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魔王の娘ですが勇者パーティが百合天国だったので裏切ることにしました。  作者: 三色ライト


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157/186

157話 告白

「どうしたの? 突然飛び出して行ったりなんかして」


「……」


 私の問いに、ユーシャは答えない。たぶん、気まずさを感じているんでしょうね。まぁ、私も感じているんだけど。


「……………ごめんね」


 ユーシャがポツリと呟いた言葉を聞き逃しはしなかった。

 本当はユーシャの方が質問したいくらいでしょうけどね。見つかるとは思っていなかっただろうに、私がすぐにユーシャを見つけたから。アルティス学園長に頼ったなんて、信じられるかしら。


「別に謝ることはないわよ。さ、帰りましょ?」


 そう私が言っても、ユーシャは動かない。


「ねぇリリー、少し座ってお話ししてもいいかな?」


「……えぇ。いいわよ」


 そんなにすんなり帰られるとは元から思っていない。だから私はわかっていたようにユーシャの隣に座る。

 ユーシャは気まずそうにしながら、口を開いてくれた。


「私ね、実はアスセナちゃんが苦手だったの」


「え、えぇ……」


 まぁそれはなんとなく知ってるというか、"実は"とつけるまでもない気がする。常に稲妻が走っていたし。


「ずっと何でかなって思ってた。そしたら最近、セレナさんとかも苦手だって思って。それで今日、イビルさんが来て気がついたんだ」


「……何に?」


「私ね、リリーを他の人に取られちゃうのが嫌だって思ってるみたい。これは嫉妬……って言うのかな」


 それを聞いた瞬間、悩んでいるユーシャには申し訳ないけど嬉しくなった。ユーシャが私を巡って嫉妬してくれている……その事実は恋する乙女である私には吉報だった。


「つまり……ユーシャは……」


「うん。言うね」


 そう言ってユーシャは私を見つめた。そして私の手を取って、強く握りしめる。


「私はリリーが好き。一緒に目標を追いかけてくれる。ずっと私を引っ張ってくれる。そんなリリーが大好き」


「ユーシャ……」


 一言でいえば、嬉しかった。それはそのはずよね。好きな人に好きと言われたんだもの。予想外で驚きも大きいけど、嬉しいわ。

 ユーシャは手を取ったまま、どんどんと顔を赤くしていく。


「あ、あのさリリー? そろそろ答えてくれると嬉しいかも。もうもたない……」


「あ、ごめん! ちょっと飛んじゃっていたわ」


 ゆでダコのようになったユーシャもそれはそれで可愛かった。

 さて、そろそろ真面目に向き合わないといけないわね。

 ユーシャは自分の心を隠すことなく、告白してくれた。だったら私も、告白しないと平等じゃない。私は息を呑み、覚悟を決めた。


「……ねぇユーシャ、少し話を聞いてもらってもいいかしら?」


「うん聞くよ。すっごい聞くよ」


 グイッと身を乗り出して、ユーシャは聞く姿勢を取ってくれた。それはありがたいけど、私に取っては少しプレッシャーになる。だって、今から話すことは……


「ユーシャ、これで私を嫌いになるかもしれない。でも、願わくば最後まで聞いて欲しい。驚くかもしれないし、怖くなるかもしれないし、もしかしたら恨みを抱くかもしれない。それでも、聞いてくれる?」


「うん、聞くよ。たとえどんなことでも、私はリリーのことを知りたい!!」


「そう……なら言うわね。私の本名はリリー・フォーデフェルト。フォーデフェルト家の令嬢ということよ」


「つまりお嬢様……っていうこと?」


「えぇ、もう少し聞いて。フォーデフェルト家はね…………魔界の者なの」


「……つまりリリーは魔族だった……ってこと?」


「うん。ずっと黙っていてごめんなさい。それに加えて伝えておくわ」


「……うん」


 心臓がバクバクとやかましく音を立てる。私はそれを無視して、言葉を紡いだ。


「私は魔王の娘なの。つまり私は…………ユーシャのお母さんの仇の娘ってことよ」


 最後まで言い切った後、私はユーシャの顔を見れなかった。

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