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魔王の娘ですが勇者パーティが百合天国だったので裏切ることにしました。  作者: 三色ライト


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151/186

151話 出校④

「もう一度、お願いします!」


 ユーシャは立ち上がってグリフィスさんに再戦を申し込んだ。時間的にはまだあるはずだけど……そう簡単に首を縦に振ってくれるかしら。


「いいだろう。根性が座っている奴は嫌いではない」


 意外にもあっさり承諾してくれた。やっぱり武人だからかしら? こういうまっすぐな姿勢は認めてくれるのね。


「もう一度、基本フォーメーション!」


「それだ。そこが問題だ」


「……へ?」


 まさか戦闘が始まる前に声をかけられるとは思っていなかった私は素っ頓狂な声をあげてしまった。恥ずかし……。


「お前たちは盾役を前に、剣、魔法、支援、遠距離を並べているが……それでいいのか?」


「どういうことだよ。これが1番強えだろうが!」


 シルディの反論に、グリフィスさんは鼻で笑う。


「どうした? 盾役のお前がフォーメーションを変えられ、活躍できる場を失うのが怖いのか?」


「うっ……そ、それは……」


 たしかに、このフォーメーションをいじったらシルディの役割はかなり希釈される。だからこのフォーメーションを変えるわけには……


「お前たちは仲良しこよしで戦いを進めようとしている。勝つためにはそれでは問題があると、指導してやろう」


 そう言ってグリフィスさんは私たちの視界から姿を消した。そして……


「こうして、お前たちは背後を取られ敗北する」


「なっ!?」


 グリフィスさんはいつのまにか私たちの背後をとり、ヒラの首に手を回して柔らか素材の剣を押し付けていた。


「お前……シルディと言ったか」


「な、なんだよ……」


「お前は後方に回れ。そしてパーティの背中を守る役割を担うんだ」


「アタシが……後方……」


 考えてもいなかったようなことを言われ、混乱するシルディ。突然そんなこと言われたら私だって混乱するわよ。

 ここは私が質問するしかなさそうね。


「ということはユーシャを最前線に置くということですか?」


「そういうことだ。ユーシャならば最低限の防御もできるだろう?」


「は、はい……」


「そしてシルディが後方に回ることによって、安定感は増す。ランキング戦でどうであったかなど知らんが、パーティの隙や後ろに入られ、あわや敗北という瞬間はなかったか?」


 ある……。セレナに一瞬で距離を詰められ、パーティを内部から破壊された。固いシルディが後方に回ることで、それを防ぐことができるってわけね。


「で、でもカウンターの戦術が……」


 ヒラの言う通り、私たちの得意とするカウンター戦術は効かなくなる。


「なぜお前たちはカウンターにこだわる。自分たちから攻めるという考えはないのか?」


 そう言い残して、グリフィスさんは私たちから距離をとった。私たちはグリフィスさんの言葉に従ってフォーメーションを変えることにした。ユーシャ、私、ヒラ、シルディの並び。

 そして自分たちから攻める……となると……


「突っ込むわよ! ユーシャ!」


「う、うん!」


 グリフィスさんに向けて猛ダッシュ! 当然のようにグリフィスさんは消え、私たちの後ろに現れた。


「『シールド!』」


 でもそれにはシルディが対応してくれた。そこで生まれた隙を……私が突く!


「『バーニング!』」


 グリフィスさんに放った炎は寝返るようにグリフィスさんに吸収された。


「ええっ!?」


 攻撃が……通じないの?


「まぁ最後はともかく、私の攻撃を防げた点では評価しよう。どうだ? 少しは新しい道が見えたのではないか?」


「確かに……アタシたちじゃ気がつけていなかったかも」


「これなら隙を突かれる心配もないし、受け身の戦い方じゃなくてもいい……」


 夏休みにして、私たちはまた一歩前進した。帰ったらアルチャルに報告しないといけないわね。

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