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魔王の娘ですが勇者パーティが百合天国だったので裏切ることにしました。  作者: 三色ライト


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111話 体育祭⑥

「私たちを同じ人数で相手するの〜?」


「それは無謀ってやつだにゃん」


 メルティとニアンが私の作戦に苦言を呈す。相手から苦言を言われるというのはなんとも不思議な感覚ね。


「お、おいリリー! 私なんかでいいのか?」


「えぇ。守りが固いシルディだからこそ、あの2人の猛攻にも耐えられるはずよ」


 とはいえ……メルティ・ニアンに勝てる要素があるかと言われたら「わからない」と答えるほかない。だって剣の腕前とか、知らないし。わかっているのは侮れない相手ということだけ。


「じゃあ……」


「いくにゃー!」


 まず青髪のメルティが突進してくる。その後ろにぴったりと付くように赤髪のニアンが追撃を狙っているわね。


「シルディ、青髪の方は任せたわよ!」


「おう! 『シールド』」


 シルディは物体からも盾を出すことができる。そのおかげでメルティ・ニアンの進路を塞ぐことができた。

 そっちに気を取られているうちに私は回り込む! 後ろがガラ空きよ!


「にゃ! 『猫流剣術:にゃんにゃん斬り』」


「えっ!?」


 剣筋が読めない!? というか……無茶苦茶に振り回しているだけに見えるんだけど……。

 でも剣術持ちだったか。甘く見てたわね……そんな繊細なもの、持っているタイプには見えなかったのに。


「ならこっちは……『サイクロン』」


 風の中級魔法を使って妨害よ! これなら剣も動かしにくいでしょう?


「にゃにゃ! そういう悪い子には……こうにゃ! 『猫流剣術:にゃんこクロー』」


「なっ!」


 猫がひっかく時の爪のように、剣が何本にもなり襲いかかってきた!

 本当、この子は私の想像外にいる子だわ! 風なんてまったく気にならないと言わんばかりの攻撃に私の方が怯んでしまう。

 気をしっかり持つのよ、私!


「やあっ!」


 剣術に自信はないけど、真っ向から勝負! これは命をかけた真剣での争いではないし、体に当たっても害はないから思い切った行動ができる。極論だけどお尻さえ守っていればいいわけだしね。


「かかったにゃん♪」


「なっ!?」


 謎の跳躍を見せたニアン。私の後ろに回り込んで剣を突き立ててくる。まずい!


「これで終わりにゃー!」


 パァンッ! と水風船が破れた音がした。


「……にゃ?」


 破れた水風船は……ニアンのもの。私の水風船はあと一歩のところで無事だったわ。


「ありがとうアルチャル。ナイスタイミングよ」


「いえ。これくらい当然です」


 そう、アルチャルが弓で柔らか素材の剣を射ってニアンの水風船を破ったということ。こんなに上手くいくとは思わなかったけど、これはアルチャルの腕前のおかげね。


「さぁ、あとはあなたよ? メルティ」


「う、う〜ん……まさかこうなるとはなぁ〜」


 ニアンが敗退したというのにポワポワしたままのメルティ。余裕の表れ? それともただこんな人であるというだけ? ……わかりにくいわね。


「おとなしく負けてくれると嬉しいけど?」


「う〜ん、そういうわけにもいかないよね〜? 私もにゃーも、誰の水風船も破らずにこっちに来たわけだからさ〜」


 やっぱり一目散にこっちに来たのね。


「だ・か・ら〜、1人くらい破らないとね〜、えいっ!」


「ちょ!?」


 メルティは突然ダッシュを始めた。最初は逃げたのかと思ったけど違う。狙いを定めたんだ! その狙いは……アルチャル!


「剣を捨てたあなたなら倒せるよね〜」


「くっ……」


 近距離に詰められたアルチャルはかなり不利だ。私もシルディも初動が遅れたせいでメルティに対応できていない。


「えーい!」


 パァン! とアルチャルの水風船が破れた。その直後にシルディが追いついて隙だらけのメルティの水風船を斬れたけど……こっちも一人失ってしまった。


「じゃ〜ね〜。この続きは、ランキング戦でね♡」


「……はぁ、なんだかよくわからない子ね、両方とも」

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