58話 おやすみよ♪
ちゅんちゅんちゅん……鳥のさえずりと共に目がさめる気持ちのいい日曜日。キッチンからはいい匂いが……。
「おはよう、アスセナ」
「おはようございます、姫様♪」
キッチンに立っていたのは……天使だった。魔族だけど。
「はい姫様、朝ごはんです!」
「ありがとう、アスセナ」
「あの……本日はお休みなのですよね?」
アスセナが体をクネクネさせながら聞いてくる。
「えぇ。テストも終わったから勉強することもないし、パーティの中の問題も解決したからね。今日は1日オフよ」
「ならなら! 姫様を今日は独り占めですね♪」
「ふふ……そうね」
可愛い。この生き物超可愛いわ。
「何かしたいことはある? どこか行きたいところとか……」
「いえ! 今日は姫様のお休みの日ですし、お家でゆっくり過ごしましょう♪ 姫様とお昼寝とかしたいです」
気を遣われてる……? でもまぁその気持ちに反するのは悪いし、今日はお家でゆっくりしましょうか。ここ最近ずっと頑張っていて疲れているのは事実だしね。
「いいわよ。お昼を食べたらお昼寝しましょうか」
「はい♪」
となるとお昼までやることがないわね……そうだ!
「アスセナ、暇だから買い物について行ってもいいかしら?」
「はい♪ 姫様がついて来られるのなら嬉しいです!」
というわけで近くのスーパーまでついて行くことに。もちろん私は戦力になるわけではないけれど荷物持ちくらいならできるからね。少しはアスセナの助けになりたいのよ。
「今日はこれとこれとこれを買って……あとは調味料ですね」
すごいわアスセナ……色々なことを計算してお買い物をしているのね。いつも私が学校で勉強したり実習している間にこんなに大変なことをしていただなんて……。
「ありがとねアスセナ。お買い物って大変でしょう?」
「そんなことありませんよ。姫様の喜ぶ顔を想像したら全然苦になりません♪」
くっ……! なんて嬉しいことを言ってくれる子なのかしら。もう私泣きそうよ……!
手際よくアスセナは商品をカゴに入れてレジに並ぶ。頼もしい背中ね。小さいけど。
「ほらアスセナ、荷物」
「えっ……?」
「何よ? 荷物、持たせてちょうだい」
「もう姫様……そういうところですよ?」
……? どういうところ? 何か間違っていたかしら。アスセナから荷物をもらうと結構重いのね……この小さい体で毎日頑張ってたんだ……。
「今日のお昼は簡単なパスタでいいですか?」
「えぇ、もちろん。アスセナの作るものなら何でも楽しみよ」
簡単なと言ってもアスセナは張り切って作るから簡単な料理にはならない気がする。どこかでこだわりを持っている気がするのよね。
家に帰って冷蔵庫に食品を詰めていく。これくらいは私だって手伝わないとね。何でもかんでも100%アスセナに任せていたらダメ魔族になってしまうわ。
できればパスタも手伝いたいんだけど……何かミスって失敗したら申し訳ないから手を出すのはやめておきましょう。うん、賢明な判断だと思うわ。悲しいけど。
「はい、召し上がれ♡」
「すごい! 和風ってやつ?」
アスセナの作った和風パスタは塩加減が絶妙ですっごく美味しかった。こんな料理ができたら楽しいわよね。この前のハンバーグで挫折したけど……もう一回料理を習おうかしら。そうすればもうちょっとアスセナに楽させてあげられるしね。
「うん! 美味しい!」
「良かったです♪ 姫様のことを想って愛を込めて作りましたから」
アスセナの料理は心が安らぐのよね。きっとアスセナの優しさがそのまま料理に浸透しているからなんじゃないかしら。優しい味付けが多いし。
食べ終わってお腹いっぱいになると……眠くなってきたわね。
「アスセナ、お昼寝する?」
「はい♪ お布団の中に失礼しますね〜」
……ん? 何故同じ布団に? と思ったけど連日の疲れからか一瞬で眠く……あ……すやぁ……。
次回、性癖解放。




