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魔王の娘ですが勇者パーティが百合天国だったので裏切ることにしました。  作者: 三色ライト


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135/186

135話 合間にファミレス

「というわけでまずいわよ!」


 場所、いつものファミレス。時、放課後。

 私たちは第2回戦での敗退スレスレのピンチを考慮し、みんなで集まって会議をすることになった。


「悪いな……私たち、一瞬で斬られちまった」

「ごめんなさいです……」


 申し訳なさそうにうつむくシルディとヒラ。昔だったらここでアルチャルがキツいことを言っていたかもしれない。でも今のアルチャルは2人を優しく見つめていた。成長したわね。


「2人は悪くないわ。セレナの力を見誤っていた私の責任よ」


 実際、セレナがあそこまで強いとは思っていなかった。その日の体調に左右されるのかもしれないけど、優勝するんじゃないかと思うほど強い。

 身体強化に遠距離攻撃・防御にも応用できる衝撃波。ユーシャに負けない剣術。どれをとっても一級品だった。


「決勝は私たちと、セレナ、ビエント、それからメランっていう黒髪短髪の双剣使いね」


 まさかまさかの私たち以外全員1人パーティ。数で考えたら私たちが圧勝できると考えられるけど、実際はそうじゃない。この子たちは1人だろうと戦況を有利に持っていく力がある。


「私、そろそろセイクリッド系魔法を使っちゃダメなのかな……」


 ユーシャがポツリと呟いた。たしかにユーシャのセイクリッド系魔法さえあれば局面を打開できる力がある。

 でも、学校としてはまだ認められないのでしょうね。あれは何度も見たからこそわかるけど、学生の力の域を超えている。ランキング戦なんかで使ったら完全なバランスブレイカーになってしまうわ。


「いつかは使ってもいいことになるとは思うわ。その時まで待ちましょう。今はこの3人を倒すことに集中しないと」


 そんなことをユーシャに話していると、アルチャルがゆっくりと手を挙げた。


「おひとつよろしいでしょうか、リリー様」


「う、うん。どうぞ」


 畏まった言い方だからむしろこっちの方が気を遣ってしまう。その敬語、そろそろ何とかならないのかしら。ってずっと思い続けて今日に至っているのよね。たぶんもう治らないんだろうなぁ……。


「ありがとうございます。その……ビエントとは極力戦わないように動きませんか?」


「……どうして?」


 アルチャルの提案に、みんなが首を傾げる。どうしてビエントだけ特別扱いをするのかしら。


「おそらく決勝に残った全員、力は同じくらいでしょう。しかし、ビエントはそこにさらに狡猾さを持っています。当たりたくないというのが正直なところです」


「ふむ……」


 言われてみればたしかにそうね。ビエントは私たちを倒すためなら色々な手段を使ってきそう。体育祭での恨みも少なからずあるでしょうしね。

 ビエントについて考えるのなら、彼女のデータがもう少し欲しいわね。


「前回のランキング戦、ビエントはどう戦っていたの?」


「人と組むのが苦手なので、終始棒立ちでした。どうでもいいという雰囲気すら感じましたよ」


 有益な情報はなし……ね。

 私たちはアルチャルの話に納得しかけていたけど、ユーシャは口元に手を当てて考え込んでいた。


「えっと……私は反対かな。誰と戦ってもいいようにしようよ」


 ユーシャは逆に、誰とでも戦うという意思を見せた。アルチャルもユーシャがそう言うのなら……と簡単に引き下がる。


「なら、誰と戦ってもいいように話し合う。これでいいかしら?」


 シルディもヒラもユーシャもアルチャルも、みんな納得した表情だった。アルチャルは簡単に考えを変えられるのはすごいわね。


「なら…………………」


 基本方針が決まったところで、私たちの会議は深まっていく。

 当然アスセナには夜ご飯はファミレスで食べるって連絡したけど、また突然やっちゃったから謝らないといけないわね。

 これはまたどこかでアスセナといい時間を過ごすことになりそうね。夏休み中のどこかで……。

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