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魔王の娘ですが勇者パーティが百合天国だったので裏切ることにしました。  作者: 三色ライト


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177話 頼れる仲間と

 私たちが駆け出して20分。ようやく元いた場所に戻ってきた。


「はぁ、はぁ……みんな!」


 私たちが駆けつけるとそこには……


「おせぇぞ、2人とも」


「ま、待ってました」


「時間稼ぎのつもりでしたが……案外倒せましたね」


 シルディとヒラとアルチャルが待ちくたびれたように座ってお茶を飲んでいた。……うそん。

 ラーヴァナはどこか確認すると魔王城の外壁にアルチャルの矢で固定させ、身動きがとれなくなっていた。


「……本当、頼れる仲間を持ったものだわ」


「ね? 大丈夫だったでしょ?」


 ユーシャが可愛くウィンクしてくる。それに思わず笑みがこぼれた。

 さぁ、これでも一応ラーヴァナの警戒はしないとね。

 ラーヴァナを睨むとラーヴァナはニヤニヤと笑っていた。負けたのが悔しくないのか……それとも若い女に磔にされたのがちょっと嬉しいのか、判断が難しいわね。


「いい仲間を持ったものじゃの、リリーよ」


「……そうね。私にはもったいないくらい、いい仲間よ」


「じゃが魔王様には到底及ばぬぞ。それはわかっておろうな?」


「…………」


 それはわかっている。この世界で魔王に対抗できる戦力なんていない。

 でも私たちはここに戦争をしに来たわけではない。私たちは平和のために来たんだ。


「大丈夫です。私たちは和平に来たんですから!」


 私の隣でユーシャが高らかに宣言してみせた。


「ほっほっほっ、妙なことを考えるものじゃ……じゃが面白い。やってみせよ」


 ラーヴァナはそう言ってサラサラと頭から砂になっていく。


「え、何!?」


「案ずるな。もうお主らには負けた。足止めする権利はないのぉ」


 その言葉を残してラーヴァナは消える。

 私たちは少し不思議な感覚を味わう。なんだかラーヴァナってスケベジジイだけど悪い人ではないのよね。

 振り返るとシルディ、ヒラ、アルチャル、そしてユーシャが私を見つめていた。そうね、ここまで来たらやることは一つ。


「行くわよ。魔王室へ!」


「「「「おー!」」」」


 魔王城の秘密の入り口から侵入して、私が魔王室へ先導する。当然、道は知っているわけだから最短ルートで迷わずいける。

 進めば進むほど、ユーシャの顔に曇りができたのがわかった。


「ユーシャ、大丈夫?」


「う、うん」


 やっぱり魔王とユーシャを会わせて大丈夫なのかしら。

 ユーシャにとって魔王はお母さんの仇。そんな相手と出会うのは複雑だろうし、私が察することもおこがましい。


 でも……ここはやっぱり乗り越えてもらわないといけない。最初にユーシャが話してくれたこと

『私は、魔王を殺したいとは思わない。だって、私が魔王を殺しちゃったら、魔王の家族が私を殺しにくるでしょ? そしたらどんどん戦いが広がっていっちゃう。まず魔王には謝ってもらう! それは絶対!その後は……和解かな。人間と悪魔、両方が仲良く暮らせる世界を作りたいの』


 この言葉を三年間、一度も忘れたことはなかった。私が決意をした言葉、ユーシャとともに同じものを目指すきっかけになった言葉。

 それを実現するために今、ここに来ているんだから。


「みんな、魔王室よ」


 禍々しい扉が目の前に悠々と立っている。相変わらず部屋から溢れてくるオーラは恐ろしく、本当は立つことすら辛い。

 これを初めて味わうみんなはどうだろうと思ったけど、みんな強いわね、しっかり立って、自分を保とうとしている。


「じゃあ……行くわよ!」


 私たちの夢のために。私は魔王室の扉を開いた。

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