番外編⑤ その二十三 原因は海渡?
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「すべての現象には始まりがあり終わりがある。俺達が暮らすこの星だってそうだ。時間が経てばいずれは終わりがくるだろう」
黒瀬が真顔で話した。それを聞いていた杉咲が手持ちのタブレットを弄りながら反論する。
「言ってることはわかるが黒瀬。例えばこの地球にしても生物が住めなくなるのは数億年先ともいわれてる。今すぐ気にすることじゃないんじゃないか?」
杉崎の説明通り確かに今暮らしている星がすぐに終わることはない。だがそれを聞いた黒瀬は静かに首を横に振った。
「それはあくまで星の寿命の話だ。しかしセカイを終わらせるとなると話は変わってくる。セカイの終わりは常にある存在によって引き起こされてきたからだ」
「よく知っているのね」
「フンッ。伊達に大魔王を名乗ってなどいない」
黒瀬の説明に大宮は感心しているようだった。そして黒瀬は満更でもな様子である。
「つまりその何者かによってセカイは終わるって言うのか?」
「……いや、確かにソレが動き出せばセカイは終わる。それは確かだが俺の知る限りそれはまだまだ先の話だ。杉崎が言うこの星の寿命が尽きたとしてもまだ動き出すことはないと思うのだがな」
「おいおい、随分と脅かしてくれたけどそれなら心配いらないんじゃないか?」
「確かにそうだよねぇ。一億年とか二千年先に終わるって言われても実感わかないし」
「いや! 数億年先としか言ってないよね! どこから一億年とか二千年って数字出てきたの! ホワイ!?」
シンキチが全力で突っ込んだ。中々目ざといことである。
「でも、必ず終わりは来るってことよね。そう私の出番やシンキチの二つ名のようにね!」
「いや、舞も突然何を言い出すんだ?」
「終わってないからね! 僕はまた諦めてないからね! そう! 僕の真名は鳳お」
『諦めが悪いぞシンキチ』
「また邪魔された!」
結局二つ名を言えずじまいのシンキチである。とは言えそれがシンキチらしいところでもあるのだ。
「セカイは終わるわよ。このままいけば後一年程度でね」
「「「「「「「「な、なんだってぇえええぇええぇええええぇえ!」」」」」」」」
ふとこぼした大宮のセリフに周囲の色んな人が反応を示した。それぐらい衝撃的な内容だったということだろう。
「ちょっと貴方それってどういう意味?」
そう大宮に詰め寄ったのは光だった。
「…………光ってだれだっけ?」
「天童 光よ! 何で忘れてるのよ!」
「光ちゃん落ち着いて」
?顔の杉崎に光が突っ込んだ。そんな光を宥める委員長である。
「妙に登場人物多いからな。俺も覚えきれないぜ」
「コイツ――遂に登場人物って言っちゃったよ!」
虎島の何気ない一言に即座に突っ込んだシンキチである。なおコイツ呼ばわりしたことでこの後で詰められたのはいうまでもない。
「どういうつもりか知らないけどあまり皆を不安がらせる事を言うのはどうかと思うな」
海渡が大宮に注意した。だが大宮の視線はどことなく冷ややかだ。
「貴方がそれをいうの? 言っておくけどこうなったのは海渡。貴方の責任でもあるのよ?」
「え? 俺が?」
大宮に言われポカンっとした顔を見せる海渡である。
「おいおい海渡の責任って随分な言い草じゃないか?」
「だな。海渡は俺たちを救ってくれこそしたがセカイを終わらせるような人間ではないはずだ」
「当然です! 海渡様は全能神すらも認める勇者様ですからね!」
大宮の話に納得がいってないのか杉崎と虎島、そしてサマヨが反論した。そんな様子を見て大宮がため息をつく。
「呑気なものね。でもその原因にはあなた達だって関わっているのよ」
「え? それって私たちもってこと?」
「い、一体どういうことなんですか?」
鈴木と委員長も大宮の話に食いついた。すると大宮は委員長を指さして言い放つ。
「ある意味では貴方が一番の元凶かもね」
「わ、私ですか!」
「そうよ。どうやらあなたら随分な巻き込まれ体質なようね。それで今まで多くのデスゲームに巻き込まれてきたでしょう?」
「う、うぅ確かに……」
指摘されて申し訳ない顔をする委員長。確かに委員長はこれまでも随分と自然な流れでデスゲームに巻き込まれてきたものである。
「自然な流れでデスゲームに巻き込まれるってそれもうどう考えても不自然だからね!」
『ツッコむなぁ』
シンキチのツッコミにダマルクが感心した。しかし大宮はそんなツッコミを聞き流し更に話を続ける。
「そしてその中にあったのよ。セカイを終わらせる存在が作り出したプログラム――呪いのゲームとも呼ばれていた自動駆除装置……それは様々な名称であらゆる世界に干渉していた……そうねあなた達にはこう言えばわかるかしら。【皇帝の遊戯】――これに聞き覚えがあるわよね?」
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