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魔王の娘ですが勇者パーティが百合天国だったので裏切ることにしました。  作者: 三色ライト


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140/186

140話 決勝戦④

 私と対峙しているメランちゃんは、すごい剣幕で私を見つめてくる。……正直ちょっと怖いかも。

 後ろにはヒラちゃんがいつでもサポートに入ってくれるし、瓦礫の上ではシルディとアルチャルの2人も待ち構えてくれている。リリーはきっとビエントちゃんやセレナさんと向き合っているのかな。やっぱり心強いリーダーだな。私も……負けていられない!


「勝つのは私だよ、メランちゃん!」


「……屠る」


 ……この子と会話を成立させるのは難しそうだね。なら剣で語るしかない!

 私は剣を力強く握り、メランちゃんに切先を向けた。


「……行くよ!」


 地面を思いっきり蹴って加速。セレナさんほどではないけど、かなりの高速で移動できた。メランちゃんの間合いには入っちゃったけど、背に腹はかえられない。多少のリスクは覚悟の上だよ!


「やあっ!」


 メランちゃんに向けて剣を振り上げる。抵抗はない。これで勝てる!

 そう思った瞬間、足に鋭い痛みが走り、グラっと視界が歪んだ。何が起きたのかさっぱりわからない。でも、確実に言えるのは私は今、地に伏しているということ。


「……お前は剣を振るとき、足元が疎かになる」


 メランちゃんがそう呟き、双剣の片方の切先を下に向けた。まずいと本能的に察する。このまま剣が重力に従えば私は負ける。

 えいっ! と力を込めて体を捻った。なんとか迫り来る剣から避けることができたけど、根本の問題、どうして気付かぬうちに地に伏していたかが解決していない……。足元が疎かになる……私の弱点ってことだよね。


「なんで私の弱点を知っているの……」


 足元が疎かになるなんて初めて言われたし、自覚もなかった。それを一瞬で見抜いたってこと?


「……私は体育祭に参加していなかった」


 メランちゃんはゆっくりと語りだす。確かに体育祭では見てないかも。普通こんなに強かったら水風船チャンバラで嫌でも目につくもんね。


「それは……このランキング戦のため、学年全員の戦う時の動きの癖を見極めるためだ」


「……まさか、みんなの弱点全部が頭に入っているの!?」


 そう聞くとニヤッとしたメランちゃん。肯定の意思だよね……。

 そうだとしたら……私とは五分五分じゃなくなった。戦いにおいて情報は結果を左右する大きなものになるしね。それを完全に握られている私と、まったく知られていないメランちゃん。この優劣は言うまでもないよね。


 私はメランちゃんを警戒しながらゆっくりと立ち上がってどうしようと考える。

 このままじゃダメだよね……どう考えてもメランちゃんに分があるや。


「……屠る」


 瓦礫の地面を蹴ってメランちゃんが飛び出した。私に直接向かってくるのではなく、トリッキーにあっちに行ったり向こうに行ったりする。壁を蹴ったり、電柱を蹴ったりと目が忙しい。


「はあっ!」


 ダメ元でアルチャルが矢を射ったけどかすりもしなかった。そうだよね……あの速度でトリッキーに動かれたらどうしようもないよね。

 やっぱり私が切るしかない。


「ヒラちゃん、強化をお願い」


「は、はい。『ブースト』」


 ヒラちゃんの強化のおかげでさっきよりメランちゃんを追いやすくなった。でも、やっぱり捉え切るのは難しい。

 崩壊した屋根を蹴って、メランちゃんがこっちに向かってきた。


「うっ!」


 なんとか一本は剣で向け止められたけど、もう片方の剣が自由になってる。ここは……


「『勇者流剣術:双路の劔』」


 私は2本目の剣を剣術で召喚。なんとか打ち消すことができたけど、このままでは勝ち切ることはできない。


「どうしよう……リリー」


 私は力無く呟くことしかできなかった。

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