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第77話 魔法レッスン!(挿絵あり)

今回登場するトバリの報告内容に深い意味はありません。

お試し実験をしていると考えてもらっていいです。

 アグニスさんと商売の話でもしようかと意気揚々と部屋へとかえってきたら、黒装束姿の美人のオネェさんがいた。妄想話ではありません。


「えっとペリスさんでしたっけ?」


「いえ。それは姉です。私は妹のニアと申します」


「うわ! そっくり!」


 先日魔王の影からでてきた人と、ほとんど同じだ。違う点といえば若干髪が短いか? そのくらいの違いしかわからないぞ。


「早朝からもうしわけありませんが、サルガタナス様がお呼びです。至急城までおこしください」


「サル……ああ、魔王さまか」


 一瞬誰かと思って頭からでてこなかったよ。


 アグニスさんと話すつもりだったけど、しょうがないか。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



 言われるがままに、ニアさんに連れられ城に向かうと、呼び止められることもなく魔王のところまでいけた。この間の手続きがまるで嘘のようだな。


「呼び出してわるかったね。ニアありがとう」


「いえ。ではこれで」


 といって、彼女は魔王の影の中へと――あれ、どうなってんだろ?


「えーと、メグミの子供の……ヒサオだっけか?」


「そうです」


 そういう覚え方ですか。いいけどね。この魔王さんマジで痴呆症はいってないか?


「本はよんだかい?」


「はい。色々書かれていましたが、俺には分からないところが多いので、仲間に見てもらうつもりでいます」


「仲間がいるのか。それは良いことだよ」


「はい」


 あれ? もしかしてこれ余計なこといっちゃったかな? 魔王がちょっとした笑みを見せたけどすぐに消えた。なんだったんだろ?


「それなら本を渡したかいがあったよ。存分に役立たせてくれ」


「はい。話はそれだけで?」


「まさか。もちろん例の件さ。トバリおいで」


 ん? また、誰かいるのか? と思ったら、天井から1羽のワシが飛んできた。


「紹介しょう。ペリスが飼っているワシのトバリだ。伝書鳩ならぬ、伝書ワシというところさ」


「なるほど」


 魔王はそういい、トバリの足についている小さな筒から小さな紙を取り出した。


「これをみてくれ」


「お借りします」


 受け取り見ると……あちゃ、やっぱりか。


「解放されましたか……それにもう動いてる」


「ああ、予想はしていたけど、あたってほしくなかったね」


 俺や魔王の予想どおりだったらしく、ラーグスは牢から解放され、元の地位にもどったらしい。さらに託宣が下ったといい、俺から得た知識らしいのを使い始めているとのこと。


「どう使い始めているんでしょう?」


「さぁ? そこまではね」


『俺知ってるぜ』


 ん? 誰だいまの? なんかちっちゃい声が聞こえたぞ。


「……魔王さま、何か言いました?」


「いや……また君のスキル――じゃないよね?」


 当然違うから手を振って返した。


『俺だって俺。急に話がわかるようになって俺もびっくりだよ』


「……えっと?」


「もしかしてトバリ、君かい?」


 魔王の腕に足をのせ、嘴をクイクイと動かしているワシが喋りだしました。

 なにこれ?


『そんなに驚くなよボス。驚くことだけどさ』


 どっちだよ。

 ワシが話すってちょっと困るんだけど。鶏肉が食いづらくなるじゃないか。


「トバリ、急に話せるようになったのは驚いたけど、さっきの話はどういう意味だい? 君みていたの?」


『もっちろん。鳥目なめんなよ。夜はダメだけど』


 このワシできる! と思ったのは、俺だけだろうな。


「それでどうだったの? 知っていることを教えてくれたら、好物の兎肉をあげるよ」


『筒の先端に詰め物をいれて、もう片方に棒をいれていた。それを押したらポンって詰め物が飛んでった』


 ん? ……んーたぶん空気鉄砲?


「子供のおもちゃかな? あとはないかい?」


『紙でコップをつくって、底に糸をつけて2人でわかれて、なんか喋ってた』


 糸電話じゃないかな?……なにしてんだあいつ?


「もうない?」


『あとはでっかい板に輪っかをつけて、ゴロゴロ動かしてた』


 ……意味が分からない。台車か?


「ありがと。あとで兎肉をあげるね。ちょと天井でまっていてくれるかな?」


『はいよボス! うまいところ頼むぜ!』


 羽を広げて嬉し気な声でいいはると、魔王が腕を振り上げる。その勢いにのって天井へと羽ばたいていって、適当な場所に足をつけた。


「正直、いまのところ脅威らしいものは感じないね」


「ええ、どれも簡単なもののようですし……この世界だとそれも凄いのでしょうか?」


「そうだな――どれもまだこの世界だと見かけたことはないかな? 最後のやつがもし滑車のことだとしたら、見ることはあったけど…」


「むしろ、トバリが急にしゃべりだしたほうが驚きなんですけど」


「うん。どうして急に………あ、もしかして君、何かスキルもってる?」


「え? 俺ですか?」


 と言われてもな……あ!


「《真通訳》! なんだいこれは! こんなの知らないよ? それに、みたこともないスキルでいっぱいだ」


 あら、俺が気付く前に鑑定でみちゃったか。


「俺もたぶんそれだと思います。今、気づきました」


「そういうことか。交渉術とかいうやつが、先日の一件で問題をおこしたやつだね。僕もうっかりしていたよ、あの時、君を鑑定しておけばよかった」


「スキル効果が不明なままなのもあって、ちょっと困っています」


「普通のスキルなら、先人たちが残した記録を調べて参考にできるんだけどね。君の場合、どれもこれも僕ですら知らないものばかりだ」


 あら~そうなのか。スキルのことについては自信あったみたいだな。軽くショックを受けている感じだ。

 あ、スキルで思い出した。


「そういえば魔王様。魔法を覚えたいんですけど、誰かに教えてもらうことってことできませんかね?」


「ん? 君、何にも戦闘系スキルないよね? そういうの毛嫌いしてきたんじゃないの?」


 俺をジロジロみながら言う。再度の鑑定をしているな。

 俺はミリアによって魔法習得を止められていることと、武器関係は殺すのがいやで覚えてこなかったことを話した。


「エルフが? ふーん。僕は魔力感知がそこまでできるわけじゃないからな~ でもエルフがそういったのか」


 あちゃ、これは駄目なパターンかもしれない。


「まあ、いいか。初歩の初歩で……「お願いします!」……わかったよ」


 速攻で返事したよ。この機会を逃がしてなるものか。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



 さっそくとばかりに、魔王様に魔法のレクチャーを受けた。

 場所は、謁見の間ではなく、城の屋上である。ここに来る人はほとんどいないらしい。

 広さでいえば、ちょっとした小部屋一つ分ぐらいだが、遮る壁もないので広々とした気分だ。

 これでいよいよ魔法を覚えられるぜ! しかも空間魔法取得もありえる! なにしろ教えてくれる魔王の魔法スキルは空間魔法だ。アイテムBOXまってろよ!


「最初は魔力操作から始めるよ。何をやるにしても、これが基本になるからね」


「はい!」


「じゃあ、これをちょっと触ってみて」


 といって、魔王様が空間から取り出したのは無色透明のクリスタルだった。

 それを受け取ると、急にクリスタルの色が青へとかわっていって、


「お? さっそくかい? すごいね」


「え?」


 と思っている間に、今度は黄色に、


「え? 初めてでそこまでなるの?」


「なに、なんですこれ?」


 さらに赤に……これどっかでみたような色の順番だな。


「……えっと、もう魔力ながさなくていいよ?」


「は? え? いや、何にもしてないんですけど?」


「……え? ほんと?」


 いやな予感がした瞬間、赤から黒へとかわった。


「あ、やばい。それどこでもいいから、ぶん投げて」


「ちょっ、急に言わないで!」


 もうどこでもいいやと、斜め上にむかって、思いっきり投げた。

 とんでいったクリスタルが空中でボンって破裂……鉱石だよなあれって。なんで爆発するのよ。


「なんですいまのは!?」


「どこにでも売っている魔力検知器なんだけど……しらないで触ってたの?」


「しりませんよ。ずっと魔法関係から遠ざけられていたし」


「そうだったね。なのにあれか……ちょっと考えさせてくれる?」


「はぁ?」


 暫く待つ。すると、また空間に手をつっこんで、今度は真っ黒い玉を出した。


「これはさっきのより上のやつでね。かなりの魔力を検知できる。さっきのが10だとしたら、こっちは100だね」


「おお! そんなのあるなら最初からだしてくださいよ」


「いや、これ普通つかわないから。さっきのが普通のやつだから。わかってる?」


「はい! ありがとうございます」


 勢いよく頭をさげて両手をつきだすと、魔王様がその黒い玉をくれた。見かけはボーリング玉のような感じだけど、軽いなこれ。材質なんだろ?


「さてと」


 触ってみると、今度は最初から赤に……また爆発しないだろうな?


「もうか! はやすぎるよ!」


「――これさっきみたく爆発しませんよね?」


「しないしない。というかこれがMAXまでいくことないから。もしいったら、それ人間やめているから」


 すげぇフラグにきこえてきた。

 とりあえず赤から変化はないが……あ。


「ピンクって……」


「なっちゃったね――だ、大丈夫だよ、まだまだ」


 さっきのクリスタルよりスピードは遅いが――って思ってる間に、今度は茶色に。


「あの?」


「……ちょっとやばいね。次かわったら、かえしてくれる?」


「あ、はい」


 てな会話している間に、黄色くなったので、すっと返した。


「……」


 手渡したその玉を魔王様はアイテムBOXを開いてポイっとなげた。


 …………


 すごく気まずい。

 どうしてこうなった。


「えーとですね…」


「う、うん」


「次のレッスンは?」


「えっ?」


「えって!?」


「いや、ほら、魔力の流し方を覚えて、方向性を変化させて魔法に繋げていくわけだよ」


「はい!」


 よし、まだ終わってない!

 ほら次のレッスン内容いってるし!

 俺のほうを見ていないのが怪しいけど、きっと大丈夫!

 と、思っていたら、小さな体を急に曲げた。

 なんだろ、そのごめんなさいのポ―ズは。ははははは、やだな~


「……ごめん。人外に教えられるほど魔法くわしくないんだ」


 だとおもっていたよ! でも人外呼ばわりはひどくね!

挿絵(By みてみん)

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