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妖刀に魅入られしスケルトン 〜迷宮を支配し、無敵の軍勢を率いる《最強》の剣魔王〜  作者: 銀翼のぞみ
三章

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百二十八話 妖刀と魔剣

 リーリス皇女目がけ紺碧のバハムート・コピーが魔剣を振り下ろす――その刹那、サヤは背後からシグレで貫いた。


 サヤの攻撃を喰らいその場に崩れ落ちた敵の姿を見て、ハッ……! と目を見開くリーリス皇女。そして気づく、今の攻撃は自分では反応しきれなかったことに。


「いけません! 《セイクリッド・ジャンプ》!」


 高らかに叫ぶリーリス皇女。


 サヤを始めとした仲間たちの体が白銀のバリアのようなものに包まれる。

 フラン、そしてアリサに振り下ろされた敵の魔剣を弾く。そして次の瞬間、皆の体がその場から掻き消えた……かと思えばリーリス皇女の背後に現れたではないか。


「転移、能力カ……」


 攻撃が空ぶったことでそのことに気付くバハムート・コピーたち。


 続いて、リーリス皇女のスキルよって自分たちは守られ、そして彼女の背後へと転移させられたことをフランたちは理解する。


「一斉ニ、仕掛ケル――」


『了解――』


 紅蓮のバハムート・コピーの言葉に、残り三体が同意すると一斉にサヤたち目掛けてその場から飛び出してくる。

 それぞれ体の至る箇所に亀裂が走っており、オーバードライブのよる反動で限界……それ故にここで確実にサヤたちを仕止める、といったところだろう。


「説明している時間はありません、皆さんのマナをお借りします! 唸りなさい、《フェイルノート》!!」


 リーリス皇女が叫ぶ。


 するとアリサたちの体から黄金色のオーラのようなもの……生命エネルギー、マナが溢れ出しリーリス皇女の手にする《フェイルノート》へと集まっていく。


 なるほど、皆のマナを収束した攻撃でヤツらを滅するつもりか! ……シグレはリーリス皇女のやろうとしていることに気付く。


「これで終わりです……!」


 その言葉とともに見えない弦を弾くリーリス皇女。

 今まさに迫り来るバハムート・コピーたちに向かって巨大な矢――否、もはや極大レーザービームとなって飛んでいき……ドゴォォォォォォッッッッ!! という凄まじい音ともに四体まとめて飲み込んだ。


 爆煙が徐々に消えていく、その中から力尽きたバハムート・コピーたちの姿が露わになる。

 マナの大半を捧げたことでその場に膝をつきながら、アリサとグランペイルが「ど、どうやら……」「やったようだな……っ」と安堵の声を漏らす。


 リーリス皇女自身も自らのマナをほとんど使ってしまったようで「よかった……」と言いながら倒れてしまう。

 そんな彼女を、フランが「お疲れ様でした、リーリス様」と支えた……その直後だった――


「慟黒剣ッッ!!」


 サヤが叫ぶ。それとともにシグレを上段に構える。

 同時にバハムート・コピーの死体たちの中から『オノレェェェェェ――ッッ!!』と凄まじい声を上げながら紅蓮のバハムート・コピーが飛び出してきたではないか。


 闇霞を収束し巨大なエネルギーブレイド――慟黒剣を振り抜くサヤ。

 対し紅蓮のバハムート・コピーは最後の力を振り絞り体中に亀裂を走らせながら魔剣でサヤの剣を受け止める。


 妖刀と魔剣、二つの強大なエネルギーがぶつかり合うことで、その場に衝撃波が発生する。


「シグレ、フルパワーだ!」


「了解じゃ!」


 サヤの言葉に応え自身の持つ力を最大限に解放するシグレ。

 慟黒剣はさらにその力を収束し、眩いばかりの闇色をこれでもかと放つ。


「バ、馬鹿ナ……スケルトン如キニ……ッ」


 紅蓮のバハムート・コピーが悟るようにその言葉を吐いた瞬間――

 その手に持つ魔剣ごと体を……斬ッッ!! と斬り裂かれた。


「ふむ、今度こそ終わったようだな。シグレ」


「そのようじゃな、サヤ」


 敵が完全に沈黙したのを確認し、そんなやり取りを交わしながらサヤはシグレを……カチンッと納刀するのであった。


「ま、まさかリーリス様のあれほど攻撃を受けていながらまだ生きていたとは……」


「サ、サヤさん、よくぞやってくれました……!」


 リーリス皇女を支えながら思わず声を漏らすフラン。

 そんな彼女に支えられながらもその手に《フェイルノート》をしっかり握りつつ、サヤに感謝を表すリーリス皇女。


 エリアとグウェンも「アナタ、まだあんな力を隠していたの?」「ガハハハ! サヤは本当に強いんだな!」と呆れと尊敬を込めた言葉をかける。


「ふふ、そうです! ご主人様は強いんです! ね、グランペイルちゃん?」


「ふふんっ、そうだな。アリサ」


 サヤが褒められているのを見て、アリサとグランペイルも得意顔……そんなタイミングであった。


 ピシ……ッ! と、何かが弾けるような音が響く。


 次の瞬間、サヤのしていた仮面がポロッと落ちてしまったではないか。

 どうやら激しい戦闘で耐久性の限界に達していたようだ。


「ぬっ……!」


 咄嗟に自身の頭蓋骨を籠手に包まれた手で隠すサヤ。

 目の前には正義そのものが服を着て歩いているような勇者姫・リーリス皇女がいるのだから当たり前である。


 リーリス皇女は、サヤの正体に目を見開き――

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