26話 成長②
「フォーメーション! シルディ、ユーシャ、私、ヒラ!」
「おう!」 「うん!」 「は、はい!」
名前を呼んだ順に並び、私たちのフォーメーションを作る。今回は盾役のシルディがむやみに突撃したりしていないから一方的に不利な状況からスタートはしない。
「ふぅん。いいバランスを保てているじゃない。それと指示役の子、いい目になったわね」
アシスタントパーティの人からお褒めの言葉をもらう。でもそんなものより今は「私たちの」勝ちが欲しい!
「でも私たちは甘くはないよ! オフェンスフォーメーション!」
「「はい!」」
アシスタントパーティの3人が横並びになった!? そうか……ということは……
「シルディはシールド! ヒラはそれを援護して!」
「おっしゃあ! 『シールド!』」
「は、はい! 『ブースト』」
シルディが拡張させた盾にブーストがかかって強度も範囲も強化される。改めていいバランスが揃ったパーティね。
「へぇ……頭の回転が速いじゃない。でも……『ファイアー!』」
3人が一斉に炎の魔法で攻撃してくる。模擬戦闘だから当然威力は弱めてくれているけど……3発同時だと流石にシルディの盾にもヒビが入る。
「チッ。ヤベェぞ! 壊れる!」
「慌てない! ヒラ、私にも『ブースト』を。ユーシャはカウンターの準備!」
「は、はい! 『ブースト』」
私の力が高まる。ユーシャとアイコンタクトして……
「『シールド!』」
私も盾を出す。ちょうどシルディの盾が壊れたタイミングに間に合った。
流石の3発の魔法も2度のブーストのかかった盾を破り切ることはできずに消え去る。
「ユーシャ!」
「まっかせて! 『ウォーター!』」
ユーシャが放ったのは水の魔法。威力を弱めているから水鉄砲くらいの威力しかないけど、模擬戦だから当たればそれでOK!
「むっ! フォーメーションB」
「「ハッ!」」
すぐに相手の盾役が前に出てきてシールドを張ってしまった。
「おしい! あとちょっとだったのに!」
「カウンター狙いは悪くなかったわよ。それに……ちゃんとチームしているわね」
当然……私たちは強くなったんだから!
「シルディ。次の攻撃に備えて。ユーシャは攻勢の準備。ヒラは私たちの援護ね。私も攻撃の準備に移るわ」
守りばかりでは勝てない。守勢気味だった私も攻勢に移る。
フォーメーションは後ろから見て1-1-1-1から1-2-1に。この攻勢が吉と出るか凶と出るか。司令塔役である私の責任になるわ。でも……大好きなみんなを導くのは、悪い気分じゃない!
「行くわよ! ユーシャ」
「うん! リリーに合わせる!」
呼吸を合わせて魔法を……撃つ!
「「『ウォーター!』」」
2人で水の攻撃を仕掛ける。水鉄砲くらいの威力の魔法を放ち、アシスタントパーティへ! 盾役の人が当然前に出てくるから……
「ヒラ! お願い!」
「うん。『ブースト!』」
魔法の途中で強化を入れる。そうすれば……
「なっ!」
完全に私たちの魔法の威力に合わせた盾を張った相手のシールドだって破壊できる!
「カウンター注意! シルディ!」
「おうよ! 『シールド!』」
拡張した盾が張られた瞬間、盾に弾丸が撃ち込まれた。やっぱり、カウンターを用意していたわね。
「チッ!」
いいわよ。アシスタントパーティをついに焦らすことができている。私たちがどう見ても優勢じゃない!
「落ち着いていくわよ!」
と、意気込んだところで……
ピピッーーー!
「「「「え?」」」」
「時間で〜す。熱中していたところ悪いけど、他のパーティも控えてるから、ゴメンね」
先生が戦いに水を差してきた……まぁルールだし授業だから仕方ないけど。
「……どうでした?」
アシスタントパーティの人に問う。
「んー……まだ荒っぽいところはあるけど……合格かな」
「はい! ありがとうございます!」
「やったね! リリー!」
「ナイスな指示だったぜ!」
「う、動きやすかったです」
よし……確実に成長できてる! 私たちはもっともっと、強くなれるんだ!




