File:10 終われない
二日後。7月2日水曜日、PM18:05。
軽く二回、扉を叩いた。堅く高い音が響く。
中から男の声で返事があった。扉を横へ滑らせると、真っ白な部屋が現れる。
消毒液のにおいと、テレビの音。部屋の片隅に置かれた白いベッドの三分の一が起き上がっている。
そこに背を預けた青年が、こちらを見て驚きの表情を浮かべていた。
「なんだ、意外と元気そうだな」
ドアを閉める音に、青年・杜山は慌てて姿勢を正そうと、腕を動かす。が、腹に力が入ったのか、呻き声を上げ顔を顰めた。
「あーあ、無理すんな。くつろげよ、お前は怪我人だろ」
「そんな、たいした怪我じゃないんですよ。刺さった場所がよかったらしくって、上手く行けば10日くらいで退院できるそうなんですけど、やっぱ腹に力は入ると、まだやばいですね」
杜山は青い入院着の上から、腹を擦る。
「それはそうと三輪さん、この事件の担当なんですか?」
「担当といえば担当だが、やることが違うし、これは完全個人的なやつだ。見舞いもあるぞ、ほら」
片手にぶら下げていたものを杜山の足元、可動式のベッドテーブルの上に置いた。杜山は蕗二の顔と置かれた物体を交互に見る。
「え、でかっ、なんですかこれ」
「なにって、一斗缶せんべいだよ。日持ちするから安心しろ。あー、量あるから湿気防止に、なんかジッパー付いたビニールに小分けして、乾燥剤入れとくといいぞ」
物珍しいのか、缶をしばらく見つめると、何か堪えきれなくなったのか杜山は突然、声をあげて笑った。
「はははは! 刑事さん、庶民的過ぎッ、イタタタ……」
杜山は汗を噴き出すと、腹を押さえて前かがみになってしまう。
「お前、笑いすぎだろ。傷開くぞ」
「じゃあ笑かさないでくださいよ」
「いや、どこにも笑う要素ねぇだろ」
不服と眉を寄せ、溜息をつく。
壁際に置いてあった丸イスを引き寄せ腰を下ろすと、杜山が顔を引き締めた。
「ニュース、見ました。犯人捕まえたんですね」
「ああ、捕まったな」
「逮捕したの、三輪さんですよね」
「まさか」
「じゃあ、その顔の傷は?」
「転んだんだよ、あんまり見るな」
顔どころか全身打ち身と擦り傷だらけだが、言う必要はないだろう。蕗二は瘡蓋のできている手を隠すように、ズボンのポケットに手を入れる。
この事件は『犯罪防止策』の一つとして、模倣犯防止に情報を伏せていることがある。
まずは、犯人の動機。
公には、ストーカーのエスカレートした結果の犯行としているが、真実は全く違う。
殺人主犯の芥子菜ハルトは、人を殺したくて仕方がなかった。その欲を満たす為に、代理殺人サイトの運営までしていたこと。芥子菜から芋づる式に逮捕した、多摩豊は、被害者や野村をストーカーし、犯行時運転していた協力者だ。
協力理由は、これまたふざけた理由で、人が殺されるのを目の前で見たかったらしい。そして、全ての犯行の依頼者、篝火歩葉は殺してでも片思いの女性たちを手に入れたかった。
三人の感情は、自分には全く理解できない。だが、あの三人の利害は一致してしまった。
繋がってしまった動機はぐるぐると、まるで坂を転がるボールのように加速していった。
もしも逮捕できなければ、その行き着く先は一体どこだったのだろうか。
それからもう一つ、捜査についてだ。
あの時、追跡でぶつけた覆面パトカーは案の定廃車になった。足が痺れるとか耳にタコができるとか、そんなレベルを通り越して菊田さんから長々と説教を食らった。もちろんたっぷり二倍の始末書も書かされた。
だが、それだけだった。
刑事を含め警察官である以上、何かやらかした場合は自宅謹慎やら減棒やら、最悪部署を異動させられるなど、何かペナルティがある。
だが、そんな話がひとつも出てこないのだ。さらに、犯人を追ってまだ日も沈まぬ街を爆走し、車を衝突させ、道路上で体当たりをかまし取り押さえるという、馬鹿みたいにド派手な捜査は隠し通せるものではない。野次馬のかっこうの餌になる。それに発達した情報社会である以上、どう足掻いても情報が広がってしまう。
なのに、静かなのだ。
ニュースやSNSを調べても、騒ぎ立てる者が見当たらない。
一体どこで何が起こっているのか、まったく分からないが、大規模な情報操作が行われているとしか考えられない。そして恐らく、柳本警視長が裏で手を引いている。まだまだ【特殊殺人対策捜査班】を利用するつもりのようだ。
そう思うと気持ちが悪い。
思考の海に沈んでいた蕗二の耳が、杜山の声を拾う。それに意識を引き戻された。
「あ、悪い。聞こえなかった」
「野村を、見てませんか?」
蕗二は目を見張り、首を横に振った。
「いや……来てないのか?」
「いえ、来てくれてたようなんですけど、まだ会えてなくて」
杜山が視線を向けた先には、蕗二の膝ほどの小さな冷蔵庫があった。
その上に置かれた花瓶に様々な花が生けられている。そしてその陰に隠れるように、手のひらに収まる小さなかごが置いてあった。そこに飾られているのは、花の開いた小さなチューリップのような黄色と白と紫のシンプルな花。
杜山はそれを、暖かく優しい眼差しで見つめていた。その顔を見ながら、蕗二は強く拳を握る。
「なあ、杜山」
杜山が花から、蕗二へと視線を移した。
そして息を詰まらせる。
蕗二は世辞でも目つきが良いとは言えない。普通に眼があっただけでも怖がられる。が、眉間に深い皺を寄せ、睨みつけられれば殺意を向けられているようにも感じる。今にも喉元を食いちぎられそうだ。
「何で庇った」
蕗二が目を細めると、さらに杜山は顔を強張らせた。
「お前が身を挺してまで、野村を庇う理由は、何だ」
「り、理由って、意味わかんないですよ。だって、目の前で人が襲われて、助けないわけには行かないでしょ」
「いろいろ引っかかるんだよ。調べさせてもらったが、お前の出身は野村と同じ千葉だ。なのに、そろいもそろってこんなに離れた大学に通って、さらにバイト先一緒? ふざけるな。付き合ってもいない他人が、偶然同じ場所なんてあり得ない。お前、六年前の野村の事件、全部知ってたんだろ。だから、野村の面倒見てんのか?」
「違います!」
即座に蕗二の声は遮られた。絶叫のような、狭い病室には大きすぎる杜山の声が響く。
だが、自身の腹の傷にも響き、堪らず腹を抱えて蹲った杜山の背を見つめる。
反響していた声が完全に止んだ頃、杜山が唸るような声を出す。
「いえ、三輪さんの言うとおりです。最初はそうだった、気がします。あの事件が起こってから近所中、いろんな噂が飛んでました。それが、野村が≪ブルーマーク≫になった途端、ぴったり止まったんです。
それから何が起こったと思いますか?
野村は、元々悪い奴だったみたいに、まるで世界から今までの野村を切り取って、全部なかったかのようになった。しかも野村まで、噂どおりの別人になって、なんか、それがすげぇ嫌で、今までの野村はなんだったんだって……
めちゃくちゃ悔しかったんです。悔しくて悔しくて、絶対オレだけは、態度変えてやるもんかって、思ったんです。野村が進む方向と同じになりたくないって、みんな言うから、だからオレはあえて選んだんです」
杜山の顔が上がる。強い怒りの表情だった。
だが、蕗二と睨み合う眼の奥から、怒りを書き換えるように、悲しみの表情が滲み出した。それを隠すように顔が伏せられる。
「あの時庇ったのは、これ以上、野村を傷つけられたくなかったからです。野村はいっぱい傷ついて、いっぱい失った。だから、これ以上何も失って欲しくなかった。野村が生きてくれればそれでいいって。
でもあの時、気を失う前に、ほんのちょっとだけ野村の声が聞こえたんです。
震えた声で『なんであんたも』って。
その時は、意味わかんなかったんですけど、今思えば、目の前でストーカー野郎の死ぬ姿、見せつけられたあいつの気持ち、全然分かってなくて、結局オレも、野村の気持ちを無視してたのかなって……やっぱ、今まで全部、要らないお節介だったのかなって……」
自嘲気味に笑う杜山を追い詰めるように、蕗二は攻撃的な視線を緩めなかった。
「ああ、お節介だったろうな。野村にとっちゃあ、トラウマをほじられた訳だ。それに、お前は死んでたかもしれない。今回はたまたま助かった。
けど、わずかに場所がずれてたら、犯人が何度もお前を刺したら、車でお前たちをまとめて轢き殺したら。……まず命はなかった。命捨てて、救える命なんて限られてる。もし英雄を気取りたいなら、救助ボランティアでもやってろ」
蕗二の鋭い言葉に、杜山の入院着を握り締める手が震え、白んでいた。
蕗二は俯いた後頭部を穴が開くほど見つめ、ゆっくりと瞼を下ろした。真っ暗な視界の中、静かに息を吐き出す。体から力を抜き、寄せすぎて痛む眉間を広げる。ゆっくりと拍動する心臓の音に耳を傾けながら、瞼を押し上げる。
白いシーツが眩しい。その光を噛み締めるように瞬いて、静かに言葉を紡ぐ。
「……でも、誰よりも良い奴だ」
命を張ったのは、褒められる行為とは言えない。
だが、杜山が今まで野村にしてきた行動は、野村を心の奥底に光をもたらした。
人は流される。大勢の意見に同調して、多いほうを正義とする。多い意見は、正しい意見として刷り込まれ、自分の考えだと錯覚し、そして事実は簡単にすり替わる。
だが、杜山は違った。
流されない。噂に、空気に、曖昧な言葉に惑わされず、自分の意思で、全てを判断する。
初対面の俺にだってそうだった。刑事の肩書きを脇に置いて、俺自身を見ようとした。
こいつならきっと、何にも囚われず、『野村紅葉』と言う人間を見てくれるはずだ。
だから、大丈夫。
「お前だけが野村を救った。お前だけが見捨てなかった。自信を持て。あいつには、お前のお節介が必要だ」
蕗二の言葉に、はっと息を呑んだ。
跳ね上がるように顔を上げた杜山は、信じられないと蕗二を見つめる。だが、蕗二の強い視線に、嘘ではないと確信させられる。蕗二の言葉はゆっくりと、杜山の心に沁みて、表情を崩させた。赤く染まる目の縁一杯に涙を溜め、瞬きよりも早く溢れさせた。
あとは壊れた蛇口のように幾筋もの道を作って流れ続ける。歯を食いしばり、肩を震わせ、時折大きく鼻を啜る。
「オレ、野村を救えますか?」
震える声に、蕗二は肩を強めに叩き、しかと頷いて見せた。
「ああ。お前ならできるよ」
杜山は涙と鼻水とでぐしゃぐしゃの顔で、誇らしげに笑っていた。
蕗二が廊下に出ると、壁にもたれかかっている人影に目が留まった。
「三輪っち、来るんだったら言ってよね」
野村が上目遣いに睨んでくる。
蕗二は思わず後頭部を掻いた。
「あー、悪かった。俺はてっきりお前がいると思ってきたから」
そこではたと気がつく。
「あれ、お前いつからここに」
「三輪っち」
野村が体ごとこちらを向いた。
瞬間、手を痺れるほど締めつけられた。反射的に手を引くよりも、痛みに声を上げる間も早く、野村が大きな声をあげた。
「あーむりむりむりむり! 素手は無理、難易度高すぎうえええ吐きそうううう!」
髪を振り乱し、壁に手を張り付けぜーぜーと息を荒げている様子は、大げさすぎるほどのリアクションだ。が、背中の波打ち方から本気で吐き気を堪えているとわかった。蕗二は自分の手を見つめる。
わずかに残る痛みと指の赤み、一瞬だけ感じた体温。
「野村、お前」
「わたし!」
勢いよく顔を上げた野村は、涙目ながら挑むような強い視線でこちらを見る。
「逃げるの、やめるから」
そう言うと、杜山の病室へと駆け込んでいった。
病室から騒ぐ声がする。野村が杜山の傷を突いたのかもしれない。
蕗二は笑いを堪え、そっと踵を返して白い廊下を歩き出す。
人を救う。人を殺す。
どちらも口にするのは簡単で、実際はどちらも躊躇ってしまう。
だが、ある一線を越えた時に、躊躇いは嘘のようになくなる。
その結果が人を救うのか、害するのかの違いで……
そして父は、その一線を越えた。
犯人を捕まえる為に、これ以上犠牲が出ないように、そして俺を守る為に、命を投げ出してしまった。
新聞、テレビ、父の仲間や、あらゆる人から、勇敢と称えられた父。
だが俺はあの時、あまり嬉しいとは思えなかった。
なぜ庇ったのだと、白い花に埋もれ眠る父に掴みかかって、問い詰めたいと思ったほどだ。
死んでしまうくらいなら、どんなに無様でも、生きていて欲しかった。
父への、自分への怒りと悲しみは、誰にもひとつ吐き出せず、ブルーマークへの憎しみへと変わった。
全てあいつがいなければ、父が死ぬことはなかったのだと。
だが杜山の言葉に、そうかと納得できた部分もある。
父は、俺に生きて欲しかった。
己を犠牲にしても、守りたかったのだ。
だから、死ぬかもしれないとわかってても、俺の目の前、犯人に立ち向かったのだ。たとえ、何度同じことが起ころうとも、父は俺を庇うのだろう。
子供のはしゃぐ声がした。
いつの間にか病院を抜け、病院の隣にある大きな公園へと来ていた。
広い芝生と青々とした木々の中をただ黙々と進むと、大きな噴水が見えてくる。
その縁に腰掛けた少年が見える。
陽はまだ高い。少年の白いシャツが、薄っすらと汗で湿気て、背に張り付いている。
「暑いだろ、一緒に来ればよかったのに」
「ぼく病院嫌いなんです」
芳乃は気だるげに、中身が半分になったペットボトルを片手に呟いた。
その隣に腰掛ける。スーツの背に水の冷気があたり、日差しの暑さを和らげてくれた。
「芳乃」
「恨むな、なんて言いません」
蕗二の言葉を遮った芳乃は、ただ真っ直ぐ前を向いている。
「ぼくは、あなたの過去を知りません。ですが、人それぞれ、引き摺っている過去があります。
そして、それは簡単に引き剥がせるものじゃありません。あなたがぼくら≪ブルーマーク≫を嫌うのは、その過去があったから持った感情です。とても自然な事なんです。だからもし、その感情を捨ててまで、『答え』を出すのなら、ぼくはこの先も、あなたを信頼しません」
淡々と、紡がれる言葉に氷の冷たさはない。
そしてどこか、そっと胸を撫で下ろす自分がいた。
野村のような凄惨な過去を持つ≪ブルーマーク≫がいることは、悲しくも事実だ。
だが、俺の父親の命を奪ったのもまた≪ブルーマーク≫だ。
父が俺を庇い救ってくれたことは、きっと感謝すべきことだ。それは頭でわかっている。でも、≪ブルーマーク≫が、父を殺した事実は消えない。
許せるわけがない。
眼の奥に焼きついた光景は、まだ消えない。
あの瞬間から、青い光を憎んで、恨んで、それだけを糧にこの十年間生きてきた。この感情は消えないし、捨てられない。捨てる捨てない、許す許さないとか、そんな簡単な話じゃない。もし、この感情をまるまる捨てろと言われれば、俺は何かを見失ってしまう。何かはわからない。でも一度見失えば、もう二度と立てなくなってしまう。
そんな気がする。
だから、この先どうすればいいのか、この感情と≪こいつら≫とどう向き合えばいいのか、まだ答えを出せない。
そんなことまで、この黒い眼は見抜いている。
まったく、末恐ろしい奴だ。
「なあ、お前は」
「資料は、まだ全部読んでませんね?」
「え、ああ……野村のとこだけだ」
「まあ、事件の合間でしたし熟読されても困りましたが。脳みそ筋肉のあなたのことです、全員の分を一気に読んだら簡単にキャパ越えるでしょうし」
「それくらいで越えるか、馬鹿にすんな」
黒い眼がやっとこちらを向いた。
眠たげに目尻が垂れた、どこにでもいそうな少年。
しかし、目の奥はずっと深く暗い穴が広がっている。
「ぼくのは、面白くないですよ」
「面白い面白くないって、なんだよ。そんなので判断するもんなのか?」
「面白いほうが興味持てますし? それに」
小さく、芳乃が何かを呟いた。
が、突然の子供の声に掻き消された。視線を向けた先で、噴水の周りで水遊びをする子供が噴水に落ちたようだ。助けようかと腰を上げるがそれよりも早く、母親らしき女性が子供を引き上げた。浮き上がらせた腰を置きなおすと、隣で芳乃が立っていた。
「じゃあ、用も済んだので帰ります。お疲れさまでした」
話は終わったとばかりに向けられる芳乃の背に、蕗二はとっさに声をかける。
「芳乃、今度どっか遊びに行かねぇか? 普通に、仕事なしで」
「お断りします」
「即答かよ」
「じゃあ、全部刑事さんが奢ってくれるなら考えます」
「じゃあってなんだよ、ほんと生意気な事しか言えねぇな? どうやったらガキらしいことが言えるようになるんだ?」
頭をなで、黒い髪を掻き乱してやると、鬱陶しいと言わんばかりに手を払い除けられる。
「うるさいですね、暑いんで触らないでくれますか」
「おうおう、じゃあ冷やしてやるよ」
噴水に手を突っ込み、手首を返して水を跳ね上げる。反応の遅れた芳乃の顔に直撃し、思わずよっしゃあと声をあげた。
水をかけられ呆然としていた芳乃は、ゆっくりとした動作でシャツの端で顔を拭う。
上げられたその表情は恐ろしく不機嫌だった。
あっやばいと思った瞬間、すばやく腕全体で体の前を隠すが、それを越えて大量の水が頭から被せられる。ぼたぼたと顔を流れる水が視界を塞いだ。犬のように顔を振り、手で拭い払った。
取り戻した視界に、芳乃は珍しく口の端を吊り上げて笑っていた。手にはバケツ、後ろで芳乃を見上げる水着の子供が立っている。
「お前卑怯だな!」
「最初にやったのは刑事さんでしょ」
「なにを! あっくそバケツ! バケツ反則!」
「無駄に体でかいんですから、ハンデですよハンデ、わっ!」
「へへへへ大人舐めんなよ、こちとら技術があんだよ」
スーツを着たいい大人が、なんてお構いなしで。
いつもの平静な表情を年相応に崩して。
お互いずぶ濡れになるまで、騒いでいた。
跳ね上げた水が、虹色を含んで輝いていた。
**憫笑するブラインドフラワー** 【了】




