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魔王の娘ですが勇者パーティが百合天国だったので裏切ることにしました。  作者: 三色ライト


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66話 ユーシャの休み

 ハロー☆ ユーシャだよ。今日から黄金週間っていう休み期間なんだけど、仲のいいリリーが実家の方に帰省しているみたいなんだよね。みんなと遊ぼうかな〜と思ってたのに。残念!


 何しようかな〜、家にずっといるのは性に合わないんだよね。


「よし、散歩しよう! 何か楽しいことがあるかも!」


 そうと決まればお着替えだね。みんなで[ブレイブデパート]に行った時に買った服を着て……準備OK!


「行ってきまーす」


 と言っても返事はない。私にはもう、家族がいないからね。みんな戦場に行って、みんな死んじゃった。私はこの悲しい戦争を早く終わらせたい。伝説の勇者と呼ばれたお母さんには悪いけど、魔界の人たちとも仲良くなりたい。手を繋いで困難に立ち向かいたい。こんな変なわがままは色んな人に気味が悪いと言われた。人間は魔族を倒すのは当然と思っている人が多いからね。


 でもリリー……。あの子は賛同してくれた。それどころか一緒にその目標を達成したいって言ってくれた。あの時から私は……


「あ、占い屋さん?」


 珍しい! 屋台みたいになってるから移動式なのかな? 初めて見たかも。やっぱりお散歩はしてみるものだね! いい出会いがあるじゃん!


「こんにちはー♪」


 ちょうど今はお客さんいないっぽいし、入っちゃえ!


「いらっしゃいませ……」


 おお! いかにもって感じの占い師さんだね。紫色のベールを身につけた、言っちゃえば怪しい人! まぁキャラクター作りってやつだよね。本当に怪しいわけではないよね。


「何かお悩みですか? それとも運命に誘われてこちらへ来られたのですか?」


「う〜ん……どちらかといえば運命ですね☆。たまたま見かけたので!」


「なるほど……では水晶占いなどどうでしょう?」


 ゴトッとテーブルに透明な水晶が置かれた。すごい! 本格的!


「じゃあそれでお願いしまーす!」


「ふむふむなるほど……」


 水晶の上を占い師さんの手が横切る。これで私の何が分かるんだろ。ちょっと楽しみ。


「貴女は今、恋をしているのですね」


「……へ?」


 ええっ!? 恋!? あ、あぁ、あれね、女性は恋バナが好きだからとりあえずそう言ってみたってやつだね。焦った〜〜。


「わ、私は恋なんてしてないですよ?」


 ちゃんと否定するところは否定しておかないとね。後にズルズル尾を引いても大変だし。


「ふふ……はたして本当にそうでしょうか。黒髪」


 ピクッと肩が震えた。


「赤い髪留め」


「え……あの……」


「面倒見のよく頼れる存在」


「や……え?」


「同じ目標を追いかけてくれる人」


「あ……その……」


 えぇ……なんかすっごい踏み込んでくる……。しかも誰だかわかっちゃったよ。完全にリリーの特徴だよね。頭の中にリリーの顔が思い浮かんじゃったよ……。


「ふふ……可愛らしいですね。顔、赤いですよ」


「えっ、嘘! やだやだ!」


 たしかに顔熱い……。耳も熱いよ……。まさか……まさか私って……!


「自覚していない恋というものは案外多くの人が持っているものです。どうですか? 私の占い、当たっていましたか?」


 プシューッと耳の穴から熱が出て行くのがわかる。そうなんだ……私って、私って……いつのまにかリリーに、恋していたんだ。


「……教えてください。私はこれから、どうすればいいですか?」


「まずは気持ちを落ち着かせてください。そうして想い人のことを思い浮かべて考えてみてください。貴女が何をしたいのか。その想い人とどんな関係になりたいのか、考えてみてください。そうしたらやりたいこと、やるべきことが見つかるはずです」


「は、はい……」


 散歩は一瞬にして終了。気持ちを落ち着かせるためにすぐに家に帰った。ベットに横になって抱き枕を抱き寄せる。


「私……リリーのこと、好きなんだ」


 自分で言って恥ずかしくなったから逃げるようにお昼寝した。休み明け、どうやってリリーと顔を合わせればいいんだろう……。

明日の更新はお休みです。

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