154話 眼鏡でイメチェン
「みなさんお疲れ様です。お昼ご飯ができましたよ〜♪」
アスセナが鼻歌混じりにお昼ご飯を持って来てくれた。今日のメニューは見なくてもわかる。匂いから察するに……ミートソースのパスタね!
「本当になんでも作れるんだね、アスセナちゃんは」
「はい♪ リリーちゃんのためならなんでも作りますよ!」
うわぁ……出たよ稲妻。どうしてこうなるのよ……。
もはや怖いと言うより飽きたと言っても過言ではない稲妻を見て私はため息を吐いた。
「いただきまーす!」
こんな時はマイペースに食べ始めてくれるようなシルディの存在がありがたいわね。空気を変えてくれるわ。
お昼ご飯を食べ終わったら勉強が再開した。その間にアスセナは何をしているか気になったからチラッと見てみるとお皿洗いをしていてくれていた。本当、全部任せっきりになっちゃっているわね。
「さぁシルディ、どんどん進めるわよ」
「うへぇ……次はなんだ?」
「数学」
「あー! つまんねぇ!」
勉強になると発狂し始めるシルディ。
それに対してヒラとユーシャは静かに勉強会を進めていた。……あれ?
「ユーシャ、それ……眼鏡!?」
ユーシャはピンク髪をピョコッと揺らして驚く。私が大声をあげたせいね。
ってそんなことはどうでもよくて、ユーシャは普段つけていない眼鏡を装着していた。
「うん。普段はコンタクトなんだけどね。ちょっと午後からは眼鏡の気分になってみました!」
そう言って誇らしげに眼鏡をクイっとするユーシャ。うん、可愛い……というかなんだろう。ただ眼鏡をかけているだけのはずなのに、なぜか胸がキュンとする。これがいわゆる……ギャップ萌えってやつなのかしら?
「シルディも眼鏡をかけたら少しは頭良くなるんじゃない?」
「うっせぇ。アタシはメガネとか似合わないんだよ」
「なら付けてみる? 貸してあげるよ」
ユーシャが眼鏡を取ってシルディに手渡す。
「えっ……いいって」
最初は抵抗していたシルディだったけど最後は推しに負けて渋々付けた。
「ほら、似合わないだろ?」
「ぷっ、本当に似合ってない」
「テメェ……」
アルチャルは似合ってないとゲラゲラ笑うけど、私としてみればそんなに似合ってないとは思わない。
「ほら、次はお前が付けろよ」
「えー? こうかな?」
アルチャルが付けたらなんか画家みたいな雰囲気を醸し出していた。
「チッ、似合うな……」
たしかにシルディよりは似合っているかも。でもユーシャの時ほどの衝撃は薄い。
「次はリリー様、どうぞ」
「私も!? まぁやってみようかしらね」
眼鏡つけるだけだし。と思って受け取ってみる。
「どう? 別に普通でしょ?」
「いや、すごくいいよ! 先生みたい!」
意外にも私の眼鏡姿は好評だった。ユーシャはいつも以上にニコニコしながら私の眼鏡姿を目に焼き付けてくる。ちょっと恥ずかしいわね……。
「ほら、みんな付けたんだし、ヒラも付けてみて」
一人だけ付けないというのも変な話だし、ヒラにも(半強制的に)付けさせてみることにした。まぁ眼鏡姿をジロジロ見られるのがなんだか恥ずかしくて、逃げられる場所を探していただけなんですけどね。
「じゃ、じゃあ付けてみます……」
そおっと眼鏡を手に取って、恐る恐る眼鏡を目へと持っていく姿に少しホッコリする。
「ど、どうでしょう?」
「可愛いわよ!」
「うん、すっごく可愛い!」
私とユーシャはキャーキャーうるさいくらいに可愛いと連呼する。ヒラの妹感に眼鏡が加わったことで秀才な妹という感じが出たわね。
こうして私たちは少しの脱線をして、また宿題に戻った。その時ドアが開いたことに、今の私は気が付いていない……。
明日の更新はお休みさせていただきます。




