◆ プロローグ~《婚約者を決めろ》作戦開幕
これから始まる58話の物語にお付き合いいただけると、幸いです。 よろしくお願いします(*´꒳`*)
王太子アンドリューは、父王へ向けて精一杯の声を張り上げた。
「どうしてですか!? 父王! 」
「聞こえなかったか? なら、もう一度だけ言おう。 『婚約者を決めろ!』 決めないのなら、王太子の資格は剥奪だ…… 」
その父王である、パルムドール王国の国王陛下カエレムは、重く冷たい眼差しをアンドリューへ向けた。 そして、もう言いたい事は終わったと…さっさと玉座を後にしたのだった。
「父王! 待ってください! 父王! 」
◆◇◆◇◆◇◆◇
パルムドール王国の王太子アンドリューは、その美しさが自身の誇りだと思っていた。
しかし 《美しさこそが正義である》を振り翳したアンドリューは、傲慢極まりない態度と暴言によって、過去に与えられた絶世の…… 美女3人の婚約者たちを 〈婚約破棄〉という形で、追いやってしまった。
なんの瑕疵などあろうはずも無い、美しい令嬢達へーー バッサリと婚約破棄を言い渡したアンドリューの愚かさたるや。
アンドリューが自らの、愚かな過ちを知り…… その報いを受けるのは… そう遠く無い未来だろう。
先程ーー国王陛下カエレムが、王太子アンドリューへ、直々に沙汰を出した。 アンドリューにとって、厳しい王命……
( こ、婚約者なんて…… )
アンドリューはワナワナと震え、言葉の暴力でも振るわれたかの様に、膝から崩れ落ちた。
父王の去った玉座を暫く見つめていたアンドリューだったが、思い出したように辺りを見渡して、自分付きの側近侍従を呼んだ。
「エ…… エド…… 」
呼ばれたエドは、特段慌てる様子もなく、冷静に返事をする。
「はい、なんでしょう?アンドリュー様 」
アンドリューは、絶望的な眼差しをエドへ向け、ポツリと呟いた。
「兎に角、私は…… 婚約者を決めなくてはならない…… 」
自分が溢した言葉なのに…… 自身の口を吐いた言葉で、国王陛下へ対して沸々と怒りが湧いていた。
(何故、婚約者を決めなくては…… 王太子の座が剥奪されるのだ!? 私しか、王太子は居ないのに! )
怒りの感情が込み上げてきたアンドリューは、次第に怒声へと変わっていった。
「 ああ! くそっ、仕方がない! エド! 命令だ! 婚約者を…! こ、この王国で一番美しい娘を連れて来るのだ! 今すぐに!! 」
長い前髪で目元が隠れている側近侍従のエドは、王太子アンドリューへ蔑みの目を向けていた。 小さく溜息を吐くと、頭に浮かぶ考えに遠慮は無かった。
(やはりこいつはダメか…… 結局最後は感情的に怒鳴りつける事しか出来ない…… )
かくして… 国王陛下カエレムが命じた、『婚約者を決めろ!』作戦。 それこそがシナリオの《始まりの合図》だった。
お久しぶりの投稿を最後まで読んでいただきありがとうございました。 ドキドキしながら投稿しました。
58話のお話です。今日はこれから一時間ごとに3話連続投稿しますね。
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