21話 アスセナとの日常
ファミレスでのトークを終え、それぞれの帰路につくことに。ユーシャは私と同じ方向だから当然一緒に帰る。
「いやー、リリーがリーダーになってくれて良かったぁ〜!」
「なんで私そんなに信頼厚いのよ」
そんなに信頼を勝ち取った覚えはないんだけど……。
「だってリリーってリーダーって感じだもん。名前以外!」
「……名前以外?」
「だってリリーにリーダーを付けたらリリーリーダーでしょ? ちょっと言いにくい!」
「ぷっ。何それ」
中身の無い会話。だけどすっごく楽しい。父……魔王に感謝したことなんて無かったけど、この任務を与えてくれたのは初めて感謝できることかも。まぁ寝返ってるけどね。
「じゃあここでバイバイだね。リリー、また明日! おやすみ〜」
「うん。また明日ね、ユーシャ」
ぶんぶんと元気よく手を振るユーシャ。うん、何時でも可愛い!
さぁ〜てと、家に帰りますか。アスセナの頭をなでなでしないとね。
「ただいま〜」
「姫様!」
ガバッとアスセナが抱きついてきた。話は早いわね。早速なでなでさせてもらうわよ。
「あぅ! もう、姫様ったら!」
「晩ご飯のことはゴメンね。もう用意してた?」
「ギリギリしていませんでした。学校での用事でしたか?」
「えぇ。必要なことだったの」
なんとか弁明を図る。
「あ、明日は絶対帰ってくるわ!」
「もう! 絶対ですよ?」
ありゃりゃ……やっぱりちょっと怒ってたか。私とご飯食べるの、いつも楽しそうにしていたものね。
「……うりゃうりゃ」
もう一回頭を撫でちゃえ!
「ひゃ! もう……姫様!」
可愛く腕をぶんぶん回して抵抗するそぶりを見せるアスセナ。
「今日の分の報告書、書かれなくてよろしいのですか?」
「あっ、そういえばそうね。ありがとう、アスセナ」
どうでも良すぎて忘れてた……。もう寝返ってるし。なんて報告しようかしら……。テキトーでいいや。「連携について学んだ。特記なし」これでいいでしょ。
アスセナが夜ご飯の分まで構って欲しいのかうずうずしている。ん〜〜どうしよう……あっ!
「アスセナ、一緒にお風呂入りましょ?」
「え、ええっ!? そ、そんな! 恐れ多いです!」
「固いこと言わないの、ほらほら!」
アスセナが着ているメイド服のリボンをとる。
「キャ! 姫様……」
半ば強引に浴場へ連れて行く。こういうのは押しが肝心よ。
あれ……この子脱いだらすごい? まさか……私より大きいというの!?
「アスセナ……ずいぶん生意気に育ったじゃない」
「キャ! む、胸は恥ずかしいですぅ〜!」
「そう言いつつあまり身体は抵抗してないわよ?」
何この柔らかさ……! ハンパないわ!
「うぅ……お嫁に行けません」
「ずっと私に仕えればいいじゃない」
「そ、それって!」
「え、な、何よ……」
突然大声出して。びっくりするじゃない。
「い、いや……なんだかプロポーズみたいだなぁって」
「ぷっ。確かにそうね」
ユーシャにこうやって遠回しにプロポーズするのも有りか……今度暇な時に考えてみましょう。
お風呂から上がってもうあとは寝るだけ。でもちょっとアスセナとお話ししたい気分かな。布団を敷いて寝ながらアスセナとガールズトークをすることに。
「私ね、リーダーに選ばれたの」
「流石です! 姫様!」
「ふふ……みんなをまとめるのは大変だわ」
「姫様なら大丈夫ですよ! なぜなら姫様ですから!」
「ふふっ……何よそれ」
楽しいわね。ユーシャとの会話や、アスセナとの会話もそうだけど、何気ない会話がすっごく楽しいと毎日が幸せに感じられるわ。
「むにゃ……」
あら。そろそろアスセナも眠い時間かしら? 朝早くから朝ごはんの支度をしてくれているし、長く付き合わせても悪いわね。
「それじゃあおやすみアスセナ。また明日ね」
「はい。また明日なのです、姫様♡」
願わくば……こんな何気ない楽しい日々がいつまでも続きますように。




