152話 帰路トーク
グリフィスさんによる特別講義を終え、私たちは帰路についた。
「そうだ、シルディはちゃんと宿題はやっているの?」
「その言葉を待ってたぜ!」
「……私たちに頼る気満々だったわけね」
まったく……と叱ろうともしたけど疲れちゃったから今日はいいわ。実りある日だったけど、疲れたのは間違いないわね。
「なら明日私の家で宿題をやりましょうか。ユーシャとヒラは来れそう?」
「うん! 行けるよ! またお邪魔しても大丈夫?」
「私も行けます。わからないところもあったので助かります〜」
「こうなったらアルチャルも呼ばないとね。連絡つく子いるかしら?」
アルチャルの家ってどの辺りにあるんだろう……アルティス学園長から連絡入れて貰えばよかったかしら。
「そ、それなら私が……。家近いので」
「あらそうなの? じゃあお願いするわ。明日の……10時集合にしましょうか」
「「「はーい」」」
3人の声がこだまする。なんだか懐かしいわね、この3人で声が揃うって。
「さて、今日はお疲れ様。また明日会いましょ」
この言葉を最後に今日は別れることとした。
帰り道にユーシャと何でもない話をして、ニヤニヤしていたらいつのまにか家に着いていた。明日会えるというのに、バイバイが少しだけ切なく感じる。
「ただいま〜」
「姫様、おかえりなさいませ♪」
アスセナが最高の笑顔で出迎えてくれた。うん、かわいい!
「勇者パーティの方との訓練はどうなりそうですか?」
そうか……アスセナは今日いきなり訓練をしたんじゃなくて、説明会に参加したと思っているのよね。アスセナも勇者学校に入ったら無茶苦茶な状況にも慣れるかしら。
「それがね、今日いきなり訓練だったのよ。疲れたわ」
「うへぇ……まためちゃくちゃですね」
勇者パーティと訓練することは魔界にも伝わっているはず。どんな感じだったかは一応連絡しておかないと怪しまれるというか、普通に呼び出しくらうわよね。
私は適当にそれらしいことを書くことにした。グリフィスさんは恩師になったから気が引けるけど、ちゃんと報告しないと私が殺される……。ちゃんと書かせてもらうわよ。たぶんグリフィスさんの強さがあれば私の報告程度で命の危機に陥ることはないと思うけど……。
「あぁ、"焔剣"さんに訓練をされたんですね」
報告書をひょっこり覗き込んできたアスセナがグリフィスさんの二つ名を見て驚いた。
「知っているの?」
「はい! "焔剣"さんはベルゼブブ様と対等に戦われたそうですよ?」
ベルゼブブと……ということは本当に強いということね。
「そんな化け物に訓練を受けたのね……末恐ろしいわ」
その昔、ベルゼブブ邸でやんちゃした時に本気でキレたベルゼブブを見たことがある。その時の怖さと言ったら今でも思い出すくらいだわ。
「あ、そうだ! 明日みんなとここで夏休みの宿題をやることになったんだけど、大丈夫かしら?」
「はい! お昼ご飯作りますね」
「ありがと〜! 助かるわ」
本当に助けられてばっかりね。夏休み初日と半分で思い知ったし、今もまた再確認したわ。
◆
私はイビルでいやがります。何やら隣の部屋が騒がしい……リリーさんが帰ってきやがりましたね。
さて、今日も日課の聞き耳を立てるとするです。
『あ、そうだ! 明日みんなとここで夏休みの宿題をやることになったんだけど、大丈夫かしら?』
ほうほう、リリーさんのお仲間が来やがるですか。これは賑やかになりそうな予感がしやがりますね。
……いいことを思いつきやがりました。これは楽しくやりやがりそうですねえ。




