56話 仲良し作戦③
さて、実はもう私はすでに構想は決まっている。そう、フード付きのブルゾン、そしてベレー帽。なんだかわからないけどアルチャルってベレー帽が似合う気がするのよね。フードは完全に飾りになるけど。
ブルゾンは……あったあった! 何色がいいかな〜。綺麗な金髪を主張させるために落ち着いた色がいいかもしれないわね。ベージュのブルゾンにしましょうか。あとはベレー帽……これはグレーでいいかしらね。
脳内でアルチャルに当てはめていきましょう。白いTシャツとジーンズだけのアルチャルに……ベージュのブルゾンとグレーのベレー帽を追加すると……いいじゃない! 完ぺきかもしれないわ。ふふ、優勝間違いなしね♪
となると気になるのは他のみんなが何を選んでいるか。ちょっと覗いてみましょうか。
「あ、リリー、カンニング?」
「私はもう決めたからカンニングにはならないわよ。ユーシャはどんな感じ?」
ちょっとまだ悩み中なのか、はっきりとはしていない表情。でも取り出したのは淡い色のデニムシャツと黒のスキニーパンツ。なるほど……カッコいい路線で攻める気ね。
あ、シルディだ……って! めっちゃカラフルな服を持ってるんだけど!? ゆめかわ系ってやつ? それにしても攻めたわね……。もしかして仕返しの意味も込めているのかしら。声をかけるのはやめておこう……。
ヒラは……無難なフリル系のお洋服かしら? あれだけ罵声を浴びせられてもいい服を選んであげる……ヒラの優しさが出ているわね。
「みんな、そろそろ決まったかしら?」
「うん! 決まったよー!」
「オーケーだ」
「決まりました♪」
よし……じゃあアルチャルの元へ向かいましょう。というか試着室を占拠することになりそうね。まぁお客さんもいないし、いいわよね?
「じゃあアルチャル、どれが誰のかは言わないからとりあえず全部来てみて。まずはこれからよ」
「は、はい」
1番目は私の選んだ服。試着室に入ってしばらくするとカーテンが開かれ……
「どうでしょうか?」
「うんうん! 似合ってるじゃない!」
ベレー帽はどう出るか不安だったけど杞憂だったわね。超似合ってるわ!
「知的だね〜アルチャル」
「ま、いいんじゃね?」
「綺麗だと思います」
みんなからの評価も上々。
「じゃあ次はこれね」
私が持ったのはゆめかわ系の服。どこにこんなのを着ている子がいるのよ。服自体は可愛いけど。
「ど、どうですか?」
これが思いのほか似合ってる!? 攻めたゆめかわ系なのに不自然な感じがしない……。やっぱり素材がいいのね!
「やるじゃねぇか」
「可愛い〜♡ ゆめかわいいね!」
「可愛らしいですね」
シルディも予想外という顔をしているけどまんざらでもない様子。服のセンスが良いとわかって嬉しくならない女の子はいないのよ。
続いてヒラのチョイスしたフリル系の服。無難だけどどうかしら?
「ちょっと恥ずかしいです……」
ひらひらしたのが恥ずかしいのか照れながらの登場。むしろそこがポイント高いわね……。
「似合うけどな〜」
「あと一歩だね」
「そうでしたね」
最後はユーシャの選んだ服。結局あのままデニムシャツ と黒スキニーパンツにしたのね。良いと思うわ。
「どう……ですか?」
「うん! 自然な感じでいいわよ」
「どれも似合いやがるな……」
「羨ましい……かもです」
「いいね! グッド!」
アルチャル自身が美人だから結局何着てもそれなりに可愛くなるわね。
「どう? どれか1つ買ってみる? 別に無理強いはしないけど」
「そうですね……せっかくなのでどれか1つを」
アルチャルは何を選ぶかしら……勝負事になったつもりはないけど何となく勝ちたい。
「じゃあ……これで」
「「「「ええっ!?」」」」
なんと選んだのはシルディセレクトのゆめかわ系のお洋服!
「な、なんで!?」
これにはシルディ本人も驚き! そりゃそうよね、きっと仕返しの気持ちもあったでしょうし。
「だって……可愛いから。きっとリリー様かユーシャ様がお選びになられたのですよね?」
「……えっと……アタシ」
「嘘……」
変な空気になったけど……ちょっぴり氷は溶けた。そんな気がする。




