25話 成長①
「り、リリー。今日からちゃんと座学受けるためにゲームも我慢してきたからな」
朝学校に着くと、なんと先にシルディが到着していた。しかもゲームも我慢してしっかりと目は覚めているみたい。
「すごいじゃない! ありがとシルディ。そのパーティを想ってくれる気持ちが嬉しいわ」
「お、おう。パーティのためであってリリーのためじゃないんだからな!?」
「え、うん」
別にそうな風に勘違いしていないんだけど。何でそんな顔を赤くしてまで付け足してくるんだろ。
「でもシルディ本当に偉いじゃん! まったくゲームせずに学校に来るなんて!」
「いや……まぁ1時くらいまではやったんだけどな」
……結構やってるじゃないの。
「何だよその目! アタシだって完徹したかったけど我慢した結果1時だったんだぞ?」
まぁ……完全に徹夜で学校に来て座学中寝てばっかりの昨日までに比べたら全然マシ……というか大きな前進か。ここは褒めておいてあげましょ。
「まぁ……偉いわシルディ。でも寝たら意味ないからね?」
「お、おう……わかってんよ」
ちょっとだけまだ心配だけど、ちゃんと行動に移しているからあんまり疑いすぎても良くないわね。見守る形にしましょう。
「は〜い、座学の時間を始めますよ〜」
座学の先生が入ってきた! シルディは……よし、この段階では寝てないわね。
するとジロジロ見ているのに気づかれたのかシルディが訝しがる表情で……
「疑ぐり深いな……大丈夫だよ」
そう囁いてきた。……大丈夫そうね。
私の安心と心配の両方の感情をよそに座学は進んでいく。今日の内容はパーティにおける盾役の意味と重要性、及び動き方について。シルディに直接関係があることだからよく聞いていてもらわないとね。
チラと横を見たらちゃんとノートも持ってきている。スゴい成長……。
午前中4時間の座学のうち、眠たそうにしていたのは20分くらいだった。かなり進歩しているというか……もはや進化よねこれ。
「スゴいじゃないシルディ!」
ちゃんとお昼ご飯の時間に褒めてあげる。褒めるのは私だけじゃなく……
「うんうん! 頑張ってたね、シルディ!」
「す、スゴいです……! シルディさん!」
「よ、よせよ……恥ずかしいだろ」
ユーシャやヒラも素直にシルディを褒め称える。褒められることに慣れていないのか、シルディは顔を赤くして下を向いてしまった。ガサツなところが多いくせにこういうところは可愛らしいのよね。
恥ずかしさを隠すためか一気にお弁当をかき込むシルディ。実習で気持ち悪くなっても知らないわよ……?
「さぁ〜て、いよいよリベンジマッチだね!」
「ああ! 今日は絶対に勝つ!」
「ちゃんとできるかなぁ……」
「大丈夫よヒラ。私に任せて」
燃えるユーシャ、勝つ気満々のシルディ、不安なヒラ、そして……この3人をまとめる私。
≪キーンコーンカーンコーン……≫
「あっ! 予鈴鳴っちゃった!」
「急がねぇとアシスタントパーティにやられる前に先生たちにやられちまうぜ!」
「えぇ!? い、急がないと……!」
「慌てたら逆に遅れちゃうわよ!」
ああ……なかなか格好つかないわね。
お弁当をかきこんでダッシュで実習室へ。もう始まっちゃう!
「あなた達遅いわよ! 罰としてあなた達から始めてもらおうかしら」
うわぁ……つまり1番手ということね。もうアシスタントパーティの人たちは3人選んで並んでいるし。
「さぁて、昨日でどれだけ成長したか、見てあげるわよ、お嬢さん達?」
「ありがとうございます。でも……油断していたら怪我しますよ?」
そう返すと少し驚いたような顔をした。あれだけコテンパンにした相手が強気で来たからそりゃそうよね。
「では……始め!」
戦いが始まる! 今日こそは……いいところを見せるんだ!
少し下の☆から評価をいただけると嬉しいです♪




