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異世界テイマー生活!あ、僕が使われる側なのね  作者: しぇいく
第三章

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第54話 災害認定『人間』

「そんな……馬鹿な」


雨がポツポツと降り出し、次第に強くなっていく……


その場にいる天使、魔族達全員が目を疑った。

遠くの山で魔王の姿を見ていたら、突如として跡形もなく姿を消したのだ。


まるで何かの力に引き寄せられるように、吸い込まれてしまったのだ……あの巨体が。


「魔王様……っ!魔王様!」


呟き、ふと我に帰る騎士隊長メデューサ。

その場から一刻も早く魔王の元へ向かおうとしたが、天使が彼女を慎重に止めた。


「お待ちなさい、魔王が倒された今、ここに居る国民達を近くの国に導くのはアナタです」


「っ……」


振り向くと老若男女、多様な存在が混在する魔族達の皆は戸惑っており、魔王様が倒されたという現実を受け入れられていない……謂わば、ちんもくの混乱状態が広がっている状態だ。


当然、天使も状況を把握している……もしも手を打つなら今しかない。


「____」


天使は美しい純白の翼が優雅に広げ、飛び上がる。


黒い艶やかな髪が風になびき、白い肌は天使そのものの純潔な輝きを放っていてみんなの注目を集めるのに時間はかからなかった。


「聞け!皆のもの!我は天使!魔神様の側近である!」


その言葉を聞いて魔族たちはざわめきを上げ、美しさと威厳に満ちたその姿に、彼らは圧倒されるような感覚を覚えた。


「今しがた、魔王白大蛇は悪しき魔物……『人間』により倒されました」


混乱は確信に変わり、絶望に打ちひしがれる魔族達。

泣き崩れる者も少なくなかった。


「しかし、安心してください。これは我ら魔族の世界を揺るがす脅威と判断し、私が直々に討伐をすることを決意しました」


その言葉を聞き、絶望は希望へと一変する。

天使といえば、魔王よりも強く、世界を束ねる最強の存在だ。

しかし、彼女は無益な殺生はしない……もしも彼女が本気で魔物を狩り始めると、その力は強すぎるため、ギルドが機能しなくなると言われているほどだ。


ある者は歓喜し、ある者は勝利を確信して今後のことを考えている者も居た。


「天使様!」


天使が動くと聞き、メデューサも顔色が良くなってくる。


「では……参ります」


天使は翼を羽ばたかせ移動し、遠くにいる人間たちを鋭い視線で見定めた。


「あれが……人間……」


遠くの人間は魔王を倒して生還したと言うのに心なしか寂しそうだ。


天使は魔法陣を展開し、光り輝く美しい弓矢を手にし、優雅に構える。


「【ホーリーアロー】」


放たれた光の矢は、細い腕から放たれるとは思えないほどの超自然な速さで風を切り裂く。

まるで弾丸のような迅速さで、その光り輝く矢はターゲットの頭目掛けて__


「……は?」


行ったのだが、人間は此方を見ることもなく矢を掴んだ。


そして振り向く。


「!?、見えているの!?この距離で!?」


すかさず2発目の矢を構える。


「【ホーリーアロー】!」


先程よりも魔力を存分に使い矢を放った。


その圧巻のスピードは音速を超え音の壁を突き破り爆発が轟く程だ。


音よりも速くなった矢はまたもや人間に向かって飛んでいき__


「____え」


気が付けば自分の翼を撃ち抜かれていた……


「な、にが……っ!!!!?!?」



宙に浮いたまま落ちていく感覚が彼女の全身を駆け巡り、絶望が心を覆い尽くした。

視界は反転し、地上の景色が上下逆さになり、深い闇へと引きずり込まれるような錯覚が襲ってくる。


「私の羽が撃ち抜かれたと言うの!?そんな馬鹿な!!」


片翼になった天使は、翼の欠片が舞い散りながら醜くもがくようにして落ちていく様を魔族達に晒す。







この日の絶望的な出来事を境に『人間』という生き物はギルドより『災害』として認定される事となった。


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