103話 体育祭が始まる
さぁ、今日は体育祭よ! ……って意気込んで来たんだけど、教室には何やら見慣れぬボードが置いてあった。
「何だろね、あれ」
「……さぁ?」
「ちょっと見てくるー!」
ユーシャは興味津々なようでスキップしながらボードを見に行った。元気ね。これから体育祭だっていうのに。
「あー! リリー! パーティにポイントが入ったらしいよ!」
「本当? ……あぁ、テストね」
テストでもパーティポイントが入るって言ってたわよね。私は学年1位だったわけだから当然ポイントが入るでしょう。
「えっ〜と、私たちのパーティは……」
≪リリー5pt。ユーシャ1pt、アルチャル1pt。計パーティポイント7pt≫
ボードにはそう記されていた。他のパーティの情報もずらりと並んでいる。私と同じ5ptを取った生徒も載ってるわね。
どういう基準で決まっているのかはわからないけど、私とユーシャとアルチャルの順位まではポイントが入るようね。1位が5ポイントっていうのは、結構景気のいい話じゃない?
「おっす〜……ん? なんだこのボード」
「お知らせ……ですか?」
登校してきたシルディとヒラも真っ先にボードに興味を向けた。
シルディとヒラはポイントを得ることができなかったところを見るに、どうやら成績上位者のみにポイントが入るようね。
「なるほど〜、テストのポイントか。アタシには縁のない話だ」
「わ、私もお力になれそうにないです……」
自虐して笑うシルディと、萎んでしまったヒラ。う〜ん、確かに2人がテストでポイントを得るのは難しいかも。
「2人とも元気を出して! 今からの体育祭でポイントをがっぽり稼いじゃえばいいんだよ!」
「ユーシャ……」
「ユーシャさん……」
ユーシャの前向きな発言でシルディもヒラも元気になったみたい。こういう時にユーシャは本当に心強いわね。私もそれに乗っかろう。
「そうよ、むしろ体育祭が本番なんだから! ランキング戦同様、私たちが優勝をいただくわよ!」
「「「おー!!!」」」
よし、みんなの元気も上々。体育祭に向けていい感じに士気は仕上がってきたんじゃないかしら?
「みなさ〜ん、グラウンドに集合してくださ〜い」
「「「「はーい」」」」
よし、いよいよ始まるわね。体育祭が! 5種目全部で1位を取りたいけど……現実的に考えて不可能よね、目指せ3種目で1位!
グラウンドにはすでに大勢の生徒たちが集合していた。みんなライバル。中には私たちでは思いつきもしなかった作戦を実行してくるパーティもあるでしょう。
「それでは開会式を始めます。まずは学園長のアルティス先生からお言葉をいただきます」
アルティス学園長……! いたのね、気配を消していたのか、まったく気がつけなかったわ。
「おはようございます、皆さん。今日は雲ひとつない快晴の下、のびのびと体育祭を開催できることを喜ばしく思います。是非みなさんのチームワークを存分に発揮し、パーティポイントの獲得に向けて頑張ってくださいね。以上です」
挨拶の最後、ちょっとだけ視線を私に向けてきたような気がした。たぶん気がするだけじゃなくて、本当に向けてきていたんだと思う。少しニヤッとしていたのも見逃す私ではない。
「それではみなさん、白線に沿って並んでください。今から体育祭を開催します!」
ついに始まるのね、この時が! ユーシャも、シルディも、ヒラも、アルチャルもいい表情をしている。特別実習ほどの心配はいらなさそうね。さぁ、この体育祭、絶対に成功してやるわよ!




