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34 飛ばしすぎです!


美晴(みはる)の下着を何とか選び終えた後、遥輝(はるき)は気づけばホテルに連れ込まれていた。


「て、えぇぇぇっ!?何でホテル!?」


部屋に入ったところでようやく自分がどこにいるのか気づき、思わず叫んでしまう。


それに対し、美晴は笑いながら答えてくれた。


「ふふっ、遥輝くんボーッとしてたから連れ込んじゃった♡」


いや会話が成立してないんだが!?


「連れ込んじゃった♡じゃなくて!!何であそこからホテルに行こうってなったんですか!?」


美晴に選んであげた下着を付けている彼女の姿を考えていたらついボーッとしてしまってたこちらが悪いのだけれども、それでも美晴が悪いと思うのだ。


ぜひ理由を答えてほしいな!


「う〜ん、そうだね…」


美晴は遥輝の質問に頭を悩ませた後、何も考えていないような笑みを向けてきた。


「あの下着を実践で使ってみたかったからだよっ♡」

「っ!?」


美晴はまたいつもの調子でとんでもない発言をぶっ込んでくる。


というか、実践って何?


うーん、わからないなぁ。


でもとりあえず触れないでおこう。


触って仕舞えばもう逃げられなくなりそうだから。


「そ、そうなんですねー…きょ、今日はお泊まり会って感じですよねー…」

「んー…まあ間違ってはないかな」


よし、とりあえず乗り切った…はず。


遥輝は心の中でガッツポーズをしつつ、荷物を置こうと部屋の中に進んで行った。


すると視界の端には一つしかないベッドが目に入った。


(まあ、ですよねー…)


ベッドは別なのではないかと淡い期待をしていたが、それは当然の如く引き裂かれてしまう。


「じゃあ、シャワー浴びよっか。さ、一緒に行こ?」


遥輝がベッドを見つめながら落胆している間に美晴はシャワーを浴びる支度を終えていて、彼女は手を差し出してきている。


だが流石に手を取るわけにはいかず、遥輝は丁重にお断りした。


すると美晴には不満そうな顔をされたが、こればかりは仕方がない。


で、今度はどちらが先にシャワーを浴びるかの話し合いになったのだが、これはどちらでも良かったので遥輝は先に浴びることにし、今現在脱衣所で服を脱いでいる。


「(はぁ…あの人強引すぎるだろ…)」


遥輝は上の服を脱ぎながら美晴に対する不満を吐き出した。


「(どれだけしたいんだよあの人…。まあ求められてて悪い気はしないけど、流石に高校生の間はな…)」


せめて高校を卒業するまではあちらも卒業する気はないので今は何とか自分を抑えて頑張っているのだが、美晴はそれを破ろうといつも何か仕掛けてくる。


なので今回もかなり怖いのだが、今だけはリラックスしていたいので何も考えずにシャワーを浴びる。


「あ〜気もち〜」


遥輝は思う存分シャワーを浴びた。


そして用意されていたバスローブに着替え、脱衣所を後にした。


「美晴さんどうぞー」

「うん、行ってくるね。…あ、」


美晴が脱衣所の扉を開けようとしたところで何かを思い出したように止まり、こちらに近づいてきて口を耳元に近づけてきた。


「(下着、楽しみにしててねっ♡)」


美晴に耳元でとんでもないことを囁かれると、流石に平常心ではいられず。


(んもぉぉ!!何で見せる前提なんだよォォ!!)


遥輝が心の中でそのようなことを考えているうちに美晴は脱衣所に入って行った。


(ったく…あの人はホント、どうかしてるよ…)


遥輝は心の中で呆れたような言葉を漏らした。


そして一度ベッドにダイブし、枕に顔を埋めたままこの後のことを考えた。


「遥輝くん、いいよね?♡」

「ほら、私に全部ちょうだい♡」

「ありがとね♡私のわがままに応えてくれて♡」


(んんんん!!!?ダメだボーッとしたらとんでもないものが見えてしまう!!)


顔を枕に埋めていた一瞬だけで始まってから終わりまでの景色が見えてしまった。


流石に意識しすぎだとは思うが、そうなりかねないので非常に怖い。


(…とりま一旦落ち着くか)


こんなに紅潮した顔を見られてしまうと期待しているのかと勘違いされてしまうかもしれない。


なのでとりあえず冷静さを取り戻し、常に平常心であることを意識しよう。


遥輝は一旦目を瞑って瞑想をすることにした。


(………)


「もう二人目が欲しいの?♡」


(いやあかん!!!なんかすっ飛びすぎであかんだろ!!!)


遥輝には十年後の美晴の姿が見えてしまった。


そろそろ最終回にしようかなーって思ってます。

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