番外編⑥ その三 舞子と杉崎との関係
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「舞子の気持ち私にはよくわかるわ!」
ここで舞子に同調したのはなんと光だった。
「魔法少女として登場して、委員長に恋焦がれながらも友だちとして一緒にいる道を選んだ。こんな私なのにその先の出番は数えるほどなんだからね! 本編も終わったって言うのに!」
「えっと、本編ってなに?」
「さ、さぁ……」
ファミレスのテーブルを強く叩き項垂れる光。一方で彼女の発言の一部が理解できない委員長と鈴木であった。
「確かに貴方とならいいぶどうジュースが飲めそうね」
「今日から私たち親友ね!」
光が握手をしようと手を差し出した。舞子も握り返そうとするがそこでピタッと動きが止まった。
「でも貴方、魔法少女なのよね?」
「え? そうだけど……」
「だったら違うだろう! そんな特殊能力がある時点であんたも向こう側なんだよ!」
「えぇえええええぇええッ!?」
再び荒ぶる舞子に光も戸惑いを隠しきれない様子だった。
「えっと、話を総合すると花咲さんはもっと皆と絡みたいってことでいいのかな?」
「いや、なにか纏めにはいってるけど若干違うというか、絡むだけなら普通に絡んでいるし」
纏め始めた景に対して舞子が戸惑った表情で答えた。確かに物語の上では出番が少ないと嘆く舞子だが、日常的には皆ともよく話すし仲良くしている。
「はいは~い! 私わかったよ! つまり花咲先輩はお兄ちゃんともっと絡んでいけばいいんだよ!」
そこで提案したのは海渡の妹である菜乃華であった。確かに出番を増やすという意味ではそれが一番早いのだろう。
「いや、それはなんというか、委員長に申し訳ないし」
「え? えぇえええぇ! わ、私!」
舞子の発言で委員長が慌てふためいた。顔も真っ赤である。
「うぅ、委員長……」
「落ち込まない落ち込まない。ジュースのおかわり行こうぜ」
「鈴木ちゃん……」
肩を落とす光を励ます鈴木。中々に頼もしくもある。
「どうせならもっと杉崎くんの側にいれたらいいんだけどね――」
ふと、舞子が口にした言葉。これによって一部の女子を除いた全員が興味深そうに顔を近づけた。
「何々! やっぱり杉崎とはそういう感じなの!」
「私、気になります!」
「この金剛寺が聞いて差し上げても宜しくってよ!」
「杉崎先輩も格好いいもんね!」
「幼馴染からの恋愛、ドキドキします!」
注目される舞子。すると照れくさそうにはにかむも、すぐに伏し目がちになった。
「勿論私だって、杉崎くんとは、その、もっと仲良くなれたらと思うけど、でもほら、さっきも言ったけど、最近あまり一緒にいれないし……」
「だったら話が早い! 呼ぶわよ杉崎を!」
「えぇええぇえ!」
舞子の悩みを感じ取り鈴木がスマフォを耳に当てた。こういう時の行動力には目を見張る物がある。
「ちょっと杉崎今どこにいるの? え? 海渡と黒瀬と一緒? だったらちょっとこっちに合流してよ。皆で? 杉崎だけでいいからとにかく早く! 40秒でやってきな!」
こうして鈴木の手腕によって杉崎もこの場に呼ばれることとなるのだった――
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