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魔王の娘ですが勇者パーティが百合天国だったので裏切ることにしました。  作者: 三色ライト


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185/186

185話 反抗期

「なんだ……その姿は!」


 白く、黒く、点滅するように輝く私に魔王は疑問を投げかける。


「この姿は……ヒラが発案し、アルチャルが構想を練り、シルディが背中を押してくれてできた姿。そこにユーシャの力と私の力を組み合わせた、私たちパーティの集大成よ!」


 きっかけはヒラの何気ない一言だった。「ユーシャさんとリリーさんの力を合わせたらどうなるんでしょうね」というもの。そのふわっとした案を、アルチャルが考え、練習方を確立してくれた。挫折した時はシルディが熱い檄を飛ばしてくれた。そして今日、やっと完成した!


「すべては……この世界を平和にするために!」


 私は拳を握りしめ、魔王に向けた。

 ユーシャのお母さんとアルティス学園長は微笑んでいる。きっとこれも、計算通りなんでしょうね。


「ほざけ! 『ブラック・ウェーブ・シューティング』」


 魔王が繰り出す、全力の『ブラック・ウェーブ・シューティング』。まともに受けたら丸一日立てなくなるでしょうね。


「『モノクローム・ウェーブ・シューティング』」


 白黒混ざった衝撃波で対抗する。この姿の全力を尽くしてなお互角ということに衝撃を受けた。魔王の強さは私の理解のさらに上にあったのね……。


「リリー! どうする?」


 私に力をすべて渡し、地に伏しているユーシャから尋ねられる。これで倒すつもりだったけど無理だった。なら第2案を用意するしかない。


「……直接攻撃を叩き込むわ。サポートが必要だけど……」


 私のパーティはみんな力を使い果たし、疲労困憊状態だ。だから頼れるのは……


「私たちしかいないわけだね、姫」


「まぁ任せてください。道くらいは作ってあげますよ」


「……屠る。譲渡」


「頼んだわよ、みんな」


 ここまで温存していた個人組に任せることとしましょう。

 私は魔力の巡りを右腕に集中。そして一気に駆け出した。


「近寄らせると思ったか? 『ブラック・ウェーブ・シューティング』」


 黒い衝撃波が前方から押し寄せてくる。


「いきますよ、セレナさん!」


「あぁ! 合わせてくれたまえ」


「「『ヴァイスサイクロン』」」


 白い風が背にぶつかる。その勢いで『ブラック・ウェーブ・シューティング』を突破した。あとは……魔王本体のみ!


「バカめ! 『デモンズシールド』」


 魔王は私を遮るシールドを張った。でも残念……そういう盾にめっぽう強いのよ、この子は!


「屠る! 『サウザンドスラッシュ』」


 一撃にして千斬り。私たちを苦しめた剣撃が魔王の盾を襲い、バラバラに砕いた。


「なにぃ!?」


「お父さん、これが私の反抗期よ。……受け止めて! 『モノクローム・デリーボ』」


 私の拳は魔王の腹に直撃した。


「ぐぅぉお! だがまだだ! この程度で倒せると思うなぁ!」


 そんな……! この一撃でもダメだなんて!

 そう思っていた瞬間、魔王室の天井が割れ、何かが落ちて来た。


「『ディアブロ・プーニョ』でいやがります!」


 降って来たのはイビルちゃん。魔王の頭に拳をクリーンヒットさせた。


「お……のれ……」


 魔王はそう呟き、ついに倒れた。

 もちろん死んだわけではない。この程度で倒せるほど魔王は弱くないし、何より魔王の死が目的ではない。


 私たちは気絶した魔王を持ち上げ、玉座に縛りつけた。数分も経たないうちに魔王は目を覚ます。


「……負けたか」


「えぇ。私たちの勝ちよ」


「……イビルよ、なぜ攻撃した。お前は我の……」


「私はイビルでいやがります。魔王ではありません!」


 イビルちゃんは高らかに宣言した。自分を見つけたみたいね。きっとアスセナが話してくれたんだわ。


「……ふん。くだらぬ……が、我は敗者だ。人間に二度も負けた愚王だ。何も言うまい」


「……私たちの要求は2つ。人間界への侵攻を止めること。そして魔人と人間の和解」


「……わがままな娘を持ったものだ」


 魔王はそう呟き、ゆっくりと笑ってみせた。

 そして3日後、この世界から戦争はなくなった。

次回、最終回です。

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