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【コミカライズ】異世界帰りの元勇者ですが、デスゲームに巻き込まれました【本編完結】  作者: 空地 大乃
第九章 様々なデスゲーム編

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番外編⑤ その十二 学園に集まる強者達!?

「何か学園の外で危ない三人組が逮捕されたらしいぞ」

「物騒な話だな」

「いやいや前回の最後にあんな意味深な登場したのに逮捕されたの!?」


 シンキチが開幕から突っ込んだ。今日もシンキチは元気です。


「まぁ刀とか重火器とか名刺に見せかけた刃物とか持ち歩いていたらそりゃ捕まるよね」


「そりゃそうだよね」


 冷静に分析する海渡に頷くシンキチであった。そんなこんなで、いよいよ第一回天羅大闘制覇の開催となったのである。なお、開催場所は校舎前広場で、観客を入れてのお祭り騒ぎとなっているのだった。

 さて、会場となる校庭には、各クラスの担任達も勢ぞろいしていた。中には既に矢田先生の下僕になりつつある鬼瓦の姿もあり屋台でとうもろこしやたこ焼きを焼いていた。


「よぉ。中々様になってるじゃないか鬼瓦」

「ハッ! この鬼瓦! 矢田先生の為に一生懸命売ります!」

「そうか。ちなみに場所代で売上の三割取るからよろしく♪」

「え? あ、はい……」


 何とも情けない返事をした鬼瓦であった。しかし、既に彼は矢田先生の手によって陥落済みなので仕方ない事だろう。恐るべし矢田先生。そしてちゃっかりと場所代と称しつつ裏でマージンをもらう約束もこぎつけている矢田先生恐るべしである。


「これで暫く呑み代に苦労しなさそうだぜ教子」

「もう。本当教子ったら仕方ないわね」


 いつの間にか矢田先生は親友の教子も大会につれてきたようだ。かなり自由である。


「それにしても、何だかんだで結構集まってるね」


 そう海渡が言うと周りからも同意する声がちらほら聞こえてきた。

因みに海渡たちがいるのはグラウンドの隅の方である。あまり人ごみが好きではないためなのだが……


「やっぱり皆大会が気になるんだろうな」


 そう言いながら杉崎たちも海渡たちの方へ寄ってきた。どうやら杉崎たちも早めに来ていたようですでに着替え終わっているようだった。


 見る限り生徒にも大会参加者が多いようでストレッチしたりしている生徒もいた。中には浴衣を着てめかしこんでいる女子までいるのだからびっくりだ。祭りか何かと勘違いしているのだろう。


「花火とか上がるかな?」

「もう鈴ちゃんってば。流石にそこまでは無理だと思うよ?」


 綿飴を頬張りながらすっかりお祭り気分の鈴木の横で委員長が苦笑していた。流石に花火は上がらないだろうと思っていたようだがその直後空に盛大な花火が上がった。

 

 まだ空も明るいというのに中々派手であり見学人も盛り上がっていた。


「お~ほっほっほ! この花火大会に協賛した我が金剛寺グループの提供でございっますわ。お~ほっほっほ」

「おお。流石棚ぼたとは言え財閥の娘だけあるな」

「そこ棚ぼた言わない!」

「いや、そもそもいつの間に協賛になってたんだ?」


 周囲からの声に反応する金剛寺。その様子に虎島も小首を傾げていた。


「それではこれより天羅大闘制覇を開催致します。視界はこの私、女神サマヨが行います皆さん楽しんでいってくださいね~あと海渡様~私待ってますから~!」

「おいおいサマヨ先生いつの間に司会になってんぞ海渡」

「あぁ。こういうお祭り騒ぎが好きな女神だからね」

「神様なのに普通にこんなことしてていいのかね?」


 苦笑いしながら杉崎が言った。海渡としては逆に神が普通ってなんだろうと思うのだがそこは気にしないことにしたようだ。


 そもそも相手はあの女神サマヨである。今更で神の威厳とか気にしてもしかたがない。


 そんな訳で、開催宣言とともに歓声が巻き起こったのだった。

その後開会式もそこそこに早速第一試合が始まることとなったのだが――


「それでは第一試合を始めます。選手入場」

「うぉぉおぉぉお! 真弓~! そして我が愛しの妻。パパは愛するお前たちの為にも頑張るぞ~~~~!」


 なんと第一試合から現れたのは田中だった。


「あちゃ~あいつ死んだな」

「おいおいおいおい、相手が誰か知らないけどあいつ死んだな」

「死亡したの確認!」

「酷くない!?」


 田中が叫んだ。しかし現実は厳しいものである。何気にどちらが勝つかの賭けを始めるのもいたほどだが、まだ対戦相手がでても来ていないのに田中のオッズは53万倍である。しかもまだまだオッズは跳ね上がっていくのだ。


「どんだけ不人気!?」

「そもそも何でパパが出てるのよ……」

「あれ? 菜乃華と真弓ちゃんも来たんだね」


 海渡が近づいてくる妹の菜乃華とその友だちである真弓に気がついた。


「先輩。あの、僕も来てるんだけど」

「シンキチはずっといたよね?」

「あぁいたな」

「ずっと声が聞こえていたしな」

「いやそれはツッコミとしてだからね! 何なら実際に顔合わせしたのは随分と久しぶりな気がするし!」

『ツッコむなぁ』


 そう海渡たちがやりとしている間にどうやら試合の準備は進んだようだ。そして対戦相手も姿を見せた。


「田中の対戦相手は名もなきシュワ選手です!」

「何で自分だけ呼び捨て! 司会からして酷くない!」

「田中だから仕方ない」


 海渡が冷静に指摘した。なお対戦相手は筋肉隆々の実にマッスルな相手だった。サングラスを掛けていてロケットランチャーまで持参しているパワフルな選手である。


「おい、あいつ死ぬぞ」

「洒落になってないよ!」

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