50話 正式結成
今日の座学を終え、自由時間という名のパーティ結成の時間に。4人で登録に行きましょう……と言おうと思ったら……
「ユーシャさん! 私たちとパーティ組みませんか?」
「ヒラさん! ぜひ私たちをサポートしてください!」
「シルディさんに守られたい女子です!」
みんなの周りに人だかりが……! そりゃそうよね、ランキング戦優勝パーティだもの。こうなるのは必然だわ。そしてこの状況になるのは3人だけじゃなくて……
「リリーさん、私を導いてください!」
「リリーさんについて行きたいです!」
「リリーさん、抱いてください!」
私にも当然のように人だかりができていた。……ん? 3人目は何かおかしくない?
どうしよう……3人と話す隙が無いんだけど……。
とりあえず私は一人一人丁寧にお断りして、囲いの人数を減らすことに。30分くらい謝り倒してなんとかみんなを諦めさせることができた……。
「ユーシャ! シルディ! ヒラ!」
3人も当然断っている……と思っていたら……
「えへへ〜そんなに私とパーティを組みたいの?」
「ま、まぁアタシなら守ってやれねぇことは無いけどな」
「わ、私なんかが必要なんですか? ……えへへ」
なんだか3人ともまんざらでもなさそうな……というか前向きに捉えているというか……。
「ちょ、ちょい待てーい!」
これには流石に大声を出さずにはいられなかった。
囲いの子達も3人も驚くくらいの声が出ちゃった。いやでもこれは仕方ないでしょ!
「パーティは私たちで組むんでしょ!?」
「も、もちろん! 真面目だな〜リリーは」
「もうちょっとハーレムを楽しませてくれよ」
「誰かに必要とされるのが嬉しくてつい……」
まったくもう……。気持ちは分からなくはないけどしっかりしてよね!
「さ、どいてどいて! 私たちは私たちで申請するから!」
と、3人の腕を引っ張って職員室へ行こうとしたその時、ガラッと教室の前のドアが開いた。奥にいたのは……美しい金髪のアルチャル。
「……ん? どうしたの?」
真っ先に口を開いたのはユーシャ。その言葉にアルチャルは少し肩を揺らした。緊張しているの……?
「えっと……その……こんなことを言える立場にないことはわかっています。でも……もし良かったら、私をパーティに入れてくれませんか?」
「え……」
「「「ええっ!?」」」
私もユーシャもシルディもヒラも、誰一人例外なく驚いた。そりゃそうよ! まさかアルチャルからそんな申し込みがあるだなんて……。
「ずいぶんと虫のいい話じゃねぇか。あれだけユーシャを傷つけておいてよ。それとお前……連携なんてできるのか?」
「貴女には聞いていません。私はユーシャ様に聞いているのです」
ユーシャ……様?
「んだと……!」
殴りかかろうとするシルディを私が止める。まったく……手が早いんだから。
するとアルチャルが突然跪いた! うそん! 注目浴びるからやめてほしいんだけど……。
「ユーシャ様。私をパーティに置いてはくださいませんか? 奴隷でもどんな扱いでも構いません。貴女の側にいたいです」
言葉だけなら告白とも取れるんだけど何か重い……。
「え、えっと……リリーはどう思う?」
「え! ここで私!?」
「だってリーダーだし?」
ここで私に振らないでよ! ほら……ユーシャを差し置いて私がリーダーという事実に対してアルチャルが不満顔だし……。
「そりゃ……戦力になるのは間違いないけど……連携を取れないならダメ。はっきり言っていらないわ」
「……私はユーシャ様に従います。連携だって……」
あの……リーダー私なんだけど。はぁ……仕方ないわね。
「はい! 私の目を見る!」
アルチャルの両肩を掴んで無理やり目を合わせる。びっくりしたのかアルチャルは何も言えていなかった。
「いい? 私の指示には最低限従いなさい。それがパーティに入る最低条件。もう私の奴隷でもなんでもいいから!」
そう言ってアルチャルを見つめるとポッと顔を赤くした。
「は、はい……リリー様」
……ん? 何か引っかかるけど……まぁいっか。というわけで……前途多難そうな5人パーティ、結成ね!




