番外編⑤ その十 委員長の名は?
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驚くべき事実が発覚した。なんと委員長の名前が委知世と判明した。
これまでずっとクラスの全員がいや出会う人すべてが委員長は委員長だと思っていた。
むしろ委員長が委員長であることは世界共通の認識であり委員長が委員長であることは日本は勿論世界中がいや宇宙中が認識している共通概念であったのだ。
それがそうではなかった――実は委知世という名前があったのだと、それはあっという間にニュースとなりネットニュースのコメント欄が即座に五十三万超えにワイドショーも連日連夜このネタを流し続けあらゆるコメンテーターが独自の見解を示し、世界中の学者が委員長の名前が委知世だったことに関する研究論文を発表した。
しまいには事実確認の為に宇宙船が地球に押し寄せ時の総理も対応に追われたのである。
『いやいや大げさすぎだから! 何で委員長の名前が委員長でなかったことでそこまで騒ぎになるの! いや確かに驚きだけどね! マンションの表札にも委員長と書かれてたのに本名があったんだから! でもだからってこれはやりすぎだよね!』
それぐらいとんでもない事実ということなのだがシンキチのツッコミは激しかった。
『どさくさ紛れてツッコミしてるのが僕だって明かされちゃったよ!』
『いまさらだぞシンキチ』
「てか、シンキチ何で委員長の家の表札なんて知ってるんだよ」
「正直気持ち悪いぞ」
『辛辣!?』
最近はめっきりツッコミに対しても厳しいのである。
「コンプライアンスも大事だからね」
『僕のツッコミがコンプライアンス違反なの!?』
驚愕するツッコミである。
「でも確かに委員長の家の表札って委員長になってるよね」
「家族がその方がわかりやすいからって……」
なんとも驚きの事実だが、たしかにと納得する声の方が多かったのだった。
「ふっ、これでまた俺は委員長の秘密を知ったぜ」
「もう皆に知られたから秘密でもないだろう」
満足気に語るスレイだが、杉崎の言うように世界どころか宇宙中に知れ渡った事実に秘密も何もないだろう。
「ま、それで満足出来たならいいんじゃない?」
「んなはずあるか! お前俺と戦え!」
海渡はスレイが納得したようなので面倒事は避けられると思ったようだがスレイはそうではなかったようだ。
「いや、お前海渡と戦いたいってマジか?」
「どれだけ死にたがりなんだ」
杉崎と虎島が呆れ顔を見せた。海渡の強さは二人もよく知っている。スレイがどれだけ自信あるかは知らないが海渡に勝てる程ではないと判断していた。
「これは委員長とどっちが付き合えるかを決める戦いだ! 勿論逃げねえよな!」
だがスレイは二人の話も聞いてなかった。完全に自分の世界に浸っている。
「ちょ、ちょっとまってそんなこと急に」
スレイが勝負を挑んだことに委員長は困ってる様子だった。
「そうだね。そんなことで戦うなんて馬鹿らしいよ。大事なのは委員長の気持ちだしね」
「海渡くん――」
そして海渡もそれは十分わかっていたのだろう。あるいはただ面倒だっただけな可能性も否めないが、しかし委員長は海渡の口にした言葉に感動しているようだった。
「お前逃げるのかよ!」
「はぁ。そもそも面倒事は嫌いだし理由ない勝負なんてしないよ」
スレイが挑発を続けるが暖簾に腕押し、肝心の海渡にその気がなかった。
「話はすべて聞かせてもらったぞ!」
だがその時、勢いよく教室のドアが開き入ってきた矢田先生が声高々に叫んだ。
「スレイお前の気持ちもわかる。そして海渡お前は理由がないと勝負はしたくないという。ならやるしかないな! 天聖学園名物! 天羅大闘制覇を!」
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