131話 圧倒する2人
そして次の日……ランキング戦、準決勝の日がやってきた。
私たちが相手するパーティは、知っているところだとクラスメイトの3人パーティと、なんといってもセレナね。決勝に上がれるのは6パーティ中2パーティだから、無理してセレナと戦う必要はないけど。
「ん〜! 今日も頑張ろうね、リリー!」
「う、うん……」
昨日セレナと会ってから何かと怖いユーシャ。特にあの白い子には負けないよーとか言っているし。謎のライバル意識ね……。
私たちは後半のブロックだからまず第一試合を見ることになった。このブロックの注目はビエント。それからメルティ・ニアンを倒した謎の黒髪短髪少女ね。
試合が始まってからは当然のように一方的な展開が繰り広げられた。ビエントはビエントで無双し、黒髪短髪少女の方も双剣を駆使した素早い動きで5人パーティをものの数秒で倒し切った。
その様を見ているとなんだかふつふつと湧いてくるものがある。たぶん……私の中の魔王の血筋が暴れているのよね。負けたくない、勝ちたいって血が叫んでいるんだわ。
「すげぇな」
「語彙力皆無なの?」
「うっせ……」
シルディとアルチャルは横並びになって観戦していた。なんだかカップルみたい……。やっぱり女の子×女の子は良い!
「す、すごいですねあの人……」
ヒラの言うあの人とは黒髪短髪少女のことだろう。素早い動きで数的不利を覆す様は見事としか言いようがなかった。
私たちも彼女の間合いに迂闊に入り込んだらやられるかもしらない。現に5人パーティを瞬殺しているし。
「リリー、私の剣術じゃあの子に勝てないかも」
「……そう。でも大丈夫よ、私たちはパーティで勝ちに行くんだから!」
今のところ優勢なのはビエントと黒髪短髪少女。そして後半ブロックでは私たちとセレナかしら?
もしかしたら1人パーティ3つとの決勝戦になるかもしれない。幸いなことに群れるのを嫌うビエントだから、手を組んで集中狙いされることがないのは安心材料ね。
そんなことを考えている間に決着がついた。1回戦を勝ち上がってきたパーティをたった1人で倒しちゃうなんて……恐ろしいわね。
最後に立っていたのはもちろん、ビエントと黒髪短髪の少女だった。ビエントは自信満々に、当然と言ったような表情で立っていた。対して黒髪短髪の子はまるで表情を動かさない。共に立っているビエントを気にもしないような態度でただただ立っていた。
「……何者なのかしら、あの子」
「あの子はメランだにゃん」
「私たちのクラスメイトだよー?」
……いつのまにか観戦室の隣にいたニアンとメルティが私の疑問に答えてくれた。いつからいたのかしら。気がつかなかったわね。この子達……特にニアンの方はキャラが濃いのに。
「あ、ありがとう。メランっていうのね」
「うんうん。でもあんなに強いだなんて思わなかったなー」
「完全に油断だにゃん! メランはいつもやる気ないのに今回のランキング戦だけ本気になってるにゃん!」
おっとりと、負けたことを気にしていなさそうなメルティと憤りをあらわにしているニアン。対極にいるけどよくパーティ組んでるわね。
「あなた達が負けるなんて思ってもいなかったわ。決勝で会うとばかり思っていたもの」
「にゃー達もそのつもりだったにゃー」
「残念。またの機会にだねー」
そう言い残してメルティとニアンはどこかへ行ってしまった。何を伝えたかったのかしら。もしかして……私たちに黒髪短髪の少女……メランを、倒して欲しいのかしら? 名前しか情報をくれなかったけど。
「……まだまだ茨の道は変わらずね」
私は肩を落とす。その直後に第二回戦のための召集が始まった。




