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妖刀に魅入られしスケルトン 〜迷宮を支配し、無敵の軍勢を率いる《最強》の剣魔王〜  作者: 銀翼のぞみ
二章

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五十七話 新たな力、新たな配下

「んにゃ!?」


『レッサーデーモンの姿が消えていく……』


 そんなやり取りを交わしながら、ヴァルカンとダークが周囲を見渡す。


 瀕死のレッサーデーモン、あるいはその死体が、次々に消滅し始めたのだ。

 恐らく、呼び出したグランペイル本人が倒れたことで、この世に体を保っていられなくなったのであろう。


 この様子であれば、アリサや騎士たちの方も大丈夫そうだ。


「さて……」


 徐に、屋敷の方向へと向き直るサヤ。

 目の前の光景が信じられない、といった様子で呆然とする伯爵を、仮面越しに見据える。


「ひ……っ」


 サヤに見られていることに気づいたのか、伯爵は小さな悲鳴を漏らすと、その場から逃げ出そうと回れ右して駆け出した。


「寝てろ」


 そんな言葉とともに、気流を纏って、伯爵の背後へと高速移動したサヤが、そのまま伯爵の首筋に手刀を叩き込む。

 伯爵は「う……っ!?」と、苦しげな声を漏らすと、その場で白目を剥いて気絶するのであった。


 そんな時であった――


「むっ……これは」


 ――自身の手を見つめながら、声を漏らすサヤ。


 彼の体から、青白い光が放たれているではないか。


【ふむ、グランペイルと、その召喚者である伯爵を倒したことで、新たなクラスを得たようじゃな。それ、ステータス展開じゃ!】


==============================

名前:サヤ


種族:スケルトン


ランク:Eランク


所持クラス:【スケルトンセイバー】【スケルトンメイジ】【スケルトンテイマー】【スケルトンロード】

NEW!【スケルトンサモナー】


スキル:《エンチャント》《ファイアーバレット》《ウォーターバレット》《ウィンドバレット》《ロックバレット》《異種族言語理解》《敗者隷属化》《配下上位化》

NEW!《サモンゲート》


装備:妖刀・闇時雨

==============================


 妖刀形態から少女の姿へと戻ったシグレが、サヤの視界にステータスを表示する。


 所持クラスの項目に【スケルトンサモナー】、そしてスキルの項目に《サモンゲート》の名が新たに加わっているではないか。


「どれ、試してみるか」


 さっそく新たに手に入れたスキルの試し撃ちをするサヤ。

 適当に前に手をかざし、「《サモンゲート》――」と、スキルの名を口にする。


 するとどうだろうか。


 サヤの頭上に紫色の大きな魔法陣が展開した。

 それと同時に、グランペイルの体が同じく紫色の光を帯び始めたではないか。


 グランペイルの体が光り出したことで、ヴァルカンとダークは身構える。

 光に包まれたグランペイルは、そのまま紫色の光の粒子となり、サヤの展開した魔法陣の中へと吸い込まれていく。


「んにゃ?」


『これで終わりか……?』


 不思議そうに首を傾げるヴァルカンとダーク。


 しかしその直後であった。

 魔法陣が更なる光を放ち、その中から小さな影が現れた。


『強き者よ、恐れ入った。俺をお前――いや、あなた様の配下にしてほしい』


 小さな影は、そんな言葉とともに、サヤの前に平伏した。


 魔法陣の光が止む。

 それと同時に、小さな影の姿が明らかになる。


 そこにいたのは紫の毛並みをした子犬だ。

 ちょうどダークと同じくらいのサイズの、子犬が平伏している。


【その声、まさか……】


「グランペイル、か?」


 小さな犬を見て、シグレとサヤが声を漏らす。


 二人の言葉に、子犬は――


『そのとおりだ、強き者たちよ。あなた様たちに仕えるために、俺は悪魔界に帰還し、応急再生して戻ってきたんだ』


 ――そんな言葉を紡ぐ。


「《サモンゲート》、まさか悪魔界と繋がっていたとはな」


【それよりも、ワシは悪魔であるグランペイルが配下になりたいと望んでいることの方が驚きなのじゃが……】


 興味深いといった様子で仮面越しの顎に手を当てるサヤ。

 シグレは引きつった表情で言葉を紡ぐ。


「まぁ、いいだろう。既にこの者から悪しき波動は感じない。それに、《敗者隷属化》のスキルの効果対象になっているようだしな」


『おお! 配下に加えてくださるのか! ありがたき幸せ……ッ!』


 サヤの言葉を聞くと、子犬――グランペイルは歓喜の声を上げる。


『ま、まさか異界の大悪魔を配下に加えてしまうとは……』


「サヤくん、魔王にでもなるつもりにゃん……?」


 ドン引き、とでも言いたさそうな表情で、そんなやり取りを交わす、ダークとヴァルカン。


 そんな二人のことなど気にも留めず、グランペイルは嬉しそうな表情を浮かべ、サヤの脚にまるで甘えるかのように頭を擦りつけるのであった……。

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