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魔王の娘ですが勇者パーティが百合天国だったので裏切ることにしました。  作者: 三色ライト


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133/186

133話 第二回戦②

 残ったパーティは私たちを含めて5つ。セレナは鉄塔から落ちてそれっきり。もしかしたらダメージを負って迂闊に動けないと考えているのかもしれないし、そう思わせておいて逆をついてくるかもしれない。

 セレナは頭がいいからどう動いてくるかわからないのが厄介な点ね。


 住宅街の家の屋根に乗った4パーティは完全に膠着状態に陥った。睨み合いの時間が続く。

 私としても、どうやって動けばいいか迷っていた。で、こんな時に場を掻き乱すのが……


「あぁ! もう我慢ならねぇ。『ファイア』」


 ……当然のようにシルディだった。短気は損気とも言うけれどまさにだったわね。


「『シールド』」


 当然のようにしっかり守られてしまう。しかも全パーティから注目を集めてしまった。これは一斉攻撃が来るかもしれない。


「アルチャル! 煙をお願い」


「はい。『スモーク』」


 ボン! と小さな爆発音が響く。灰色の煙が私たちを隠し、相手からの視認を阻害してくれた。

 その隙に私はみんなに手で指示を出す。内容は下に降りること。

 上からの攻撃は一見有利に見えて、実際上がってみると屋根の構造的に下を見渡すのは案外難しい。だからこうやって移動するなら下から行くのがベストと判断したわ。


 期待通り屋根上では3パーティが勝手に戦い始めてくれた。これなら時間の経過を待っていれば勝手に勝ち上がれるんじゃないかしらと不健全な期待を持つ。だからバチが当たったのか……


「む? 姫」


「せ、セレナ!」


 屋根下を伝ってこっそりとした移動中にセレナと遭遇してしまった。鉄塔からのダイブをどうやって生き残ったのかはわからないけど、無傷みたいね……なんて子なの。


「ここで出会ってしまったのなら仕方ない。戦おうか、姫」


「ねぇリリー、あの人なんでリリーのことを姫って呼んでるの?」


「え? それは……色々あったの」


「ふーん色々。ふーん色々」


 なんで2回言うのかしら。アスセナもユーシャも私のことになると。


「さぁ、どこからでもかかってきなよ」


 セレナは銀色に輝く剣を抜いた。市販されているものよね。なんでここにきて剣なんて抜いたのかしら。


「基本フォーメーション!」


 いつも通りの並びになってセレナと向き合う。実力者なのは間違いないけど、相手は1人。5人の私たちならいけるわ。


「君たちのことは分析したよ。攻撃を受け、盾役の子が機能してからのカウンター。実に見事だ。でも……」


 セレナの体が白く輝き始めた。力を込めてきた証拠ね。


「そこを突破したら、どうなるのかな?」


「なっ!?」


 先頭のシルディを抜き去り、2番目にいるユーシャのところまで一瞬で詰めてきたセレナ。こんなことは初めてだから混乱が走る。

 アルチャルに攻撃をしてもらう……そうするとユーシャやシルディを巻き込む可能性がある。

 私が攻撃する……これも2人を巻き込む魔法か、威力が弱い魔法になる。

 となると残された選択肢は……


「ユーシャ!」


「うん!」


 流石の反応速度でセレナの剣を受け止めたユーシャ。勝つのは難しいと判断したのか潔くセレナは一歩身を引いた。……そのままシルディを切り裂きながら。


「シルディ!」


 一刀両断されたシルディはHPが尽きて消えてしまった。私たちの中でははじめての離脱。これも混乱とは言わないまでも心にダメージを負った。


「これでお得意のカウンターは弱まったね。姫も盾は張れるみたいだけど、そうしたらカウンター要員が減るもんね? どう? 当たっているかな?」


「……100点よ」


 私たちのパーティはいつもシルディを起点としていた。そこを消された今、どう戦うか新しい戦術を練らないといけなくなった。

 つまり私たちは今……大ピンチを迎えている、ということね。

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