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魔王の娘ですが勇者パーティが百合天国だったので裏切ることにしました。  作者: 三色ライト


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134話 第二回戦③

「フォーメーション変更。私、ユーシャ、ヒラ、アルチャル」


 私の苦しい指示に従ってみんなが動いてくれる。みんな私を信じてくれている。ならここで失敗するわけにはいかない。絶対に期待に応えないと!


「いい目になったね。姫たちは強いからそうだな……」


 悩むそぶりを見せて、セレナは再び銀色の剣を握る。

 セレナの恐ろしいところは『ヴァイス』という魔法で撃ってくる衝撃波と、その魔法で副次的に得られる身体強化。シルディは後者でやられたわね。


「こうしようか!」


 白く輝く光が通ったと思った。その時にはもう遅い。ユーシャとヒラの間にセレナは現れ、ユーシャの剣が届く前にヒラを切り裂いた。


「よっと。これで残り3人」


「くっ……!」


 集中しているつもりでも、どこかしらで隙が生まれる。その隙をセレナは確実に突いてくる。今も防ごうと思えば防げる攻撃ではあったのに、結果としてヒラを失ってしまった。


「支援役もダウン。次は誰にしようかな?」


 セレナは剣を得意げに振り、次の狙いを定めている。そんなそぶりを見せながら、私たちに生まれたほんの少しの隙に乗じて誰かを切るつもりでしょうね。

 焦る私と、ノリノリなセレナ。向かい合っているのに対極的な反応だった。


「ユーシャ……前に出てもらってもいいかしら?」


「うん。任せて」


 2人を失ってもなお、私を信じてくれるユーシャ。シルディとヒラのためにも、負けられない!


「ユーシャ、合図したら突っ込んで。いける?」


 ユーシャにしか聞こえないくらいの小声でボソッと呟く。


「うん。やってみるよ」


 ユーシャもまた、私にしか聞こえないくらいの声で返してくれた。

 私はそっと、肩の力を抜く。


「今よ!」


 その次の瞬間、お腹に力を入れて叫んだ。


 キンッッ! と甲高い音が響く。予想通り、私が肩の力を抜くと同時に突っ込んできたセレナに対し、ユーシャを突撃させた。これで鍔迫り合いからスタートよ。


「アルチャル!」


「はい。せやっ!」


 アルチャルがセレナに向かって矢を射る。下手に動けないセレナに直撃するだろうと思った矢は、まるでセレナを避けるかのように逸れていった。


「な、なぜ……」


 驚愕するアルチャル。おそらくだけど『ヴァイス』の衝撃波で矢を逸らしたのでしょうけど、よくこんな瞬時の反応でそんな芸当ができるわね、と素直に感心する。


「『勇者流剣術:双路の劔』」


 ユーシャの剣術がセレナに襲いかかる。それすらも剣筋が逸れていった。


「どうだい姫、攻防完璧だろう?」


「そうね。末恐ろしいわ」


 これで体が弱くなくて、前回のランキング戦にもいたらと考えると、案外私たちはディフェンディングチャンピオンってわけでもないなと思うわね。


「剣術も、君より優れているところを見せるよ」


「なっ!」


 ユーシャが驚愕の声を漏らす。セレナが剣でも優勢に立ったから。


「お姫様を守るために、つけた力さ」


 セレナはニッと笑い。ユーシャの剣を吹き飛ばした。


「くっ……! 私は負けない!」


 剣を失っても、諦めないユーシャ。

 ユーシャが動く前に、私が先に動く。勝ちを確信したセレナには確実に隙が生まれていた。そこを突かない手はない。


「『バーニング……』」


 炎の魔法を撃ったと思った瞬間、意識が現実に戻された。まさか切られたと思ったけど、そうではなく屋根上で戦っていたパーティが相打ちで終わったみたい。つまり、私たちはどのパーティにトドメを刺すことなく勝ったってことね。

 ヘルメットを外し、セレナの方を見る。


「……決勝で決着をつけましょう。明日はこうはいかないわよ」


「……楽しみにしているよ、姫」


 そう言ってセレナは仮想戦闘空間室から出ていく。今日の私たちは……はっきり言って完敗だった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] リリー周りの関係性はすごい好きです。 [気になる点] 病弱なセレナはともかく、ビエントやメルティ・ニアンに関しては自分たちだけで他を圧倒できる力があるのに前回のランキング戦では何をしていた…
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