97話 来て欲しいのですが···駄目ですか?
連休最終日です
連休4日目·日曜日
朝、目が覚めると枕元に『小さな世界樹』がいた。
「おはようございます。あの···いきなりなのですが···精霊界に来て欲しいのですが···駄目ですか?」
「···おはよう。理由を聞いても?」
何で枕元にいるのか疑問ではあるが、何やら深刻そうなので話を聞く事にする。
「実は···精霊王がいない為、私の霊力が不安定になり始めまして···。このままだと『聖域』が消えてしまって、精霊達が生活出来なくなってしまうのです···。」
結構緊急事態だった
「僕が行って何をすればいいのかな?そのまま永住とか無理だよ?」
「いえ、私の本体に霊力を注いで下されば、大丈夫です。昨日は貴方がどういう人物なのか判らなかったので···」
「なるほどね。確かにその行動は正解かもしれないけど、もう少し違うやり方があったでしょ?うちの世界樹は元々おかしいのに、『志希さん酷いです。』···更におかしくなったら、手がつけられなくなっちゃうよ?」
『無視!?ねぇ!?無視ですか!?私はそんなにおかしくないですよね!?』
「···確かに変わった世界樹ですが···すみませんでした。配慮が足りませんでした。」
『おいこら!!ちょっと力が上だからっていい気になるなよ!!うちのご主人様はキレると怖いんだぞ!!私が泣きつけば貴方なんて消滅させられるんですからね!!』
「···ちょっと黙ろうか?」
『はい!!黙ります!!私はおとなしい世界樹です!!』
朝からうるさい世界樹を笑顔で威圧して黙らせる
「うちの世界樹が失礼。では、着替えが終わったら向かうよ。」
「はい!!よろしくお願いします!!」
小さな世界樹は震えて返事をする
おかしいな?変な事はして無いのに···
布団から出て身支度を整え、小さな世界樹に案内を頼む
「では、こちらのゲートをお通り下さい。」
目の前のゲートを通ってみると、あたり一面に花が咲いていて、精霊達が無数に飛んでいた···
「志希様。後ろに世界樹の本体がありますので、すみませんが、霊力を注いでいただけませんか?」
「うん。ところで···霊力ってどうやって扱うの?魔力なら分かるんだけど···」
肝心の霊力については何も知らない志希は、世界樹に聞いてみる
「簡単に説明しますと『魔力は精神力』『霊力は生命力』です。『志希様の生命力は魔力を変換して常時補充している』ので、私に注入しても減りません。『常時変換されている分でフルチャージ可能』です。」
「やり方は私に触れていただければ、『魔力変換』『霊力変換』の感覚を伝えます」
「それを真似していただき、変換された霊力を送り出して下さい。」
言われた通りに世界樹に触れると、全身の魔力が徐々に霊力へと変換されていくのが感じられる。
「なるほど···これが霊力か···。でも、変換速度が遅いな···少し速度を速くして···触れてる手から送り出す···と、こうかな?」
意識を集中して魔力を霊力に変換して世界樹に送り出す···
「待って!?そんなに大量に送られても溢れちゃいます!!」
世界樹が慌てて止めるが、かなりの量が送られていた為、世界樹が大きくなり、大量の実が出来ていた。
次回『精霊王はまだ行方不明』




