でとろけるような感覚に包まれる。
「この味、忘れてた……本当に美味しい……」
しかし、食べ終わってもまだお腹が鳴る。
エスはそれを見て、取っておいた魔物の干し肉を差し出す。
「まだ食べられるか?」
「ありがとう……助かるわ」
ハルカは干し肉を受け取り、これもまた美味しそうに食べる。
干し肉は少し硬いが、噛めば噛むほど味わい深く、彼女の満足度をさらに高めた。
「これも美味しい……エス、ありがとう」
お腹が満たされたところで、ハルカはふと疑問を抱いた。
「他の人は……?」
エスは少し間を置いて答える。
「この世界は魔族の世界だ。人間は希少生物で、他の街に行っても魔物扱いされる……もしも生きていても襲撃されるのが関の山だ」
ハルカはその言葉にショックを受けた。
「じゃあ、どうやって生き延びているの?」
「ここから東に数週間歩いて行くと、人間でも取引ができる街がある、俺はそこを利用しているが……」
ハルカはその言葉に希望を見出し、エスに頼み込んだ。
「お願い、私をその街に連れて行って」
エスはしばらく考えた後、しぶしぶ承諾した。
「…………解った、だがオレを見失っても俺は置いて行くぞ」
「それでいいわ、ありがとう、エス」
ハルカは感謝の気持ちを込めてエスに微笑んだ。




