表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
132/273

第131話 久しぶりの3人

今回は短め。ここで切るべきだと神がいっていた。

『背に腹はかえられん』


 という理由で、オッサンも交渉大使の一員となりました。

 それはいいんだが、


「では、コリンも!」


「ヒガンも!」


 オマケが2つ、ついてきた。


「駄目です」


「駄目はだめなのです!」


「そうなのです!」


 ……ヒガンちゃん。君コリンに似てきたね。悪いところが。

 2人については、オッサンになんとか説き伏せてもらったけど、条件がついた。

 『ユミルでの用事がすんだら、必ず直ぐに帰ってくること!』 という事だが。

 生活費を渡さないといけないので、それはもちろんなんだけど、じゃあ戻って来たら仕事の方はどうすんだ? という話。


「終わったら、また鍛冶仕事にもどるわい」


「止めたり戻ったり……いいのそれ?」


「ガーグス達に泣きつかれた」


「あ、はい」


 このオッサンは、どこまで頼られているんだ。

 これは一種の出稼ぎ労働なのかもしれない。大使の名がなくぞ。


 その大使という言葉についてだけど、俺達が知る大使とは若干異なるらしい。

 大使と名がつく職についた人=魔王直属の部下。という意味らしいのだ。

 だから、俺が外交大使についた途端、魔族さんたちがいきなり『様』づけし始めたのだろう。だけど、獣人の皆さまは違う意味で『様』づけしているようだが……


 というわけで、あらかた問題が済んだので出発となる。


「ヒサオ。本当にいくのですか?」


「さっさといけ」


 どこから聞きつけたのか、馬車に乗りかけたところをテラーに呼び止められ、馬野郎に追い出されかけている。なにがどうしてこうなった?


「言われんでも行くわ!」


「行くぞヒサオ」


「馬車がでちゃうわよ」


 いっそ、その馬車をこの馬野郎に引かせてやろうかと思った。


 馬車の後ろに乗り込む俺達。ちなみに荷物の一切合切(いっさいがっさい)は、俺の保管術でしまいこんでいる。


 そうそう馬車で思い出した。

 物資運搬のこともあって、今現在、セグル<>ブランギッシュ<>アグロの間をいくつかの馬車が走っている。荷馬車はもちろん、乗り合い馬車のような感じで、色々な人が行きかう感じになった。流通が良い感じに流れているんだけど、ミリアにとってみれば不満らしい。


「ブランギッシュにも転移魔法陣を設置してもいいはずよね」


 馬車の後ろに乗り込み出発すると、隣にすわったミリアがいう。


「そうだけど、アレって使えない人もいるし、馬車のほうがよくないか?」


「使える人にとっては便利じゃない。緊急時の移動なら、断然魔法のほうが便利よ」


 すぐに移動できないのがご不満のようだ。気持ちわかるが、


「こうした旅もよくないか? 俺けっこう好きだぞ」


「え? ……そ、そう。よかったわね」


 言いながら、ミリアの顔が横へとむけられ表情が見えなくなった。機嫌を悪くしたのかと思ったが、そうした様子でもない。むしろ逆のような気がする。


「ヒサオ。鎖帷子のほうはどうだ?」


「ん? これか」


 着ていた白いシャツを開き胸元を見せる。銀の光沢を放つアダマン製の鎖帷子がそこにはあった。

 これで100万なり! 鑑定してみたら、150万って出てビックリした。お買い得すぎる。アダマンって凄いレアなんだな……


「具合いいよ。とくにひっかかりもないし」


「ならよい。着心地が悪くなったらいってくれ。調整してやる」


 メンテナンスありで、この値段。超お買い得といっていいだろう。

 ちなみにこの鎖帷子につかわれたアダマン鉱石って、最後にとっておいたものらしい。持っているのはいいが、作ったとしても買い取る人がいるかどうかで、悩んでいたとか……つまり俺の注文は、渡りに船だったようだ。



 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



 セグルについて、さっそくユミルに転移。つくなりミリアが地下室をキョロキョロ見回して、


「……あれ?」


「どうかした?」


 妙な声をだしたかと思えば、石でできた階段をかけあがっていく。

 ここってオルトナスさん家のはず。前に来た時と変わらない光景だし、妙なことはないんだけど、


「どうしたんじゃ?」


「さぁ? とにかくいこうぜ」


「ふむ」


 一足さきに1階に向かったミリアを追いかけると、玄関口でまたもキョロキョロしていた。


「ミリア、どうしたんだよ?」


「誰もいないのよ」

 

 言われ周りをみた。確かに誰も鑑定に引っかからない。


「出かけているんじゃ?」


「だとしても、誰か一人はいるはずなんだけど……監視を解除したの?」


「監視?」


 ……そういや、前にきたとき騎士風のイケメン男と、桃色頭の幼女がいたな。あれって魔法陣の監視をしていたのか?


「ちょっと外の様子を見てくるから、ここで待ってて」


 と言い残し玄関から出ていくが、待っていられなく後をおう。


 おー……森だ。

 森の中に建てられた丸太建築の家か――何かと大変そうだな。

 ログハウスのような家が2軒……ご近所様かな?

 ところでミリアは? と思えば、もう一軒の家からでてきた。


「誰もいない……」


 声がどこか寂しげだ。実家にかえってきたら、誰も家族がいなかったような声だ。


「俺探そうか?」


「あ、そうか。お願い」


 検索鑑定のことを思い出して、さっそくオルトナスさんを……


 名  前 オルトナス=エウロパ

 位置情報 オルトイア城 精霊樹の間


 ……精霊樹って前に魔王さんが言っていたやつか。このままをミリアに教えると、


「予想はしていたけど、やっぱり師匠が関係していたのね」


「なんだ、知っていたのか?」


「あくまで予想よ。それに、たぶん……いえ、いきましょうか」


 歩き出すミリアに俺とオッサンがついて行こうとすると、


「まてミリア。ここはモンスターがでるのか?」


 唐突にオッサンがいってきた。


「……そうね。たまにでるけど、さほど強くはないわよ。それがどうしたの?」


「ふむ。なら、ヒサオ、ワシの盾をよこしてくれ」


「ああ、はいはい。ちょっと待ってくれ」


 俺の保管術でオッサンの盾とランスを預かっていて、それが欲しかったようだ。


「盾だけでいいの?」


「ああ。咄嗟の場合に対応したいだけじゃからの。攻撃はミリアに任せてもよかろう」


「わかった。よいしょっと」

 

 開けた空間からオリハルコンの盾を取り出す。夕暮れ時のような茜色の盾である。


「ほい。ミリアは杖が欲しいか?」


「私はいいわ。ジグルドにつくってもらった腕輪だけで十分だし」


 普段から腕につけている銀光の腕輪。ルーメスという名の鮮血色をした宝石がつけられ、美術品といっても通じるような品だ。それを天の長衣という白いローブの上からつけている。


「まあ、モンスターがでたら、俺の鑑定に引っかかると思うけどな」


「そういえばそうじゃったな。メーターとかいうのが見えるのじゃった」


「懐かしいわね。最初の頃はそれで助かったわ」


 2人からの視線がムズ痒いな。

 メーターだけの状態だと鑑定ウィンドウは開かないから、携帯には登録されないのがちょっと残念……まあ、全部登録されたらされたで困りそうだけど。


 ミリアが言ったように、2匹ほどモンスターがでてきたけど、本当に雑魚だった。


「これでテラーのやつもいれば、最初のころと一緒か」


「さそってもよかったんだけど、いまのテラーって、イルマとほとんど変わらない立場みたいだからな~」


「ほ? なんじゃヒサオ。お主、テラーに対して恨みはないのか?」


「いつの話だよ。もうないよ」


「そうね。殴り合った仲だしね」


 そういってクスクス笑うミリア。


「どうしたヒサオ?」


「え? なにが?」


 唐突にオッサンが俺の顔を見て聞いてくる。


「顔が赤いぞ?」


「……あれ?」


 言われてみれば、ちょっと顔がほてっているな。


「なに? 風邪? 神聖魔法かけてあげようか?」


 ミリアがクルッとふりむいて言ってくる。


「ん――いや、特に熱は感じないし、大丈夫だろ」


「そう? 無理しなくてもいいからね。また最初の時のように倒れられたら困るし」


「なんだよミリアまで。いいからいこうぜ」


 まったく。この3人だと、色々恥ずかしいこと知られていて困ることあるな。

 でも、まあ……


(悪くはないか)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ