転生したらイケメンだった!……好きなゲームのキャラ丸パクリだけどね!
「……そうだ。僕が、お前の“マスター”だ」
「……」
――静寂。
その返事を聞いた瞬間、自分の声が、空間ごと震わせたような錯覚が走った。
(……すごい……これが、俺……?)
視線の先。お風呂場に設置された鏡が映し出しているのは――
白銀の長髪をなびかせる、蒼白の肌を持つ高身長の男。
端正すぎて現実感のない美貌に、鋭く冷たい眼差し。
身体には黒い戦闘服がしなやかにフィットし、背には圧倒的な存在感を放つ、巨大な剣――バスターソード。
「…………」
見た目はまるで、俺が崇拝していたあの“ラスボス級”の存在――
(まさか、本当にセフィロスみたいになってる……!)
――女神様、ありがとう。全身全霊で感謝したい。俺の身体、神作画すぎる。
「お、おい!」
少年の声で我に返る。
……そうだ。見とれてる場合じゃない。まずは情報収集から。
この姿、この雰囲気――口調も振る舞いも、キャラになりきらねば。
ニヤけそうになる表情を無理やり押さえつけ、声色を低く落とす。
「……鏡に、“敵”が潜んでいないか確認していた」
「え……?」
「……俺のいた世界には、鏡の裏に“異形”が棲んでいた。
奴らは、魂を映す鏡を通じて、この世に干渉してくる……」
(元ネタ? 平成ライダー。でもこの世界の人間にはバレないだろ)
「そ、そうなんだ……鏡の中に?」
……ふっ。なんとか誤魔化せたな。
「……ここで、話していていいのか、“マスター”」
「え、あ……そ、そうだね……!」
少年は少し戸惑いながらも、俺をまっすぐ見つめている。
この目の前の存在が、俺を召喚した“契約者”――
(さて……この世界での“俺”の役割、聞かせてもらおうか)




