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2/11

金な人

最初っから甘々全開でいきたいと思います!

なので、経緯とかは完全無視な方向です(笑)

『*・*・*』の間が乙女CDのシナリオです。


主人公は、対象者の前だと一言も喋りません。なぜなら……(最終話の後書きに続く)

*・*・*・*・*・*・*


 両親の都合で女子高からこの学園に転入してきた貴女。今まであまり異性と触れる機会がなかったため、積極的に話してかけてくる彼に初めは戸惑う一方だけど、接しているうちにどんどん惹かれていく。

 恥ずかしくて、でも嬉しい。そんな甘酸っぱい青春の一時。その時彼が―――


(共通プロローグより)


*・*・*・*・*・*・*



 この乙女ゲームが元になっている学園では、対象者が5人ほどいる。そして驚くことにヒロインっぽい子もいるのだ!

 なぜわかるかと言うと、対象者が話しかけてくる(つまりはCDの始まり)タイミングでアクションを起こすのだ!

 ほら、今も。



*・*・*・*・*・*・*


 何でも一生懸命だけど、どこか抜けてる貴女。今日も昼休みに教室のゴミを捨てに行った帰り、何もないところで転んでしまう。と、そこに現れたのは……


「大丈夫っ!?膝、見せてみて?…あぁ~擦りむいちゃったね。何もないところで転ぶなんて、君しか出来ないよ?全く、本当にドジなんだから。ほら、保健室に行くよ。……よっと。えっ?何してるんですかって、わからないの?お姫様抱っこだけど。もう、暴れないの!落として怪我しても知らないよ?…そうそう。おとなしくしてね。あ、顔赤い。もしかして、恥ずかしいの?……クスッ。大丈夫だよ。……誰も見てないから。」


*・*・*・*・*・*・*


 最後の台詞!ここは耳元で囁くように!甘い声で!!

 おっと、また興奮してしまった。えっと、今のは乙女CDの台詞です!シチュエーションは言わずもがな。最初の説明文はパッケージに書いてあったやつ。大好き過ぎて何回も聴いちゃったから覚えてるんだよね。

 それを!生で見ようと(聴こうと)してる訳だね!


 シチュエーションはまさしくヒロイン(彼女)がこけて、対象者(この場合は先輩)がそれを見て慌てて駆け寄って……あれ?もっと慌てて欲しいんだけど。んん?一言話しただけで、離れていく。お姫様抱っこは?耳レイプは?ってか、こっちに来なくていいんですけど??


「キミちゃん。なに覗き見してるの?」


 キミちゃんとは私のこと。今更だけど、有田喜美子と申します。以後お見知りおきを。……じゃなくて!


「…………」

「ん?あぁ。あの子?『大丈夫?気を付けてね。』ってちゃんと言ってきたよ。それよりキミちゃんこそ顔が赤いけど大丈夫?」


 はっ!!興奮しすぎてしまったか!しかし、相変わらず何も喋ってないのによくわかるなぁ。


 (コクコク)

「そう?熱は……ん、ないみたいだね。でも万全を期して、保健室で休もっか。……よっと。あれ?もっと赤くなった。もしかして、恥ずかしいの?大丈夫だよ。……誰も見てないから。」


 いーーーやーーーー!!ヒロインちゃんじゃなくて私が!耳元で!甘い声で!囁かれた!!しかもお姫様抱っこまでされてるぅーー!

 その前のおでこごっつんでヤられそうなのに、今ので完っ全にヤられたわ!どーする!私!!


 いや、どーすることも出来ないんだけどね。暴れたら多分また『暴れないで』って囁かれるんだろうし、ここはおとなしく時が過ぎるのを待つしかない。


 この対象者。1つ上の先輩で、名前を金田祐里(かねだゆうり)先輩私の部活の先輩でもある。ちなみに文芸部。活字中毒だからね。

 そして、めっさカッコいい。CDジャケットから抜き出てきたんですかっていうくらい美形だ。

 髪はジャケット通りの金髪じゃなかったけど(ここは現実だから。多分。)、でもちょっと癖のある長めの茶髪。顔はほにゃり系の柔らかい顔立ち。そして!ここ重要!!声が高くも低くもない絶妙な甘めのイケボイス。普通に話せばうっとりするぐらいだけど、意識して出すとけしからん声になるのだ!くっそー!遠くから聴きたい!眼福ならぬ耳福!


 ボイスレコーダーどこに置いたっけなぁ。なんて考えていると、保健室に到着したようだ。ここが私なんかではなくヒロインだったらきっと……


*・*・*・*・*・*・*


 ガラッ


「あれ?保健の先生いないんだ……。じゃぁ俺が手当てしてあげるね。…ほら、恥ずかしがらなくていいから。足、出して?……はい、いい子。消毒は…あった。ちょっとしみるかもしれないけど、我慢してね?…(ガタッ)そんなにしみた?でももう終わるから。……よし。これでOK!いい子いい子。(ワシャワシャ)ん?子ども扱いしないでって?そんなことしてないよ。だって……ちゅ。子どもにはこんなことしないでしょう?お礼、ちゃんと貰ったから。……ふふっ。また顔赤い。こんなんじゃ、口にしたらどうなっちゃうんだろうね?……今試してもいい?…ダメなの?じゃぁまた今度だね。楽しみにしておく。」


*・*・*・*・*・*・*


 っていう甘々展開になるはずだったのに!このCDのコンセプトは『口説かれまくる』がテーマだから、のっけから甘々な訳よ!うぅー。(影からこっそり)聴きたかった。


 ガラッ

「あれ?保健の先生いないんだ。…ちょうど良かった。…ん?何でもないよ。さ、ベッドで休もうか。」


 まぁご親切にどうも。お礼は今度食券渡すのでもう教室に戻ってほしいんですけど……なにゆえ一緒にベッドにのる!?ってか端から見たら押し倒してるように見えるんでさっさと退いて下さい!


「……思いっきり退いてほしそうな顔してる。そんな顔されちゃうとますます退きたくなくなるよねぇ。…そんなに睨まないでよ。可愛い顔が台無しだよ?あ、そうだ。……ちゅ。お礼はちゃんと貰っとかないとね。……ふふっ。赤くなった。そっちの方が可愛いよ。…でも、そういう顔見せるの、俺だけにしてね?じゃないと、ナニするかわかんないよ?」


 あ、あれ?先輩、こんなキャラだっけ?確かCDだと、甘々の溺愛彼氏になるはずだったんだけど……。そんなギラギラした目で見ないで下さい!現実コワイ!私は声だけでいいのぉーー!!

金田先輩はこれで終わりです。

次は別の人。

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