第33話 決戦前
「……」
「……」
「……」
3人は避難所から出て人の気配も何もないガラリとした町を歩いていく。
「……元々マンタティクスさん達には参加するかしないか……どちらか選んでもらうつもりでした、しかし、あんな事をあの場で言ったらこうするしかないですよね」
魔王の視線はライトに向けられる。
「……」
「どうしてあんな事を?」
聞いてくる相手は魔王。
答えないわけにはいかなかった。
「……俺は、冒険者です……他の人が強制的に討伐に向かっている中、参加しないなんて冒険者の名が廃ります」
「あらー、魔王として心が痛い言葉ですねー」
「それに……」
「?」
「クリスタルドラゴン……相手にとって不足なしです」
「フフッ、根っからの冒険者ですね、ライトさんは」
「……………そんなの、洗脳だよ」
そう言ったライトを全否定するかのようにマンタは言う。
「……」
「お前!」
「洗脳とは?どういう事ですかね?マンタさん」
「ひっ……」
魔王に怯むが先程のようにプレッシャーは放っていない。
「聞きましょう」
「………………死ぬのが確定してるのに相手とか……どうかしてると思います」
「それを洗脳だと?」
「だって……普通逃げますし……」
「…………そうですか……」
「……」
「アナタはなぜ冒険者になったんですか?」
「……そ、そりゃ……一攫千金狙えるし……か、かっこいいし、誰もが夢見る……」
「その考えは洗脳と思わないんですか?」
「う……げ、限度がありますよ」
「限度?クリスタルドラゴン討伐に参加してる方は生きて帰ってくるだけで大きなお金を貰えるのとランクが1つ確定で上がります、それにクリスタルドラゴンに立ち向かう冒険者はかっこいいですよ?」
「うぐ……」
「洗脳ではなく結果が伴うのが冒険者です、確かにアナタの言うように死ぬ事はありますが、それも結果です……アナタにかっこいいと思わせている冒険者も結果を出している人が居たからですよ」
「うぅ……」
「……(これ以上言ってもダメみたいですね……やはりこの子にやる気を出させるキーは……)」
ちらりとライトを見る。
「……?」
「……いえ……」
魔王は本題に入る。
「現在、先行していた討伐部隊は討伐に失敗し各自バラバラに行動しています、さらにクリスタルドラゴンは飛び立ち真っ直ぐとこちらに向かっているのが見えます」
「……」
二人は黙って聞きながら歩いていく。
「(はぁ……魔王と言う立場上、慣れてますがネバーさんみたいに私に普通に話してくれる人が恋しくなりますね)」
そう思いながらライト達を見て何が言いたいか読み取る。
「予想通り、という顔をしてますね」
「……はい……」
「それと、2人とも共通して聞きたいことがあるようですね」
そしてついに誰もがこの状況で思っている事をライトは口にした。
「ネバーさんはどこに居ますか?」
「彼は____」




