11話 実習後半①
「姫様ー! 起きてくださいませ〜」
「ん……朝ぁ?」
もう朝か……全然寝た気がしない。24時間のうち睡眠時間が約7時間ってどうかしてる。半分は寝させて欲しいわ。
「おはよう、アスセナ」
さてと……今日も実習の日だったっけ。確か遠距離魔法と支援魔法の座学を午前中にやって、それから午後に実習だったかな。
朝ごはんを食べて颯爽と登校! 今日が終われば週末だからね。少し張り切った気分になれるわ!
そして今日からユーシャと待ち合わせ! 昨日出会ったこの曲がり角でね。
「おはよー、リリー。待った?」
「ううん。今来たところ」
デートのお決まりの言葉みたいね。まぁ本当に今来たところなんだけど。
「今日も楽しみだね〜。あ、そうだ! 明日お休みだからさ、みんなでどこか行こうよ! 親睦を深める意味も込めてさ!」
「いいわね、それ! どこか楽しい場所あるの?」
「うん! えっとね……うん、今は内緒! 明日のお楽しみにして、今日頑張ろ?」
何よもう……いちいち可愛いわね。
「わかったわ。楽しみにしておく。良いモチベーションになりそう」
「それなら良かった!」
どこまでも真っ直ぐな子ね。そんなところがまたきゅんとする……。恋ってこういうことだったのね!
「リリー? どうしたの? 顔赤いよ? はっ! もしかして風邪!?」
「そ、そんな! 大丈夫よ。心配しないで」
風邪よりユーシャのせいで顔が赤くなるんだけど……。
「う〜ん、心配。それと今さらだけどさ、リリーって綺麗だよね」
「へ、へっ!? そうかな……」
まぁ自信は無くはない。というかぶっちゃけあるけど。
「うん! その長い黒髪も、顔立ちもすっごく綺麗! 羨ましいなぁ〜。私、ちんちくりんだし」
「ゆ、ユーシャだって、その桃色ツーサイドアップの髪型とか、顔立ちとか、可愛いと思うわよ」
「本当!? 綺麗なリリーから褒められると嬉しいなぁ♪」
そんな感じで登校してようやく学校に着いた。ここまで来るのに何回キュンキュンしたことだろう……。
「おっはよー!」
ユーシャはいつのまにかクラスメイトとも仲良くなっていたようでたくさんの子達に挨拶をして回っている。私はそんなコミュニケーション能力はないからそのまま自席に向かうけど。
「……おはよ」
「お、おはようございます!」
「おはよう。シルディ、ヒラ」
そして見事に集まるコミュニケーション能力の低い3人組。本当にユーシャがいなかったらこのパーティどうなってたのかしら……。想像するだけで恐ろしわ。
「いやー、みんな元気元気!」
「ユーシャが一番元気じゃねぇか」
「あはっ☆ そうかも!」
腕を伸ばして元気元気とアピールする。そんなところも可愛い……って、先生来ちゃった。
「はい。授業を始めます。こら! シルディさん私を見た瞬間寝ないでください!」
先生に聞こえないくらいの音で舌打ちするシルディ。まったく、不真面目なんだから……。
私にとっては簡単な座学を終え、お昼ご飯をみんなで食べたら実習の時間。
「さぁまずは支援魔法からです。パーティ内で2人組を作って魔法をかけてください」
私はヒラと。ユーシャはシルディと組むことに。今のところの順位では1位ユーシャ 2位私 3位シルディ 4位ヒラだからまぁ順当にバラけたという感じね。
「じゃあヒラ、堂々とやっちゃいなさい」
「うん! そのつもりだよ!」
「……へ?」
「『リカバリー!!』」
こ、これは! かなり強力な回復力を持っている!
「すごいじゃないヒラ! こんな特技を持っていたのね!」
「えへへ……私、みんなの役に立ちたくて支援魔法は頑張ってきたんだ」
すごい……案外バランスのいいパーティかもしれないわね。
「うわっ! クソ……ダメか」
性格的にも合いそうにない上に座学もサボっていたシルディは悪戦苦闘。まぁそりゃそうよね。さて……ユーシャは……
「『セイクリッドリカバリー!』」
あたり一帯を包むほどの回復陣! 何これすご!?
「えへへ〜ブイ!」
人外技を披露したユーシャは……いつも通りのドヤ顔だった。




