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【コミカライズ】異世界帰りの元勇者ですが、デスゲームに巻き込まれました【本編完結】  作者: 空地 大乃
第九章 様々なデスゲーム編

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番外編② そのニ 異世界での海渡の修行?

いつも感想や誤字脱字報告を頂きありがとうございます!

「ほらほらどうした。どこからでもいいぞさっさと来い」


 構えを取る海渡相手にヘラスが挑発を見せる。剣を軽く上下に振ったりしながらニヤニヤしていた。余裕そうなのが見て取れる。


「まぁ気持ちはわかるがな。貴様も多少は腕に覚えがあるようだが、それが逆に災いした。中途半端に力があるからこそわかるのだろう? この俺の隙のなさが」

「う~ん……」


 随分とおしゃべりな神様だなと海渡は思ったが口にはしなかった。ただ打ち込むのにためらいがあるのも事実だった。


(どうしよう。めちゃめちゃ隙だらけなんだけど)


 だがその理由はヘラスが考えているのと異なった。海渡はあまりに隙が多すぎて逆に罠かと思ったりしていたのだ。


「ま、いいか。修行だし。よっと」

「ぎゃぁあぁあああぁああ!」


 海渡はとりあえず脛を狙って斬りつけた。途端にヘラスが神とは思えない程の絶叫を上げゴロゴロと転がりだした。


「あれ? 大丈夫ですか?」

「いっでぇ! いだ! 何これいっだい! いだいだい!」

「……治療魔法掛けましょうか?」

「ハッ!」


 海渡がやりすぎたのかな? と気づかうような素振りを見せるが、ヘラスはプルプルと肩を揺らしながらも立ち上がった。


「あ、あはは。何、上手いこと一発いれたからな。自信をつけさせようと敢えて大げさに転がってみたのだ」

「血出てますが」

「これぐらい唾でも付けとけば治る!」


 ヘラスが切られた箇所をベロベロ舐めだした。正直あまり美しくない光景だ。


「神である俺は再生力も高いのだ。これでバッチリ」

「それは良かった」


 舐めてる時の見た目はともかく確かに出血は止まったようだ。もっとも海渡の一撃はあくまで様子見で牽制程度だったのでこれで済んだとも言えるが。


「危険なら木刀に変えましょうか?」

「ば、ばかいえ! 今のはちょっと油断、いやオマエの実力を見ようと敢えてやったのだ!」

「そうですか。ならまだ続けます?」

「当然だ。さっさとこい!」


 それから暫く打ち込みは続いたがヘラスは防戦一方というよりはほぼ何も出来なかった。仕方ないので合間合間にわざと海渡が隙を作ったりしたほどであり。


「ははは、馬鹿め隙だら、ぎゃぁあぁああ!」


 完全な誘いだったがまんまと引っかかったヘラスは海渡のカウンターで無様に吹き飛んでゴロゴロと転がってしまった。


 それから再び傷口をベロベロ舐めだす始末である。


「くっ、わかったもういい。今度こそ本気で」

「その構えからして違いますよ」

「は?」


 ヘラスが悔しそうな顔でそんな事を言うが海渡はそんな事全く気にもとめず思ったことを口にした。


「貴方の戦い方ならこうしたほうが、あと足運びはこうで」

「ほう、て、ちょっと待て! 何故神の俺が人間なんかに教えられなければいけないのだ!」

「そう言っても今のままじゃまともな手合わせにならないし」


 しれっと答える海渡に絶句するヘラスである。


「それに神様に教える機会ってあまりないからね」

「だから何故教える前提なのだ!」

「俺の従兄弟のクラスメートの姉さんの大学の友達の通ってる道場の師範のライバルの孫娘の結婚相手の先祖が遠い昔伝説の人斬りだったんです」

「それがどうしたというのだ!?」


 ヘラスが困惑した。神でもその相手が海渡と全く関係ないことがわかる。


「いえ。その遠い先祖の霊から色々教わったので」

「とんでもない接点が出てきた!?」



 ヘラスが目玉をひん剥くように驚いた。まさかそこで繋がるとは思いもよらなかったのだろう。


「ちなみに今は剣神やってて、その霊が人に教えるのも修行になるんだと常日頃言っていたんで丁度いいなって」

「なんなんだ貴様は! 大体貴様は修行に来たのだろが!」

「だから教えるのも修行なんだってば」

「何か口調だんだん緩くなってない!?」


 ヘラスは驚いたが海渡はこうやっていつの間に距離を縮められる人間でもある。


「とにかく教えるほうより弱いと洒落にならないんだから。先ずは一緒にランニングでもしましょうか。最初なので軽く三千世界百周から」

「――は?」


 こうして海渡による指導が始まったわけであり――


「海渡様~あれから調子はいかが」

「うぉぉぉぉお! いいところに来たサマヨ! もうあいつを引き取ってくれ! 頼む! このままじゃ殺される!」


 ヘラスの元を訪れたサマヨであったがすぐさま目の前までやってきたヘラスが海渡について頼み込んだ。女神としてはわけがわからないようであり。


「いやいや、殺されるとか言ってる内は大丈夫だよ。さぁ続き続き。あ、女神様。修行はもう少し続けるんで」

「イヤぁ! これのどこが修行だーーーー! サマヨーー! クーリングオフだ! こいつをクーリングオフしてくれ!」

「あははは。クーリングオフの期間はとっくに過ぎてるからね」

「やめ、うわぁああああああああ!」


 こうして海渡は自身の修行のためにヘラスへの地獄の特訓などという言葉では片付けられない程の苦行を続けさせたのだった。


 おかげでヘラスの力も相当強くはなったが――以後、ヘラスにとって海渡がトラウマとなったのは言うまでもない……

月刊コミックREXにてコミカライズ版も連載中です!よろしければ同時連載中の「魔力0で最強の大賢者」も含めて何卒宜しくお願い致します!

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― 新着の感想 ―
その遠い先祖の霊って、逆刃刀持ってませんでした?w
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