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第143話 小太郎の考え

 さて、現在の俺についてなのだが、

 まずは、以前の状態がこれ。


 レベル41 ヒナガ ヒサオ

 称   号 通じるもの。

 アイテム  ブランギッシュ製の布服。携帯電話。

 ステータス 1流交渉人

 ス キ ル 真通訳、解読、極鑑定、交渉術 真通話 等


 アグロが攻められたときに鑑定したやつだ。


 あの時、魔道砲を使ってきた連中を味方の精霊使いたちが倒したことで、俺のレベルが2あがっていたのは、覚えているだろうか?

 寄生であがったような感じがするが――というか、ほとんど寄生でレベルを上げてしまっているのだが、そこは触れないでくださいお願いします。


 ……ゴホン。つまり、あの後、砦攻めとアルツ攻めがあったわけで、現在の俺というのはこうなっている。


 レベル58 ヒナガ ヒサオ

 称   号 通じるもの。

 アイテム  ブランギッシュ製の布服。携帯電話。マジックバンド(保管術)

 ステータス 1流交渉人

 ス キ ル 真通訳、解読、極鑑定、真交渉術(・・・・) 真通話 等

 

 戦争ってほんと怖い。

 ほとんど裏方にまわっていたはずなのに、ここまで上がっているとか、モンスター狩りしていた努力がなんだったのか? と言いたくなる。

 それはいいとして――真交渉術


 個人的にこれはあがってほしくないな~ と思っていたのがランクアップしていたんだよ。

 ペナルティーの件は、いまだにトラウマなんだよな~

 1vs1の状態で邪魔が入らないのであれば、捕縛にも使えるスキルではあるが(本来と違う使い方だけどな!)そうでないなら、危険な何かをやらかしそうなスキルだ。


 何が言いたいのかというと、元々の状態であっても、多用しなかったスキルなのに、それがランクアップしてしまったということは、何が追加されたのかさっぱりわかっていないということだ!(覚えたのは半年ぐらい前なのにな!)


 い、一応、言い訳させてもらうとだな、ここ半年の間に交渉術は何度か使っているんだよ。

 物流関係が面白いように発展したのはいいが、同時にトラブルも比例するかのように増えた。

 そして俺は交渉大使。

 いまだにこの立場は変わっていない。

 なので、大きなトラブルともなれば、呼ばれることになる。


 必用となれば使う決意はしているけど、使うたびに胃がキリキリ痛み出してきている。光精霊の予約でもしておくかとも考えたこともあるほどだ!

 ……違う。こんな若年寄りのような状態になっていることを言いたいわけではない。


 どうしてこんな話をしているのかというと、俺ができる何かというのを考えていたら、これを思い出した。


 自宅兼大使館にある仕事部屋の中でウロウロしたり、椅子にすわってグルグルまわったりとしながら、考えを巡らせているわけだが、さっぱり思いつかない。

 とりあえず、今までおきたスキルのランクアップについて考えてみた


 通訳

 >真通訳(動物とも話ができるようになった。ただし、効果範囲は狭い)


 鑑定

 >真鑑定(メーターが見えるようになった。おそらく検索鑑定もこの時からできている)

 >極鑑定(具体的な内容が追加された。位置情報はこの時なのか? それも不明なままだ)


 通話

 >真通話(鑑定登録した相手と話ができるようになった)


 ――共通性が見当たらない。

 スキル効果の発展系? という点でいえば、共通しないわけではないが、そうなると交渉の発展ってなんだ?

 何度かやってみた感じでいえば、今までと変わらない気がする。


 休戦条約の内容にある、魔族側有利での取引。

 これがあるおかげで、交渉術をつかわなければならない事態は稀だからな。

 

 そういや、この条約のことで、俺はあることに手をだした。

 今更ながら、商人じみたことをしていたわけで、魔族領土の物を人間達に、人間達のものを魔族領土へと――まあ、早い話が、あっちのものをこっちへと流したわけだ。

 

 いや~面白いように稼げた。


 転移魔法陣も使い放題だし、商品だって保管術で運び放題。いまだに、どこまで荷物がはいるのか全くの不明ときている。


 おまけに、この条約。

 かせげないわけがないのだ。

 いまじゃ、ちょっとした資産家と肩をならべてしまう状態。とても大声ではいえない大金を所有している。

 昔、『金は、あるところに集まる習性がある』という話を聞いたが、あれは本当かもな。とんでいった金貨が、仲間をつれてもどってくるような錯覚すら覚えたよ。


 ……いや、この話でもないんだよ。今日はよく脱線するな。

 スキルだよスキル。話を戻そう。


 とはいっても、むやみに使えるスキルじゃないし――よし、こういう時は、コレだな。魔王さんからの伝言も伝えておかないとだし、保管術でしまってあった携帯を取り出して、

 トゥルル――……トゥルル――……ガチャ


『おはよ。報告の時間とは違うけど、何かあった?』


 コタ様出番でございますと電話したわけだが、思えばメールで先に連絡したほうがよかったかもしれない。……まあ、いいや。


「交渉術がランクアップしていてさ。それについてあれこれ考えてみたんだけど、さっぱりなんだ。コタなら何か予想つかない? ってのと、魔王さんから『返事を心待ちにしている』って言われた」


『魔王さんへの返事は、もう少しか考えたいかな? そっちは少し待ってほしいっていっておいて。交渉術のランクアップか……ヒサ的には変化がわからないんだよね?』


「ああ。何度かつかってみたけど、どう変化したのか分らない」


『ヒントもないんじゃ、僕も見当がつかないな』


「コタでもだめか~」


 流石のコタ様でも不明か。まあ、無茶な質問だなとは思っていたが、


『ちょっと後で考えてみるよ。ヒサの他スキルはどういう感じに追加効果がついたのか、教えてくれる?』


「それな。俺もそっち方面で考えたけど、さっぱりわからなかった」


『ヒサも同じこと考えたの? まあ、でも僕なりに考えてみたいから、あとでメールでもしておいて』


「頼む。それと、今朝早くに届いた情報だけど、アルフヘイムがやられたらしい」


『アルフヘイム――って、前に攻撃されたところじゃなかった? かなりギリギリまで追い込まれたけど、攻めていたはずの帝国のほうで撤退したとか言ってなかった?』


「そう。そのアルフヘイムだよ」


『また、託宣でもでたの?』


 会議の時と同じ話になりそうなので、知っている限りの話を伝えると、コタの唸る声が聞こえてきて、


『……南のオズルが動かず、北のウースにある帝国だけが動いたのか。たしか南って託宣に対して不信感が募っていて、ブランギッシュにもそれっぽい人間がきていたよね?』


「そういえば……あ、じゃあ、そいつを捕まえて聞けば!」


『駄目じゃない? だって、ブランギッシュにいたら託宣聞けないんでしょ? 主にヒサのせいで』


「俺のせいとかいうなよ! なんか、悪いことしたみたいじゃないか!」


 託宣頼みの連中にとってみれば、そうかもしれないけど、別に異世界人は俺だけじゃないし、ここに住んでいる魔族のおかげでもあるんだぞ。


「コタは何がきになるんだよ?」


『んー……僕が気になるのは、託宣の現状かな?』


「? すまん意味がわからない」


 託宣は託宣だろ? 人間達に指令のようなものをだして、よりよい人間社会を作らせるようにしている感じのようなナニカじゃないのか?


『……ヒサ、12代目魔王の考察のとおり、その世界が魔王さんがいた世界に近づいているとしたら、どうなると思う?』


「そりゃあ、魔王さんのいた世界と同じようなことになるんじゃないのか?」


同じ(・・)ようなことってどういうこと?』


「……歴史とか文明とか、そんなところが似てくるとか?」


『うん。僕もそう考えた。だからこそ託宣は人間達を動かして邪魔ものを排除しようとしている……言いいたいことわかるよね?』


「ああ。魔族の排除だろ?」


 魔王さんのいた世界というのは俺達の世界とよく似ている。

 なら、俺達の世界にもいない他種族を、邪魔者として排除しようと指令をだす。

 だからこそ人間達にのみ託宣が聞こえるというわけだ。


「それがどうしたんだよ? いまさらだろ?」


 元々、滅ぼされたらたまらないと魔族や亜人達が長くすむことで託宣封印をしていたんだ。託宣があるかぎり、彼等の危険は常につきまとうんだから。


そこ(・・)までなのかな?』


「え?」


『歴史や文明を似せるために、まず邪魔な亜人や魔族。それにいずれは獣人達も滅ぼそうとしているのかもしれない。でも、それって邪魔されているよね?』


「まあ……」


 北では託宣を頼らずに動き出してきているし、南では不信感を募らせはじめている。イガリアにいたっては現在聞こえていない。

 託宣というものに目的があるとしたら、今現在、不利な状態になっている。


「お前、なにが言いたいんだ? もしかして、先日の魔王さんとの話ってそれだったのか?」


『魔王さんとの話は、また少し違うよ。だけど無関係でもない。僕が気にしたのは、託宣がいまの状態のままでいるの? ということさ』


「……お前」


 コタの言いたいことが、少しだけ理解できた。

 理解できた途端、背中に寒気が走った。


『ヒサ。託宣の発生理由や目的のようなものは分かった。だけど、そこに意思的なものがあるの? 自然現象のようなものだとしたら、それすら怪しいよね? 託宣ついて不明な点が多すぎるんだ。それなのに――いや、とにかく、何かマズイことが起きるまえに帰ってきたほうがいいと思う』


「……そうしたいのは山々だけどな」


 スキルの相談をしたかったのに、とんでもない話を聞かされてしまった。

 推測にしかすぎないといっても、無視できないぞこれは……

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