運命の再会
「__あれは!」
ネバーはみやを抱えて砂漠を進んでいると、遠くの方に街の輪郭が見えてきた。
「みや、見えるか?……もうすぐ助かるぞ」
みやは微かにうなずくが、顔色は悪い……
「あと少しだ……む?」
近づくと人影が見えてきた。
「人間、か?」
進みながら目を凝らしてよく見る。
とりあえずは角もないし尻尾とかも見当たらない。
声が届くほどの距離になったので叫ぶ。
「彼女が危ないんだ、助けてくれ!」
向こうも聞こえたのか赤い髪をなびかせながら駆け寄ってきた。
彼女は凛々しい顔立ちで、鋭い目つきをしていて__
「っ!?」
大人な彼女の顔だが、忘れもしない。
かつて俺をいじめて不良少女ハルカだ!間違いない!嘘だろ!?どうして居るんだ!?
「どうしました!?」
「い、いや……」
確かに今の俺の容姿は違うので目の前の男がかつていじめていたタカノリだとは気づいていない。
「友人が倒れたんだ、助けてほしい」
ネバーは冷静に状況を伝えた。
ハルカはみやの状態を一瞥すると、すぐに行動を起こす。
「急いで医務室に運びましょう、こちらへ!」
ハルカの指示に従い、ネバーはみやを抱えて街の中へと進んだ。
街の内部は予想以上に荒廃しており、よそ者の俺を見る目はみんな子供か年寄りしかいない。
ハルカはネバーとみやを治療施設へ案内する。
施設は簡素だが、必要な医療設備が揃っているのだろう。
「彼女は放射線を浴びている状態ですね」
「放射線……?」ネバーは放射線の概念に驚きを隠せない。
「そんなものがこの世界に存在するなんて……」
ハルカは医療チームと共にみやの治療を開始した。
「一応あなたも身体を調べてもらってください」
「あ、あぁ……」
そう言ってみやとは別の部屋に案内され調べられるが身体に異常は無かった。
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みやが治療を受けている間、ネバーはハルカと再会の時間を過ごす事になった。
ネバーが入ったのはハルカの部屋。
そこは女の部屋とは思えないくらい質素だった。
机の上に赤い液体の入ったコップが置かれる。
「ここは放射線に囲まれた砂漠の中の街、資源が足りなくて、飲み水も魔物の血を濾過して使っている程……」
そう言いながら目の前で魔物の血を飲むハルカ。
「……」
ネバーもコップを持って口に運ぶ。
確かに、濾過はされていて味もないが……それだけだ。
水とは違うのは解った。
「……」
彼女の姿をじっくりと見る。
赤い髪が特徴で鋭い目つきが印象的なハルカの顔立ちは凛々しく、かつての不良少女の面影を残しながらも、成長して大人の女性になり美しくなっていた。
「あなたがここのリーダーなのか?」
ハルカは頷き、少し笑みを浮かべた。
「ええ、私はハルカ、この街の勇者として、ここを守っています」
……………
ハルカの言葉に、ネバーは内心驚いた。
彼女も勇者?
いや、それよりもその称号に恥じない行為と態度。
かつての不良少女がここまで変わっているとは思っても見なかった。
「ところで、あなたたちはどこから来たの?」
ハルカが尋ねると、ネバーは砂漠を越えてきたこと、人間に会うことを目指していたことを伝える。
「そう……砂漠の向こうから来たんですね」
ハルカの目に希望の光が宿る。
砂漠の向こうの世界があることが確認できたことで、彼女の心には新たな希望が芽生えた。




