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妖刀に魅入られしスケルトン 〜迷宮を支配し、無敵の軍勢を率いる《最強》の剣魔王〜  作者: 銀翼のぞみ
二章

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四十七話 水の都リューイン

 一週間後――


「アレがリューインか」


「大きな都市ですねぇ……」


 少し先を見渡し、サヤとアリサが声を漏らす。

 そこには高い外壁に囲まれた巨大な都市がそびえていた。


 都市リューイン――

 さすがはこの国の侯爵が治めるだけのことはある。


 街道を進むこと少し、サヤたちは外壁に備え付けられた大きな門の前へと辿り着いた。


「おお! 久しぶりだな、ヴァルカンちゃん!」


 都市に入るための手続きをするために並んでいたところに、そんな声が聞こえてきた。


 サヤたちが声のした方向を見ると、軽鎧姿の男が手を振りながら近づいてくる。

 どうやら、門番を任されている、この都市の騎士のようだ。


「久しぶりにゃ、ダニーさん!」


 騎士の姿を見るや、ヴァルカンも元気そうに手を振り返す。


「いや〜、ほんとに久しぶり――って、そこにいるのはダークじゃねーかっ!?」


 騎士は朗らかな様子で、ヴァルカンとの挨拶を続けようとするが、サヤの腕の中で丸くなるダークを見るや、驚いた様子で駆けてくる。


『久しぶりだな、〝ダニー〟よ』


「や、やっぱりダークじゃねーか! みんな心配してたんだぞ!」


『うむ、少し込み入った事情があってな、妾がヴァルカン嬢に再会できたのは、ここにいるサヤ殿のおかげなのだ』


「よ、よくわからねーが、アンタ……サヤっていったか? 何やらダークが世話になったみたいだな、感謝するぜ」


 事情は飲み込めなくとも、サヤがダークの恩人とわかると、騎士の男――ダニーはサヤに礼を言うのであった。


 ヴァルカンたちの会話を聞く限り、ダニーは彼女たちと関わりのある人物なのであろう。

 その辺の事情を察したサヤは、とりあえず「ああ」と短く返す。


『それにしても、ダニー殿に会えてちょうどよかった』


「実は、これから侯爵様のところに、とある件を相談しに行くところだったにゃん」


 ダークとヴァルカンが、ダニーに侯爵に用件があると伝える。


 二人の真剣な表情を見て、ダニーは「……わかった、ついてくるといい」と返事をすると、手続きを進め、皆を都市の中へと招き入れる。


【ヴァルカンよ、よかったのか? 一介の騎士に侯爵に用があることを話してしまっても】


「それなら大丈夫にゃよ、シグレちゃん。ダニーさんは、ああ見えて侯爵直属の騎士隊、その副隊長にゃん」


 シグレの疑問に、大きく頷きながら答えるヴァルカン。


 なるほど、であれば話は早いであろう。

 と、サヤたちは彼のあとについて行く。


「これは……」


【綺麗な都市じゃな……】


「うっとりしちゃいます……」


 都市の中の景色を見て、感嘆の声を漏らすサヤ、シグレ、それにアリサ。


 石畳の整理された道の上に、白の石造りの建物が立ち並び、都市の至る所に澄んだ水が流れる水路が張り巡らされ、その上をゴンドラがゆうゆうと行き来している。


 白と透き通った青色が彩る、美しい水の都といった様相だ。


「こっちだ」


 サヤたちが都市に見惚れているのを見て、少し自慢げな表情を浮かべながら、ダニーがゴンドラの停まっている水路の方へと案内する。


「ほう、この船に乗って移動するのか」


「わたし、船に乗るなんて初めてです!」


 興味津々といった様子でゴンドラへと近づいていく、サヤとアリサ。

 そんな二人の後を、微笑ましいものでも見るかのような表情でついていくシグレたち。


「貴族区まで頼む」


 ゴンドラの船頭に、目的地を伝えるダニー。

 船頭は「あいよー!」と、元気な声で応えると、オールを動かし、ゴンドラを出発させる。


(船の上から改めて見ても、やはり美しい都市だな……)


 周りを見渡し、この都市の美しさを再確認するサヤ。


 景色を堪能しながら、サヤ、シグレ、アリサは、ダニーと軽く自己紹介を交わしているうちに、ゴンドラは目的地である貴族区へと到着するのであった――。

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