転生前!……デブオタだよ!くそぅ!
いつもと同じ、高校の帰り道――
「お前、また春香たちにいじめられたのか?」
イケメンの顔に、スポーツも勉強も万能。
やらせたら何でもできる、まさに完璧人間。
──これが僕……と言えたらどんなに良かったか。
「えへへ……」
現実の僕は、体重86キロ・低身長。
運動も勉強もダメ。何をやらせてもトロくさい、冴えない男……それが僕、タカノリ。
「俺が言ってやろうか?」
「いや、いいよ……」
このイケメン、名前は竜轟。
学校でも有名人で、女子にはモテモテ、男子からは部活の助っ人要請が絶えない。
そんな彼が女子に注意なんてしたらどうなるか――火に油どころじゃない。
僕が我慢して平和なら、それでいいんだ。
「そうか……じゃあアレだ、マック奢ってやるよ」
「い、いや、今日はちょっと用事が……」
「用事?」
「うん、街のアニメイトまで行かないと」
「じゃあ俺もついてくよ」
「え?」
「お前に借りたラノベもだいぶ読んだしな。アニメイトとか行ったことないけど、いい機会だろ?」
「そ、そう……?」
純粋な笑顔で話しかけてくれるリュウト。
もともとアニメに興味なかったのに、僕に話を合わせるためにラノベを読んでくれてる……優しい奴だ。
「じ、じゃあ一緒に行く?」
「おう!」
──まさかこの日、
アニメイトに突っ込んできた暴走車に轢かれて、僕の人生が終わるとは思ってもみなかった。




