表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王の娘ですが勇者パーティが百合天国だったので裏切ることにしました。  作者: 三色ライト


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

101/186

101話 おやすみなさい

 週末……泥のように寝ています。リリー・コーデフェフルトです。


「姫様……大丈夫ですか?」


「う……うん……まぁ大丈夫……って言いたい」


「姫様ー!」


 体育祭の種目とその攻略法、それからテスト勉強までして心身ともに疲弊しきっている。アスセナに迷惑や心配をかけたくはないけど、こうなっちゃったのは仕方ない。普通に限界だったわね。


「アスセナに看取られるのなら本望よ……」


「縁起でもないことを言わないでください!」


 アスセナがぎゅっと手を握ってくれた。これだけでなんだか安心するわね。


「でも驚いたわ。勇者学校がこんなに疲れるところだっただなんて。もっと余裕で情報を抜き取っていけるものだと思ったのに」


 まぁ魔界を裏切っている以上、情報を抜き取ろうという気すらないんだけどね。


「勇者を育成・輩出を目指す学校ですからね……厳しいのは当然かと思います」


「そうよね〜……」


 アスセナからもっともな意見が出てくる。まだ手は握られたまま。きっとずっと握っていてくれる気よね。


「まだ誰にも魔王の娘だって伝えられてないしなぁ」


「それは仕方ありませんよ。混乱のタネになってしまわれます」


「そうよね〜……」


 はぁ、目先のことなら体育祭とハーフテスト。長い目で見れば魔王の娘問題、魔界と人間界の和解の目標、いろいろ課題は山積みにされているわね。


「姫様大丈夫ですか? 顔色がさらに悪くなっていますよ?」


「うん、ちょっとね……」


 課題も考えることもいっぱいある。冷静になって考えてみたら、あの魔王に謝らせるなんてできるのかしら。天上天下、唯我独尊を貫く魔の王。そんな男が私やユーシャの言葉に耳を傾けるとは思えない。……いや、絶対に傾けることはないと断言できる。


 そんなことを考えていたらどんどん頭が痛くなってくる。ユーシャの夢は応援したい。私の夢にもなった。一緒に追い求めていこうという希望もある。でもそれを全て壊してくる、魔王という存在。


「……父親なのに、なんでこんなに厄介に思うのかしら」


 普通なら父と子の関係は一定の距離や違和感はありつつも良好であるはずだ。多少問題のある家庭はあるかもしれない。でも比にならないくらいの問題を、私の家は抱えていた。気を抜けば私も……今にも殺されてもおかしくはない。


「魔王様は……怖いお方です」


「えぇ……本当に」


 手を握ってくれるアスセナの手を引っ張って布団に強制的に入れた。


「ひ、姫様!?」


「あったかい……ちょっと失礼するわね、アスセナ」


「ひえぇ!」


 アスセナを抱き枕にして寝る。うん、ポカポカ〜。


「ひ、姫様! これはふしだらなのでは!?」


「なぁにぃ〜? 不服なの?」


「い、いえ……そういうわけでは……」


「ならいいじゃない。減るもんじゃないし」


「おじさんですか!」


 う〜ん、アスセナ、いい匂いよね。ふわふわもこもこでポカポカでいい匂いで、最高の抱き枕じゃない。


「こうでもしていないとやってられないわよ。というわけでおやすみ」


「ひ、姫様ー!?」


 アスセナの叫びも虚しく、私は眠りに落ちていく。アスセナが側にいてくれるだけで安心できる。これが親友? またちょっと違うかも。恋人未満親友以上……って感じ? 恋人寄りの親友? よくわからないわね。頭が痛いってのに、これ以上何かを考え詰めることもないわね。というわけでおやすみなさい。……スヤァ……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ